相談概要 | [氏名] K.M [住所] 茨城県取手市 [職業] 会社員 [年齢] 34 [希望構造] 鉄筋コンクリート造(壁式構造) [どちらに依頼しますか?] 独立している第三者の建築士(建築士事務所) [何階建てを希望] 3 [予定床面積] 130m2以下 |
相談内容 | 安藤忠雄さんが設計したような打放しコンクリートの住宅にどうしても住みたく現在計画中です。 予算も少なく、ローコストで50〜55万/坪(設備込み)を目指していますが現実に可能でしょうか? 敷地面積は22坪、建ぺい率80%、容積率200%、近隣商業の準防火地域です。 家族は妻と2才の子供、母がいます。 地盤は大丈夫のようです。水道、電気、ガスも普通に引けてます。 内装は床だけフローリングにして壁と天井と外装は打放しコンクリートでOKです。 概算の建築コストと打放しコンクリートのメリット、デメリットを教えて下さい。 またローコスト化のポイントと打放しコンクリートを綺麗に打つポイントを教えて下さい。 家族が健康によくなさそうと心配しています。 結露などもやはりあるのでしょうか? |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
木津田 秀雄 | 外壁を打ち放しにして、内装も打ち放しにして暖房をすると多量の結露の発生が予測されます。夏熱く冬寒い地球温暖化を促進する住宅に住みたい方は、良いと思います。 それを回避するには、相当の知識を持った設計事務所を探す必要があります。安藤風にデザインする事務所はいくらでもありますが、それに住めるレベルまで温熱環境を整えてくれる事務所は少ないと思います。部屋の温熱環境がどうなるのかを、よく詰めて設計して下さい。 |
星 裕之 | 残念ながらコンクリート打放しが安いというのは幻想のようです。 初期の頃は仕上げを省略することで、いわゆるコンクリートやりっぱなし仕上げということで値段を落すことができ、ローコストの代名詞のように言われていました。しかし、安藤氏の登場によって家具のような精度でコンクリートを打つことが普通になってしまったようです。それで、美しくきっちりコンクリートを打たねばならず、非常に手間と技術の必要となる難しい仕上げとなってしまっています。 ですから、ローコストを意識するのであれば、「やりっぱなし」的な覚悟も必要でしょう。kさんの敷地は比較的狭く、必要面積が三階建て相当であることを考えると表記の予算では少し厳しい気がします。坪いくらという考え方でなく、必要な部屋を絞り込み、全体の面積を押さえ予算内に収めることが重要でしょう。 デメリットはズバリ結露と保温ですね。特に冬場の壁等から放射される冷えはびっくりするものであります。床暖房は必須でしょうし、結露に対する計画上での配慮も肝心でしょう。理想的なのは二重壁にし、内部に断熱材を入れることですが、ローコストではなくなりますね。 また、コンクリートが安定するまで数年かかるといわれています。ですから、その間は多少コンクリートの匂いや影響があるかもしれません。 とはいってもそれでも魅力的な打ちっぱなし仕上げです。特に木とのデザイン上の相性は抜群ですからね。そのあたりをよく設計者の方に相談され、充分に特性を理解の上建築してください。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 各解説委員の説明の通りのデメリットがあります。しかし、されど魅惑的な打放しは捨てがたいものもあります。注意点を下記に記載します。 1.構造配筋やコンクリートの性能など監理が大切。 2.建設時の工程管理が大切。 3.コンクリートの厚さを大きくする。 4.結露防止に広い空間とする。 5.風通しを入念に配慮する。 6.床暖房は必須。 7.窓の配置大きさを熟慮する。 結局、設計・監理が他の建物より重要になります。 これに失敗するといきなり陳腐なものに陥ります。問題が発生します。 例えて言えば陶芸に近いものがあります。それほど心して当らないといけません。これら全てを上手く組み合わせてこそ、初めて素敵な打放しが手に入るのです。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 貴重な御意見大変参考になりました。 ありがとうございます。 |
その後 |
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