本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0394 マンションのずさんな施工

 相談概要 [ 氏名 ] E.K
[ 相談内容 ] 分譲マンションの瑕疵
[ 住所 ] 大阪府大阪市
[ 職業 ] 会社員
[ 年齢 ] 30
[ 男性 ] on
[ 構造 ] 鉄筋鉄骨コンクリート造
[ 築何年ですか? ] 築 1年以内
[ 何階建て ] 11
[ 様態 ] 分譲マンション
[ 施工者 ] 大手建設会社
[ 打ち合わせ何回 ] 1回
[ 床面積 ] 400m2以上
[ マンションの総戸数 ] 50戸以下
 相談内容 [ 現象 ]
私は昨年2月に(株)Rと言う事業主と契約を結び新築マンションを購入いたしました。その際「メゾネットタイプですので、モデルルームは用意いたしておりませんが、会社の内部にモデルルームがありますのでタイプは違いますが」と言われ、その中でパンフレットと照らし合わせ確認を取りながら、契約を結び400万円の手付け金支払いました。

その後仕様変更や変更箇所について、いろいろな手違えが有り、相手に対して何度も苦情や見積もりの訂正を出させながら、やっとの思いで完成を待つのみと言う状態になりました。ところが建物の工事進行状況他の物件から見ると非常に遅いと感じ始めました「本当に3月24日迄に完成するのかな?」1月の中になり売り主から「仕様変更代金の差額と駐車場(分譲)の代金及び手数料、登記の司法書士代金を2/15迄に入金下さい」と言う文書が届きました(約380万円)。
「売買契約の際には内覧会後と聞いていたのに」と疑問に思いながらも入金いたしました。

その後銀行とのつなぎ融資及び公庫の手続きを2/16に行いました。その後売り主に3/11内覧会を希望しました、ですが2月の後半段階でまだ外をシートが掛かっている状態、3月11日内覧会の予定が、3月初旬の土日の夜まで電気がついている状態でした(突貫工事?)案の常内覧会の結果は最低最悪クロスに破れ、フローリングに隙間、建具に隙間、ベランダの手すりが仕様と違う。メゾネットなので2階に窓があるのですが、窓がイメージ図と違うなどなど多数の欠陥で、上げたら上げきれないほどの状態でした(基礎工事で水が出たので1ヶ月工事が中断したため内装工事に追い込みをかけてしまった)

そして3月19迄には直しますと明言しておいて、11の状態がとても内覧会とはいえる状態ではなかったと詫び文を送りつけられ再度23日にして下さいと言う文書が送られてきました。仕様変更なども合ったので手直しを19日に確認に言ったところ、まだまだ出てきたため、再度追加修正を依頼いたしました

3/24日鍵の引き渡し日なのもかかわらず、再々内覧会は3/30でお願いいたします、と言われたので行ってみると、なななんと指摘したところ添付資料(4月2日)のとおりの結果で結局は手直し及び仕様変更点については誤魔化し及びこんなもんですの一点張り、「これでも一生懸命やったんですもう勘弁して下さいよ」

それでは私たちは4240万の物件ではないので値引き及び遅延による賃貸契約料を払って下さいと談判、持ち帰らせて下さい。4/2に再度3/30の指摘事項を確認に行ったところ、ベランダにひび割れ、1F駐車場の壁にはクラックがそちこちに有り、天井部分のガス管がガムテープで穴埋め、電源線の穴埋めはされておらず裸のまま、これでは住めないのではと考え始めた為写真を撮影し建築士会やいろいろな苦情センターに電話連絡をし相談、町の一級建築士にも写真を見てもらうと「酷いねこれがゼネコンH組の仕事」といわれ、4/8再度内覧会をし最終的に瑕疵担保責任の面での工事代金としての値引きをして下さいと交渉したところ、4月12日一切の代金の値引きはさえませんし、内としては全ての工事を完了し、3月31日に引き渡せる状態でしたと言われました。

そして数日後4/23迄に残代金を支払わなければ、こちらから解約請求(不履行)し賠償金として848万円払っていただきます、と言う内容証明が届きました。弁護士に相談し、いろいろと手をつくしましたが、結局行政も民事訴訟ですので扱えませんと断られました(宅建指導課)、現在弁護士を立てて相手に内容証明を「手付け金その他入金分を全額変換し解約を請求しています」と言う文面で送りつけていますが、(株)Rからは何も返答御座いません。

