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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0346 工事を止められた!

 相談概要 [氏名] H.K
[住所] 東京都中野区
[職業] 主婦
[年齢] 34
[構造] 木造(2X4工法)
[築何年ですか?] −
[何階建て] 3
[様態] 注文建築
[生産者] 地元建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済書は有りますか?] −
[お手持ちの図面は何枚?] 3枚
[打ち合わせ何回] 15回以下
[床面積] 120m2以下
 相談内容 初めに。私はインターネットのできない友人に替わりご相談を受けようとしていますが、本人になりかわりまして相談内容を書きますこと、どうかお許しください。(本当の相談者はUさんとおっしゃいます)以下本文

私は世田谷区で主人と両親と住まう為に土地を購入し、知り合いの設計士さんに設計監理を依頼して建物の建築を始めました。業者は設計士さんの紹介でした。知り合いの設計士ということで疑うことなく工事を進めてきましたが、三階建ての2×4住宅で2階までが建ったところで工事がストップしてしまいました。(平成11年の12月ごろです)

大工さんに事情を聞くと前の家を建てたとき、そして現在の私達の家を建てた材料工料を支払ってもらえないので工事を止められたとおっしゃいました。

結局、信頼していた設計士さんに裏切られ、業者とも連絡が取れない状態です。契約は請負契約で契約しています。弁護士さんとも相談し訴訟の準備をしています。しかし、私の一番優先したい事は家を完成させる事です。お金の借り入れは銀行からの
みで既に融資を受けており業者にも請負金額の1/3程度の支払いをしています。工事を続ける為には図面が必要なのですが平面図立面図程度の図面しか受け取っておらず、もし、次の業者さんに引き継いだりしようとしても図面がありません。

そこで都庁の相談窓口に行きましたところ、係りの方からこう言われました「確認申請のコピーがほしいと言う場合は設計者の著作権に関わる事なので、審査をしてからでなければコピーをとる事が出来ません。また、あなたのように副本が業者の手の中にあるということは向こうで建物の所有権移転をされたら大変ですね」と言われました。

それで「では、業者が登記させないための手段はあるのでしょうか」と伺いましたら、「ありませんね」といわれました。人事だといった感じで安心するどころか不安を倍にして帰っていた次第です。以上が経過です。

相談1;現在業者とは契約は相手の不履行によりこちらから解約した。という事になっていますが、新しい業者さんには何を持ってそれを証明したらいいのでしょうか。弁護士さんに聞いても「工事を続けるかはあなたの自由ですよ」 とおっしゃるだけで具体的な手続きの方法がわからないのです。引き続き工事をしてくださる業者さんを紹介していただき、お話をすると当然「きちんとした状態で引き渡されないと工事は出来ません」とおっしゃいます。

相談2;副本は業者が持ったままになっています。それを悪用されないようにする方法があるのでしょうか。また、この先工事を進めるにしても工事をいったんやめるにしても、副本無で区役所は受け付けてくれるものなのでしょうか?

無料相談ということでいろいろ伺いました。
もし、わずらわしい相談内容だと思われたら、相談に乗ってくれる窓口をご紹介くださるだけでも結構です。
いろんなところへ行ってみるのですが、自分が何をすべきなのかもわからず、それを教えてもらう為の相談窓口もわからず、夜も寝られない気持ちです。取り止めがなくきちんと説明ができているか心配ですが、わかりにくい点がありましたら、メールなりでご連絡ください。よろしくお願いします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
三浦 惠翁 弁護士さんとも相談し訴訟の準備をしている途中のことですので、訴訟(建築問題に詳しい弁護士さんであることが望ましい事は言うまでもありません)を前提に解説したいと思います。

まず第一に設計士との設計監理契約はしてありますか?ただ単に確認申請代願及び書類上の監理を頼むという事で委任したのでしょうか。

第二に契約不履行により解約したとありますが連絡がとれない業者にどのように成されたのでしょうか。請負契約書に記名捺印している保証人、監理者(設計者)を通してなのでしょうか?工事現場は立ち入り禁止等の処置は成されて居るのでしょうか?

等により回答も変わりますが、

相談1:工事物件(未完成の建物)は引き渡しが終わる迄所有権は業者のもか、請負業者に引き渡しを終えていない下請け納入業者の物と思われますので、請負業者が債務履行する迄の間敷地内立ち入りを禁止して(土地は貴方の物ですから)、工事物件の保全を図るのが先決です。(下請け納入業者が建物を壊して持ち去るかもしれません)

その後は請負業者から工事未完成の儘で引き渡しを受けるか、訴訟による判決を待つかしか方法は無いと思います。工事を続ける事はかえって問題を複雑にして解決を遅らせる様に思われます。

相談2:副本とは確認済証のことと思われますが、確認申請を委任された設計士から受領後に貴方が業者に渡したか、設計士に監理者として必要だからと言われ設計士を通して業者に渡ったのか、により返還請求する相手が変わると思います。確認済証が悪用された場合の責任も同じです、区役所には工事取り止め届けを出すことをお勧めします。確認済証が必要ですが申請者、監理者(設計士)連名で事情を話せば受けてくれると思います。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 先ずは、相談者に代わりご相談戴いていますHさんに敬意を表したいと思います。
「よろず」はインターネットの恩恵を受けられる人だけの為ではなく、ネットを行わない人の為の活動でもあります。その気持ちを汲んでいただけた事感謝いたします。又、ご苦労様です。

大変な事態に巻き込まれてしまいましたね。お気持ちお察しいたします。
「知り合いの設計士」だけで信じたことが、誤りだったと思います。
「本当のプロの設計士」は知り合いであっても、知り合いでなくても、同じように平等に一生懸命対応するはずです。それを裏切った設計士の罪は大変重いことだと思います。

Uさんのお気持ちも分かりますが、ことがこのような事態になってしまったわけですから、それを受け入れて、前向きに「自分に課せられた試練」と思い、どうか乗り越えてください。
流れはあなたに味方することと思います。

請負金額の1/3はお支払いとの事ですが、木造3階建ての2階の骨組みが立ち上がった段階で工事がストップしてる訳ですね。材料発注済み等の問題もありますが、建築主としては代金は多めに支払っているものと思われますし、また、屋根も無く建築物でもないので、その建築士が登記等の手続きをすることは無いと思われます。敷地に「許可無く立ち入りを禁ず」の張り紙を地主名で貼り付け、現場を保存してください。

先ずは、役所に状況を説明し、工事中断の手続きをし、その後新たな建築士に現場の出来高を全て把握し、材料寸法、材質、数量を図面化及び仕様書を作成してもらい、その後新たな設計図を作成して貰い、他の工務店等に見積を依頼し、残りの金額の範囲でまとめてください。銀行との交渉も大切です。
(融資を止めることも考えられますので、よく確認ください。)

確認申請は出し直しになるかもしれませんが、この方向で進んでみては如何でしょうか?
勿論、その建築士の出方にもよりますが、これ以上アクションを起こさないことを祈るばかりです。
心配は、長期間現場を風雨に曝して置くのはよくないので、ことを迅速にそして慎重に進めることです。
弁護士も新たな建築士も「本当のプロ」を選んで、進めてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 早速、適切なアドバイスをいただきありがとうございます。

本人にもお話してがんばってみます。
ありがとうございました。
 その後  
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