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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0296 床が下がっている

 相談概要 [氏名] K.Tさん
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[住所] 大阪府寝屋川市
[職業] 会社員
[年齢] 44
[構造] 木造(在来工法)
[築何年ですか?] 築 2年以内
[何階建て] 2
[態様] 注文建築
[生産者] 地元ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済書は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 1枚
[打ち合わせ何回] 2回
 相談内容 宜しくお願いします。平成9年末から工事に入りまして平成10年4月に新居に入居しました。(住宅金融公庫融資*で 10年保証有り)間取りとしては、4LDKで2階が3部屋ですが、平成10年末に2階の3部屋全ての床が下がっていることが分かりました。写真をメールで送り致しますが、ひどい所では10〜15mmほど下がっています。

施工業者に”原因を明確にして修繕して欲しい”と連絡したところ、口頭で”木材を使用しているからやせたんですよ、側面の木材を変えますよ”だけで原因を追求することをしません。悪い言い方をしますと施工業者は”早く臭い所に蓋をしよう”としているようにおもえます。たまたま、隣家も私と同じ時期に施工したので聞きましたら全く同じ現象が起きていて手抜き工事ではないかと思っています。このような経過の中で販売会社を通じて”床が下がりきるまで工事は中止しましょう”となっています。そこで教えて頂きたいのですが

1.新築6ヶ月程度でここまで床が下がることが有るのでしょうか?
2.側面の木を交換するだけで適切な処置と言えるのでしょうか?
3.施工業者または販売会社に原因を明確にする義務は無いのでしょうか?
4.今のままでは、施工業者の言いなりになって木の交換だけで終わりそうなのですが、このような状況を公的に相談できるところは無いのでしょうか?

大変お忙しいところ申し訳ありませんが、他に相談するところがありません。何卒、ご助言お願い致します。


*事務局注:住宅金融公庫は、2007.4.1に独立行政法人 住宅金融支援機構に移行しました。



事務局図面より概要補足:左は下階への階段。この位置に梁があり、その部位と
手前の根太の床が下がって段差が見える。枠下も隙間5mm位。


事務局補足:写真12枚の内一番開きが大きい場所。床と巾木の明きは10mm程。


事務局補足:少し暗いが、同封の写真では全体が5mmは下がっている模様。
この2階の3室の内2室は全体が5〜10mm下がっている。他の1室は写真は1枚であるが5mmほどの下がりが一部見られる模様。(写真の所見)
 yorozuの感想
アドバイザー 
氏原 毅士 回答1 築後何年経ってもこんなに下がることはありません。【断言できます】

回答U巾木を交換しても結果は同じです。

回答V 施工業者にはこの原因の説明をし改修の義務は当然あります

回答W 公的機関に相談しても結果は変わらないと思います。
津村 泰夫 少し遅くなりましたが私どもの考えを述べさせていただきます。
まず、工事監理者を選出されていますので、まずその方に伺ってみてください。工事の様子を一番よくご存じだと思います。

1.私自身信じられないことなのですが、つい最近も同様のご相談があり、伺ってみるとまったく同じように床が下がっており、側面の木(巾木)の下が1p程度開いておりました。同じように工務店は「木やせ」だと説明されておりました。木材が乾燥収縮したのであればずいぶん水分を含んだ木材だったわけですね、工事中に雨に濡れることが多かったのでしょうか。工事監理者にご確認ください。

2.ほんとうに木材が乾燥収縮で「木やせ」したのでしょうか。どの木も均等に木やせしたのであればそう問題ないかもしれません。ただ、私が伺った家では、床の不陸が生じていました。床の高いところや低いところがあり、良く注意しないとわからないのですが、ビー玉を転がすと一部に集中したりします。
その家では部屋の中央が少し高くなっており傾斜測定器で測ったところその勾配は15/1000もありました。工事中の施工不良の可能性があります。床を止める木材(根太)の止め方が不十分だったために、経年により下がってきた可能性が考えられます。また、床下地に防音断熱性のある加工板を使用した場合にも収縮し沈下する可能性があります。

3.「木やせ」が明確な説明だと言うでしょう。納得がいかなければ、床をはがして原因を確かめさせてください。床をはがさなくても、下の階の天井をはがして見ても良いでしょう。ユニットバスの天井があれば簡単にはずせるところがあると思います。私が調査した住宅では、ユニットバスの天井裏のみが見ることが出来ました。天井裏を覗くと壁に筋違いが見えるのですが、端部が釘一本だけで止めてあり金物が使われていませんでした。家の方が「風で良く揺れる」とおっしゃっていた理由がわかりました。とりあえず壁率を計算して壁の見直しと、筋違いの固定を要求することになりそうです。あなたの住宅もよく調査をされることをおすすめします。

4.寝屋川市役所の建築指導課に行って相談してみてください。

床の下がりについてもう一つ推測できることがあります。それは床下の梁をとばしていているのですが、十分な断面が無い場合です。下に大きな部屋などをとった場合によく起こります。梁を補強しないと直りません。

 十分な調査をおこなってください。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 公庫をご利用のようですので、公庫基準では木材の品質として日本農林規格(JAS)の規定に適合するか同等以上の性能を求めています。未乾燥材を使用しても105の根太の成とすると乾燥した場合は材種にもよりますが収縮は概ね、5mm以下です。となると写真での5〜10mmは乾燥だけでは説明できません。他に要因が有りそうです。

例えば、たわみですが、しかし、外壁側も下がりが大きいようですし。巾木を下げても床の下がりは変わりは無いわけですが、その辺は業者との話し合いだと思います。(平衡感覚が保てない違和感でしたら床も水平にすべきでしょうが)全ての瑕疵に於いては原因を追求する義務は当然あるものだと考えます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 2週間程、出張しておりましたので大変返事が遅れて申し訳ありません。
早速、アドバイスして頂いた内容に基いて対応していきたいと思います。
また、途中経過について報告していきますので私共の様に困っている人の参考資料にしていただければ幸いです。

大変忙しい中、アドバイスして頂きました先生方に心より感謝致します。
 その後  
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