相談概要 | [ 氏名 ] S.H [ 住所 ] 群馬県太田市 [ 職業 ] 自営 [ 年齢 ] 34 [ 男性 ] on [ 構造 ] 木造(在来工法) [ 設計者はどなたに依頼しますか? ] 建設会社の建築士 [ 何階建て ] 2 [ 様態 ] 注文建築 [ 施工業者はどちらに依頼しますか? ] 大工(工務店) |
相談内容 | こんばんわ。いつもお世話になります。家造りの素朴な質問についてよろしくお願いします。 @小屋裏、天井裏に丸太を十字掛けに使う家を見かけなくなりましたが、技術的にも熟練度を要し、また今では桁の間隔を短くして(1800を900mmに)かつ、金具を多く使っているからむしろ昔より強度も増し丈夫だと聞きましたが今の家造りとはそうなのでしょうか。 A素人が間取りを考えると構造を考えないため1階と2階のズレを指摘されますが、例えば総2階造りで2階部分の面積は通常1階よりも小さいのでそのところへベランダを設置する場合(1階に和室がありその上にベランダがまたぐ)、やはりズレとなるのでしょうか。 B最近、床下換気口のない家を見かけますが基礎パッキンを使っているため従来の換気口より通風の確保が確実にできると言いますが実際どうなのでしょうか。また、換気口に開閉装置がついているのがありますが効果の方はどうなのでしょうか。 お答え頂ければ幸いです。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
星 裕之 | @についてですが、比較的高度な質問をされているようですのであえて専門的に解説させていただきます。 建物を地震や風などの外力に抵抗させるには二つの方法があります。A/門形のフレームをくみ、そのフレームや接合部に曲げモーメントを負担させることで外力に対し柳のように抵抗させる方法。B/もうひとつは、門型のなかに斜材(すじかい・合板もこれと一緒の仕組)を組み込み、筋交いの軸力によって外力に抵抗させる方法です。 昔の伝統建築は現在の建築に比較するとBよりAに期待する比重が少しおおきいようです。近年はプレカット工法などの普及により、曲げモーメントの負担を考慮しなくても外力に抵抗できるように設計の方法は変化してきています。そのような考え方から今の金物は曲げを負担させるためのものではなく、引き抜きを防止するためのものが主です。また、地震時の本体強度は、@で書かれている要素とは別の部分で決まることが多いのであまり気になさらないほうが良いかと思います。 ただ、伝統建築の小屋組みやデザイン上非常に魅力的ですね。 Aについてですが、ずれていても大丈夫です。その分補強をすれば良いだけですから。建築を成立させるための方法は非常に多く、絶対的にだめといううことは少ないと思います。たた単純に間取りのパズルをするのは簡単です。設計のプロであれば、素人さんが1ヶ月間かかってやっと考えつくプラン程度なら、ものの数分でできてしまうでしょう。しかし、光・風・構成等と与条件を考慮に入れながら設計するとなると全く別の次元で非常に難しいものです。そこに設計の存在意義があるわけですが。 B床下に潜っていただければ効果はすぐにわかります。ただし、施工時に使用方法を良く理解していないためキソパッキンを入れ忘れている部分を多くみかけます。どの部分に入れるべきかは設計者・監理者におききください。 |
山口 雅克 | 1、家の強度:今の家造りは多くはおっしゃる通りですが充分な配慮をして設計すれば工法を問うものではありません。 金具をつかわずに丈夫な家をつくることも可能ですが、それほどの設計者や大工さんがどの程度いるのかは不明です。 2、1階と2階の柱のズレ:ズレないことがいいのですが、間取りの関係で2階のみの柱をつけることがあります。 その時は、屋根などの荷重が2階の梁(2階の床下にある横架材)にかからないように設計します。ズレてもそれなりの配慮をすれば大丈夫です。 3、基礎パッキン:いいですよ! 換気口に開閉装置:いいですよ。ただ、季節による開閉の操作を間違えないようにしないとなにもなりません。 寒い冬だけ閉めること。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | あまり気になさる必要は無いと思います。しかし、その条件としては誠意のある設計者・監理者がいることが前提です。2階の地震力や風圧力を素直に通すには下の壁配置は大切です。しかし、必ずしも全てが揃っている必要はありませんので、設計者といろいろお話してください。 基礎パッキンの配置には十分ご注意を!通風は全方位型ですから風向きが変わっても影響が無くいいです。しかし、冬はその分寒い。 それで開閉装置ですが、締め切りにすると土台が腐りますので注意。それさえ守ればいいシステムですね。 めんどくさがり屋さんには不向きか? |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 先日の質問についてご回答頂き有り難うございました。自分ではちょっとした質問のつもりだったのですが、結構専門的なお答えを頂き恐縮しております。 今後の家造りに役立てたいと思います。みなさまのより一層のご活躍を期待しております。では。 |
その後 |
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