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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0298 基礎上部より5センチ下位に細長いひび

 相談概要 [氏名] O.Eさん
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[住所] 奈良県香芝市
[職業] 会社員
[年齢] 28
[構造] 木造(2X4工法)
[築何年ですか?] 工事中
[何階建て] 2
[態様] 建築条件付建売住宅(売建住宅)
[生産者] 地元建設会社
[お手持ちの図面は何枚?] 4枚
[打ち合わせ何回] 5回
[床面積] 110m2以下
 相談内容 現在、基礎工事(ベタ基礎、シングル配筋)が終了しましたが、基礎上部より5センチ下位に細長いひびがぎざぎざに基礎全体に入っています。長さは長い所で1.5メートル位断続的に内側基礎の60%程度にひびが入っています。

厚みは一番激しい箇所で2ミリひどい箇所で1.5ミリから2ミリ位です。それと、50センチ四方位のコンクリート面がボコボコになっています。(大きく穴が空いている訳では無く1センチ位の凹凸が集中している状態です)きちんとコンクリートが埋まっていない様で、上から数箇所グレーのコンクリを雑に塗ってあります。

それと、基礎の立ち上がり部分が本来は12センチ無いといけないのですが、立ち上がりの下の方が11センチしか無い箇所があります。業者が言うには、コンクリートを流し込む際に雨が降ってきて、急いで流し込み本来は中の配筋が傾いていたらコンクリを流しながら直しつつ作業しなければいけないのをそれをしなかったのでコンクリに亀裂が生じたのだろうと言っています。充填不足の箇所についてはたまたま大きな固まりが入ってしまったと言います。立ち上がりの11センチになっている箇所はたまにこういう事も起こりますが全く問題がありませんと言われています。

現在 苦情を言っている最中で強度的には全く問題が無いが、奥様が心配されているのでその心配を取り除く為に補修を行いますと言われています。があまりにひびの箇所が多いので基礎だけに心配で仕方が有りません。(強力な接着剤の様なもので補修すると言われています)突き固め不足のコンクリの強度も気になりますし、亀裂から水や空気が入り鉄筋がさびないかも心配です。とりあえず今回の亀裂を埋めても再度、別の箇所から亀裂がしないかと不安です。しかも鉄筋が真っ直ぐになっていない為の亀裂と言われては上に建物を乗せても大丈夫なのかも不安です。

なにとぞ宜しくお願い申し上げます。


事務局補足:基礎打継部ずれ


事務局補足:ジャンカ補修後。(事務局背景一部モザイク加工処理)


事務局補足:天端より10cm当たりに水平の凹凸が見られる。


事務局補足:ジャンカ補修後。(事務局背景一部モザイク加工処理)


事務局補足:天端より10cm当たりに水平の亀裂が見られる。
(掲載以外の写真でも随所に見られる)
 yorozuの感想
アドバイザー 
津村 泰夫 こんにちは、基礎の状態がひどくてご心配だと思います。
でも補修により修復できますのでご安心ください。写真から考えられることは、「コンクリートの打ち継ぎ」の場合が考えられます。これは、コンクリートを打ち込んだが、不足し、次のコンクリートミキサー車が来るまでに時間がかかった場合に、先のコンクリートがある程度乾いた上に次のコンクリートを打ち込んだ場合です。対策は隙間を樹脂などで充填すれば問題はありません。

 次に考えられることは、横方向の鉄筋が型枠に近接していたため、コンクリートが回りにくかったのか、またはコンクリートが乾くときの収縮が顕著に現れ、ごらんのようなヒビになることが良くあります。これも適切な補修をすれば、強度的にはなんら問題はありません。鉄筋が横にそれているため少しコンクリートを増し打ちする必要があります。

 コンクリートの充填不足により、豆粒のような空隙のたくさん空いた部分も同様です。4枚目の写真はちょっとひどいと思います(ジヤンカ補修)。外にコンクリートを増し打ちするか、解体再施工が望ましいのではないでしょうか。打ち継ぎズレ部も増し打ちしてもらいましょう。 補修をすることにより、せっかくの新築の家に傷が付いたような感覚はお察し申し上げます。住宅は工場加工品のような製品ではないので私たちも補修だらけの工事をしょっちゅうおこなっております。

適切な補修をすることにより本来の機能・強度は保てますので気を取り直し、家づくりに励んでください。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 上部水平な亀裂は全体的に出ているので津村の解説の通りコールドジョイントを起こしていると思われます。底版基礎と立ち上がりのずれは底版時の型枠の位置精度のミスで立ち上がりで修正した為、ずれた模様です。

 底版基礎と立ち上がりのジョイント部はあちらこちらジャンカが見られますが、バイブレーターや突き棒で突いてコンクリートを隙間無くやる作業は無かったか、気持ちが入っていなかったものと思われます。(掛け過ぎや突き過ぎも良くないのですが)亀裂の補修はV目地で掘り込みエポキシ樹脂等で圧入してください。

ジャンカはモルタルで補修しているようですが、このジャンカをハツリ取り、再度コンクリートを打設した方が宜しいかと思います。このような仕事の場合は配筋の写真も見たいところです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お礼が遅くなり誠に申し訳御座いませんでした。
メールを頂いた後さっそく不動産会社へ連絡をし、亀裂には注射器(約75本程度)でエキポシ樹脂を注入して貰いました。
気になるジャンカ補修の箇所ですが、ここはやり直しをして貰えず取り敢えず現在補修のモルタルをはつり取って貰い上からエキポシ樹脂となにかを混ぜて?上からきれいに塗り直して貰いました。

基礎の立ち上がり不足部分ですが、下の方に鉄筋を入れ現在ある基礎の外に土の上から高さ約15センチ 厚さ10センチ程度のコンクリを増し打ちして貰いましたが見た目が結構不細工になってしまいました。(段々になっている感じです。これはどんな増し打ち方法が正しいのか良く分からなかったので不動産会社の意見のままのやり方でしました。)
ですがやはり基礎の丈夫さには変えられません。

その後も工事を週末の度にチェックしてますが、風呂の給湯配管を出すのに基礎を割り結構奥までコンクリに亀裂が入ったり(上から埋めて貰いました)、サイディングで通気工法を注文したのですが通気の木の一部がどう見ても廃材?を使用している様に見受けられたり(現場監督に言ったが決して廃材では無いと言いきりながら、きれいな木を打ち付け直してくれました・・)、

まだまだ不安は残りますが、初めて基礎の亀裂を発見した時、行政などの欠陥住宅の相談窓口などは電話しても1−2ヶ月待ちで電話相談は受付けてくれず、本で調べてもはっきり分からず、設計会社へ飛び込みで相談をするしか無いと思っていた時にページを発見しました。

迅速に対応して頂けた事を感謝しています。
そのお陰で補修もきっちりして頂けました。
本当にありがとうございました。
 その後  
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