契約の目的を達してない新築マンションであると私たちは思うのですが、今までこつこつ貯めてきた貯金も、膨らませてきた大きな夢も水の泡。報道関係でこういった欠陥住宅を取り扱っているなら是非取材に来て下さい。
施工は(株)Hです。
設計、監理はW様と言う有名な建築家らしく、事業主は仕様の変更はすべてWの思想で行っております。Wさんの家を建てるのなら納得行きますが、私たちはパンフレットの仕様とイメージ図で購入してるのになっくいきません。
ただし売買契約書には「買主は売主に何ら意義を申し立てない」と言う文面が記載されています。

再内覧会時の不都合点

@共有部
1.外壁の仕上げに危険性を感じる/引き渡し時とは思えない仕上げ
2.石積み箇所のコンクリート詰めが雑である
3.外壁に欠けが生じている
4.駐車場/メールboxなどの仕上げもひどいと感じる
5.張りが出ているためエレベータのドアより入り口が狭い
6.廊下の壁面が仕様と異なる/出来上がりがみっともない/壁を触ると白い粉が付く
7.廊下の穴あけ箇所の補修が出来てない/隙間の処理がひどい
8.廊下の天井部に手抜き箇所(天板の段差及び隙間)
9.タイルの目地詰めが雑である
10.階段の出口の扉を開けると手を挟むおそれがある(踊り場と扉のサイズのバランスが悪い)

Aアルコーブ
1.コーキングが雑に行われている(汚い)
2.壁はコンクリート打放しが白塗り壁に成っている
3.ドアの色が違う

B1Fトイレ
1.ドア枠の建具に隙間があると指摘したところ樹脂製の物をはめ込んだだけ
2.トイレの袴のはがれを指摘したところ袴が波を打っている
3.物入れのドアなどがを閉めたときの隙間が上中下で違う
4.床面のビニールクロスが雑に張られてる
5.物入れの板がささくれだらけ(化粧合板でない)

C玄関部
1.リビング入り口のドア建具に隙間がある

D台所
1.フローリングと壁との隙間があると指摘したところ
コウキング材で雑に隙間を埋めている(コウキングの色も統一されてない)
2.シンクに傷がある(修復したが完全でない)
3.キッチンの仕上げが雑である(特に天板周り)
4.タイルの仕上げが雑である

Eリビング
1.エアコンの取り付け位置が図面と違う(上過ぎて保守不能)
2.出窓の板に傷が残っている(修復したが完全でない)
3.出窓の板とクロスの間の処理が雑でありコーキングで誤魔化している
4.フローリングと壁との隙間があると指摘したところ
コウキング材で雑に隙間を埋めている
5.フローリングに浮き沈みが激しいところがある
6.フローリングに隙間がある
7.クロスの仕上げが雑である

F洋室T
1.出入り口の引き戸建具が隙間があった
2.引き戸の仕様が違う(図面では全開放式であった)
3.通気口が2個開けられている
4.フローリングと壁との隙間があると指摘したところ
コウキング材で雑に隙間を埋めているフローリングの隙間から床下が見える
5.フローリングに浮き沈みが激しいところがある
6.クローゼットの棚に傾きがあるのでは?
7.クローゼットの扉がぴったり合わさらない

G階段部
1.階段が塗装はげ及び塗装のムラがひどい
2.階段の支持ボルトの穴開け部にコンクリートに割れがあり
修復したがまだ雑である(塗装も含めて)
3.階段部のコーキングが雑である
4.階段が安っぽい
5.フローリングと壁との隙間があると指摘したところ
コウキング材で雑に隙間を埋めている
6.廊下の手すりの隙間が有り隙間が端ー端で違う
7.クロスの仕上げが雑である
8.手すりにぐらつきがある

H2F洗面所
1.ユニットバス目地に穴がある
2.石の部分に割れがある
3.洗面台下部に隙間がある
4.フローリングと建具との隙間があると指摘したところ
コウキング材で雑に隙間を埋めている

I2Fトイレ
1.配管が横に剥き出しである処理がひどい
2.床面のビニールクロスが雑に張られてる
3.クロスの仕上げが雑である

J洋室U
1.出入り口のドア建具とフローリングに隙間があった(コーキング材で補修雑)
2.窓が仕様と異なっていた(今できる範囲での修正を依頼したつもりです
本来はサッシ仕様にしていただきたかったが無理との返答で今回のようになった
ガラス自体も物とも違うし鍵も付いてなかった落下防止ストッパも)
3.クローゼットの仕様が違う
4.クローゼットの締まりが悪い

