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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0303 追加工事費をしぶったら

 相談概要 [氏名] H.Kさん
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[住所] 静岡県伊東市
[職業] 医師
[年齢] 41
[構造] 鉄筋コンクリート造(その他)
[築何年ですか?] 築 3年以内
[何階建て] 3
[態様] 注文建築
[生産者] 地元建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済書は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 1枚
[打ち合わせ何回] 1回
[床面積] 400m2以上
 相談内容 1階が診療所、2,3階が住宅の鉄筋コンクリート建築物、受渡しは平成9年です。下記の点に欠陥があります。

1.建物が設計寸法とかなり食い違い、斜めになっている。
2.照明、エアコンの配置などが相談なしに変更されている
3.水漏れがつづく。
4.床が沈む、きしむ。診療所のピータイルが浮いてきた。
5.断熱材が入っていない。(電気工事で判明)
6.地震での揺れが尋常ではない。
7.追加工事費をしぶったら、その後は何のアフターケア−もしてくれない。

今後、将来的に診療、生活する環境が維持されるとは思えないので、裁判を前提に改築、もしくは建て直しをしたい。ただ、その場合、休診をつづけると、経済的に破綻する可能性があり、心配である。真剣に悩んでいます。ご相談させていただければ幸いです。
 yorozuの感想
アドバイザー 
久保田 英之 Hさん、こんにちは。よろず解説員の久保田と申します。宜しくお願いします。

内容を聞いて、かなり深刻に受け止めました。もう少し、いきさつを深く知りたいところですが、文面から解説致します。 

鉄筋コンクリート造で地震の揺れが尋常ではないと思われるとすれば構造的欠陥の可能性がありますね。地盤調査をされましたか?建物の構造計算書や構造の図面は見た記憶がありますか?図面があっても、現場ではそのように施工されているかも疑問ですが。
 建物の設計寸法、照明・エアコンの配置等、建築主に相談なく変更されて工事が進むなど、業者側の一方的な判断が優先されていると感じるからです。 水漏れは業者側の瑕疵にあたりそうです。(消耗品など簡単な作業で直せれば問題ないんですが)早急に修繕しなければならない事を延ばし、修繕費用を請求するといった業者側の誠意のない対応は、明らかに工事した建物も欠陥ではないかと裏付けるようなものです。 

 文面では裁判も前提にと書いてありましたが、その前に下記の事についてもう一度考えてみて下さい。 
あなたの文面から建物の欠陥原因について何もふれられていません。建物をつくった関係者で、あなたが一番信頼した人がいますよね。その方とは、当然相談している筈です。よろずの相談事項でも不可解な解答がありましたので、もう一度いきさつにについて考えてみて下さい。 

 設計者と工事監理者はご自分で選んだとありますが、監理者の名前が記入されていませんでした。この工事監理者は設計者なのですか、工事施工者なのですか。設計者とは設計監理契約を交わしましたか。もし、設計者があなたの建物の工事監理をしているなら、工事業者との調整役や原因解明をするために動いてくれます。しかしながら、手持ちの図面が1枚、打合わせ回数1回、確認申請も手元に無いとなれば、設計事務所が設計監理業務として深く関わっていないようにも受けとれます。 

 物事は原因があって、どう対処していくかが道筋です。まずは携わった建築関係者のコンタクトを忘れずにして欲しいです。(設計者、工事監理者、工事業者の担当者等) それで、解決つかなければ、建築よろず相談でも現場調査(有料)を行っております。第3者がみても欠陥があると認めれば、当然裁判も視野にいれて動かれてよいのではないでしょうか。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄  設計監理者をご自分で選んだ割には図面1枚打合せ1回はなんともおかしい話です。鉄筋コンクリート造で400m2以上だと恐らく図面は50枚以上打合せも30回以上は必要でしょう。これで建物が建つ筈も無いのですが、現実建っている訳ですね。相談文章が短いので勝手な想像で解説することを先ずはお許しください。
相談内容から私が想像しうる経過は下記のようなことではないでしょうか?

 ご自分で選んだ設計者が描いた基本設計図1枚を提示され、その図面を今回の業者に持ち込み「幾らでできるか」を金額だけ決めて工事請負契約をしませんでしたか?もし、想像の通りだとしたら最悪です。先ず、設計者に無断で図面を使用した、著作権法違反になると思います。工事請負契約は「どんぶり勘定」の典型の契約形態。これでは相談内容の状態に陥るのが必定です。瑕疵に陥る典型のモデルのような状態になってしまったようです。設計料が勿体無いと考えたのでしょうか?人が労力を使えば当然対価を支払うのが正当で、そのシステムの崩壊こそ資本主義の影に入り込む社会を作ってしまいます。それを理解できる人間になってください。結局安く済むと思った建築が実は高くなってしまうのです。自らブラックボックスのあるところへ入り込んだのですから。

 今後の対処方法ですが実に難しい点が多々存在します。あなたが第三者の設計監理者を選ばなかったのであなたの状況を理解しているものがあなた以外にいないということです。1〜4はこのシステムでは起こりうる事です。5も1〜4の現象からそのレベルの施工だったのでしょう。6ですが鉄筋コンクリート造では考えられない現象です。鉄骨造なのではありませんか?7の「しぶった」とは正当な権利でしたのでしょうか?それともここでもただ安くと思ったのでしょうか?契約書の保証期間は何年になってますか?

 裁判を前提にと有りますが、先ずは客観的に調査をする必要があります。その報告書に基づいて第三者の建築士(最初に図面を使用した対価をちゃんと支払い、謝罪し、その上で依頼し直してください。)に中に入って戴き先ずは交渉してみてください。その上で納得できない場合は弁護士を交えて裁判を前提として交渉いたしましょう。営業は近くの店舗を借りて続ければいいでしょう。高い勉強代になってしまいましたね。

 以上が解説ですが、文章が短いので、あく迄想像の範囲で解説いたしました。もし、事実と異なる場合はその連絡をください。この解説を破棄し、再度解説いたします。相談はなるべく詳細にお書きください。取り方によっては解説内容が変わりますので。(わたしの想像が外れている事を祈ります。)
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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