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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0353 窓のサッシより雨漏り

 相談概要 [氏名] S.T
[相談内容] 分譲マンションの瑕疵
[住所] 大分県中津市
[職業] 会社員
[年齢] 41
[構造] わからない
[築何年ですか?] 築 1年以内
[何階建て] 10
[態様] 分譲マンション
[生産者] 中堅建設会社
[床面積] 100m2以下
[マンションの総戸数] 100戸以下
 相談内容 初めて相談いたします。
昨年9月の台風で、窓のサッシより雨漏りしました。

(1)サッシの下部レールより雨水がどんどん入ってきてそのままにしておくとフローリング・和室に溢れた。
⇒家族総出で雑巾に水を吸わせ、バケツに絞って室内に侵入するのを防ぎました。(窓4カ所)
(2)サッシのガラスと枠の間のパッキンより雨水が吹き込んできた
⇒ガムテープで塞ぎました。

一番被害のひどかった10階の所有者がマンションを販売した会社に言ったところ、
(1)台風の被害だから仕方がない
(2)当方は何も違法なことはしていないので責任は無い
との回答で4回連絡してやっと障子紙の張り替えとサッシの窓枠にコーキングを施したとのことでした。

また、サッシメーカを呼んでサッシの欠陥じゃないのかとクレームを付けたところ、当該サッシは本来6.8mmのガラス用のサッシなのに5mmのガラスが使われているとのことでした。
販売会社の回答は、5mmのガラスでも風速66mmまでは耐えるから問題ないとのこと、台風被害だから、販売会社には一切責任は無いと対応は非常に悪いとのことでした。

そこで、個人個人で言っても話にならないということで、管理組合で販売会社と話し合おうということになり、当マンションでアンケートを取ったところ、雨水浸水の被害が26戸/53戸発生していました。

現在雨水浸水の被害内訳のまとめを他の理事が行っていますが、これから毎年雨台風が来たときは、雨水浸水の対応をしないといけないのか、あるいは、不在(帰省)にしているとき万が一台風が来たら床・畳・障子・カーテンが水浸しになるかと思うとぞっとします。

そこでご相談したいことは
(1)いくら台風被害とは言え、雨水浸水は仕方がないのか?
(2)販売会社と交渉しても無駄なのか
  交渉しても問題なければ、どのように話をすれば良いのか?
(3)雨水浸水を防ぐ手だてはないのか?

長々となりましたが、よろしくお願い致します。

昨日”マンションの住まい学((株)Dサービス)”を見ていたところ、台風シーズンに備えて、バルコニ−の排水口の確認とアルミサッシの水抜きのチェック、ガムテープでの目張りをし、雑巾などを溝につめておく、という記述がありました。
このことから、台風でのサッシからの浸水というのは区分所有者の自責なのかと思いました。
やはり、販売会社に交渉しても無駄なんでしょうか?

ご教授の程よろしくお願い致します。



 yorozuの感想
アドバイザー 
原田 和美 Sさん、原田と申します。

メール、資料(配置図、写真、アンケート結果)、拝見いたしました。
組合理事のお仕事、いろいろと大変でしょうが頑張って下さい。

>(1)いくら台風被害とは言え、雨水浸水は仕方がないのか?

基準に従って設計され、第三者の監理者のもとで施工されたケースであれば、自然災害に対しては自己防衛の必要もあるかと思われます。
しかし、今回の御相談の場合は、自然災害だけが原因とは言い切れず、少々問題がありそうです。

>(2)販売会社と交渉しても無駄なのか
>交渉しても問題なければ、どのように話をすれば良いのか?

販売会社との交渉の前に、サッシメーカーに次のことを確認してください。その上で交渉されてはいかがでしょうか?

>当該サッシは本来6.8mmのガラス用のサッシなのに
>5mmのガラスが使われているとのことでした。
>販売会社の回答は、5mmのガラスでも風速66mmまでは耐
>えるから問題ないとのこと

当初の設計では6.8mmだったガラスが、以後5mmに変更された可能性があります。
ガラスが5mmに薄くなったのに、サッシとガラスの隙間を埋めている材料(ビート)に6.8mmガラス用のものが使われたとしたら、隙間が十分に埋まらず、強風時に浸水してしまうことも考えられます。
使われているビードが施工されているガラスに対応したものかを確認してください。
また、地上からの高さとガラス厚さにより、使用可能なガラスの最大面積の参考値があり、併せて、サッシの性能として、建物の階数によって、JISグレードによる耐風圧性の目安があります。
施工されているサッシ、ガラスが上記に適応しているかどうか確認してください。
 
>(3)雨水浸水を防ぐ手だてはないのか?

ビートの交換をする方法が考えられます。
防水ビートにする、外部についてはシリコンシーリングにする、等です。
サッシメーカーに相談してみてください。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 今回の管理組合全体の行動は大変有意義なことと思います。
ガラスの件は原田解説委員の通りです。

写真を拝見しまして、
(1)の問題はバルコニーとサッシュが同じレベルとなっていて、これでは強風時の台風には風向きによってはサッシュの水抜きから逆流する可能性が大きいと判断できます。
バリアフリーをバルコニーに考えたみたいですが、その場合は手前のバルコニー側に排水溝を設けアルミ等の蓋を取付けるのが水が浸入しない、いい方法です。何故、このような納まりにしたのか理解に苦しみます。

排水溝を設けない場合はバリアフリーは難しく、多少の段差をサッシュとバルコニー床に設けなければいけないと思います。起こるべくして起こった事故と見られます。

(2)は写真からパッキンが切れているように見えますので取替えてもらってください。
(築1年以内ですので対応してくれるはずです。)

以上の点から販売会社と交渉する前に第三者の建築士に調査してもらうことをお奨めいたします。特に(1)の問題は大きな問題で、なかなか業者は応じないかもしれません。基準法上の違法性は無いというと思われます。
しかし、この場合、通常住む家で通常の台風時に雑巾で雨の進入を防ぐことが当たり前のことであるとは、少なくとも私には思えません。その点、設計と施工の詰めの甘さを感じるのは私だけでは無いと思われます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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