K洋室V
1.出入り口のドア建具とフローリングに隙間があった(コーキング材で補修雑)
3.クローゼットの仕様が違う
4.通気口が2個開けられている
5.フローリングと壁との隙間があると指摘したところ
コウキング材で雑に隙間を埋めている

Lベランダ
1.タイル張りの仕様のはずがコンクリート打放し
又打放しにもむらがあり修復で治しているがまだ欠けがある(後で欠落するのでは?)
2.手すりはアルミ仕様であるが鉄製に変更になっている
3.ひび割れがもうでている日々広がっている
4.手すりはアルミ仕様であるが鉄製に変更になっている
5.ベランダの隅の処理があまりにもひどい
6.排水溝の処理もコンクリートが割れている
7.側面が汚い

Mテラス
1.タイル張りの仕様のはずがコンクリート打放し
又打放しにもむらがあり修復で治しているがまだ欠けがある(後で欠落するのでは?)
2.手すりはアルミ仕様であるが鉄製に変更になっている
3.2階ベランダからの配管/シンクの配管が剥き出しである又水の処理も悪い

[ 業者の見解 ]
業者側は、直しも全て3/31の段階で終わっている、すでに住める状態であるですからこちらから内容証明を遅らせていただきます。
内容証明内容 株式会社Rは平成11年2月27日に売買契約を結び残代金を3月末日が履行期であるので平成12年4月23日までに残代金を支払わなければ、本契約を解除し売買契約の20%の848万を損害賠償を請求します。その後連絡無しです

[ 相談内容 ]
この程度では、こちら側からの全金変換の上での契約解除は難しいのでしょうか?
 yorozuの感想 こういった形での無料相談は大変助かりますし、自分たちの心の励みになります。これからもどんどんこういった機関が増えていけば、悪徳の業者も減ると思います。またこういった機関からの行政への報告などが、積み重なればどんどん良い住宅事情に成ると思います。今はただ低金利、住宅減税で消費を上げろと言う政治、その消費者の弱みにつけ込んだ悪徳業者、パンフて良く見せて「低金利だから飛びつくだろう、後は売買契約書異議を申し立てないと付け加えてをけば何も言えまい」そんな業者が、今現状増えているのは事実です、是非とも消費者の見方になって下さい
そしてこれからも、値段や税金を安くするのではなく、長く住める、長く価値を保てる、物件を作り出せるように、是非とも頑張って下さい。また是非良い意見がありましたら、御知恵をお貸し下さい。
アドバイザー 
木津田 秀雄 木津田です。

少しコメントをと思ったら長くなりました。

まずゼネコンについて

 最近この手の大手ゼネコンは仕事が減ってマンションの仕事も取るようになっています。これまでマンションという客が何十人もいてそれぞれが細かな注文(もっともな注文ですが)を言うような仕事をしたこがないので、現場管理者もそのあたりの怖さをしりません。マンションの工事を殆どやってこなかった土木が中心の会社はこのような対応になるようです。

 また工期についても多少無理があても、仕事ほしさに引き受ける傾向があり、またそれにデベロッパーもつけ込んでいます。デベロッパーも大手ゼネコンができると言っているから、なんとなるだろうとういう甘い見込みで事業をすすめます。大手でも何でもコンクリートが固まる時間は変わりません。

 もっとも文面から見る限りひどすぎるようですが、多かれ少なかれこのような話は良く聞きます。ゼネコンは組織で仕事をしているように見えますが、現場所長(現場代理人)が全てです。現場代理人はゼネコンの社長の代理として、その現場の全てを統括します。ですから彼がいい加減な指示を出したり、管理を怠るととんでもない建物ができます。事務所とか何とか会館なら得意なのかもしれませんが。逆に小さなゼネコンでも現場監督がしっかりしていると良い仕事ができますし、私たち監理する立場からしても安心して仕事を進めることができます。

次ぎに設計事務所について

 それから設計監理者のW氏ですが、彼はデザイナーです。NのRのデザインをした人です。それからSのKのHを設計監理した人です。残念ながら有名ではありますが、ディテールの詰めが甘く、構造面のリスク、防水の考え方、基本的なディテールをデザインの為に無視する傾向が見られます。有名なのと能力があるのは違います。

 Hを施工した現場監督と後に仕事をしたことがありますが、その時には彼は「現場監理とは現場でタイルの色を決めたりすること」だと考えているような印象を受けました。現場の施工中に仕様が変更になったり、納まりが図面になかったりと、現場も苦労したそうです。そこまでして苦労した建物の持ち主が倒産したかで、数年後に閉鎖して現在もあきビルのようです。当然防水の納ま
りが悪いところからは浸水もしているようです。

次ぎにデベロッパー

 (株)Rの設立はいつですか、それから社長や役員の経歴は分かりますか?ここ数年いわゆる大手デベロッパーで経営的に苦しいところから部長クラスが独立して会社を作るケースが増えています。大手はバブル時期の影響でまだまだ大変ですが、この新興デベロッパーはバブル後の安くなった土地を買って、回転を早く処理するような仕事をしています。大手はそれなりに自社の特徴や十年単位のスケールで物事を考えようとはしていましたが、このような新興デベロッパーは、基本的に今はまだ売ってなんぼの世界です。

 (株)Rがそのような会社であるかどうかわかりませんが、少なくとも大手(特にバックに親会社がいるようなところ)と比較すると「売らんかな」主義が徹底しています。

結論的なこと

 もしこれらの全てが当てはまるようでしたら、もっとも組み合わせが悪いパターンになるでしょうね。ゼネコンか設計事務所がしっかりしていれば、まだデベロッパーが多少「売らんかな」主義でも最悪な「建物に問題が多発する」状態は間逃れます。ゼネコン(現場代理人)だけがよい場合も、なんとか「建物だけは」安物を使おうが「最低」の仕事はできます。残念ながら全てが悪かったのか、よほど設計が悪く、現場で設計しているような状態だったのかもしれません。

 今後の解決ですが、まず契約内容について建築紛争に強い弁護士に相談され、同時に建物を一級建築士と一緒に見て表面的な問題で解決できるのか、根本的な問題があり解決できないのかを相談されることが必要と思われます。
山口 雅克 山口より

あまりにも内容が多くてどのようにアドバイスを差し上げたらよいのか。
又、すでに、建築士や弁護士にも相談されているみたいなので・・・。

私も現場で監理をしていてもっとも悩むところは、図面や監理者の指示通りに工事はしているが仕事の上手下手によるやり変えの指示を出すべきかどうかです。
工期、美感を考え・・・。よい解決策がありません。

全体に仕事が粗い(雑、追っ付け)ことは容易に判断できますが、写真のアップが多くて全体像が不明な部分もありますので
いくつか気付いたところのみアドバイスします。
・トイレドア下部の隙間
 吸気(換気用)のために10mm位は隙間をもうける設計もあります。
・引き戸の隙間
 閉めた時と開けた時で多少(3mmほど)の違いがあることも。
・床と幅木の隙間とコーキング
 追っ付け仕事で、やりかえは当然してもらうほどの不良工事。
・コンクリートのクラック(ひび割れ)と継ぎ目の汚さ
 クラックは一部の写真では不明ですが、継ぎ目の汚さはコンクリート打設中に型枠が開いて(ズレて)そこから一部が漏れてコンクリート分離が表面に出てきたものです。
 砂や砂利が見えると思います。強度的には大きな問題はない部分だとと思いますが前述のクラックがこのそばであれば、原因は型枠の開きでは。
・これくらいならこのままでも、と見受けられるのもありますが。
 
ゼネコンの監督さんの役目は品質管理ですが、なにをやってたのでしょうね。
ガムテープなどは剥がせばすむのですが、確認もれです。

設計者の仕様指示
・共用(共有)部分は設計者の感覚で決定しますので購入者の意見は通りにくい部分がありますが、住戸内部は購入者の要望に充分こたえるのが販売者の使命です。
変更は金額の了承をして初めて変更契約となるはずです。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 写真を拝見しましたが、正直驚いています。施工に気持ちが入っていません。何故、このような現象になったのか?これを探る必要が有りそうです。
管理も監理もろくにされていない様子。弁護士・建築士もいれているようなので進捗状況を見守りたいと思いますが、施工者及び設計監理者も責められる問題だと思われます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107