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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0294 基礎工事まで出来ていて、工事の中断

 相談概要 [氏名] O.Aさん
[住所] 大阪府堺市
[職業] 会社員
[年齢] 38
[構造] 木造(在来工法)
[築何年ですか?] 工事中
[何階建て] 2
[様態] 注文建築
[生産者] 地元ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済書は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 30回以上
[床面積] 100m2以下
 相談内容 現在基礎工事まで出来ていて、工事の中断をしています。
理由は3つ

・敷地内の隣家と接する部分が民法の境界50cmが守られていない。(これはこちらから強く要望していたこと)
・敷地内に隣接する母屋と干渉する
・駐車場が母屋の敷地内に入る設計になっている

なぜこのようになったか
設計に入る前に図面を何回となく要求したが、もらえなかった。基礎に入る前にせめて基礎の図面だけでもとゆう旨を伝えるとそれだけは持ってきた。(他の図面に関しては、境界が守られていないことを先方伝え、工事の中断を伝えた後、先方が謝罪に来たときにもってきた。)

(先方の言い分)
建築申請を出した図面の測量が間違っていた。
境界を守れなかったのはこちらの責任。現状45cmしかないので、今ある基礎に8cm継ぎ足して境界を守れるよう(家全体から言うと8cm短くなる)に、こちらの責任で施工します。
母屋とは干渉しません。
駐車場は母屋の土地を使えるように、両親と交渉したい。
(こちらとしては、母屋の土地に入ってまで駐車場を造るのではなく、こちらの建物を1mなり短くして駐車場を造りたい旨を伝え、見積を依頼。そもそも計画中の家の図面は大手ハウスメーカーが作ったもの。細かい仕様の対応を現在の依頼先がしてくれそうなので、その図面を見せた。持ち帰りコピーを取って返してもらう。その大手メーカーの図面と同じ設計になっていた。こちらとしては、大手メーカーを断った時点でメーカーに返却したので、図面は持っていない。その図面が気におられたので、駐車場についても了承済みと思っていた。)

その他の不満点
設計変更を依頼した翌日、設計変更するには現在かかっている費用を一旦清算してからでないとできないとのこと。見積だけでもしてくれるように再度依頼。
実際にもらった図面の仕様の内容がこちらが要求している仕様ではなかった。
仕様については、契約前の交渉時、また契約後も何回も伝え、それ以外実際に判るように、図面に雑誌の切り抜きや直接書き込んだりして渡したがそれが反映されていなかった。

現状(こちらの不安点)
・駐車場についての見積を依頼してから何も連絡がない。
・契約の引き渡し日までに建つのか
・このままこの会社に依頼できるのか(した方が良いのか)
・こちらに非があるのか
・建築確認申請の変更届けの期日が12月20日に迫っている
・このような場合責任はどちらにあるのか
・こういったときに仲介に入ってくれる機関はないのか
・この先家を建てるのにはどうゆう方法が最善なのか

個人的な感想
正直言って、家は建たなくてもいいかな。このまま家を建てても不満ばかりが残りそう。それよりこうなった責任を先方にとってもらいたい。(私はクレイマーではありません。)
しかし、そうは言っても家族のために建てる家です。ここで中止したら、次回の公庫の審査も厳しくなりそうですし、自分にとって利益になることが、なにもないように思います。
公的な機関に1度相談しましたが、基礎までできているなら建てたほうがよいと言う返事でした。

お忙しいところ、大変申し訳なく思っていますが、良きアドバイスをよろしくお願いします。
個人の感情に走ってはいけないと言い聞かせています。
 yorozuの感想
アドバイザー 
津村 泰夫 大手ハウスメーカーの図面をそのまま使うというのは著作権違反です。
業者との間で、業務委託の原則、契約の原則が守られていない、とてもずさんな業者だと思います。

公的な機関に相談されて、基礎まで出来ているのであれば、建てた方がよい、とのことですが、今すぐ契約を解除し、信頼できる業者、まずあなたの希望をかなえてくれて、良きアドバイスをしてくれる設計者に設計をしてもらい、次にその設計をかなえてくれる工事業者を一緒に選び、しっかりとした工事監理をすることです。
氏原 毅士  敷地境界は、図面でどのように表示されていようと現場で縄張りし確認するのが常識です。また、打ち合わせで50センチを強調されているならなおの事と思います。業者のミスでしょうが、基礎を8センチ内側に作り直すのは感心出来ません。将来建物の傾きなどの原因となる可能性があります。
 民法の規定は地域によりますが厳密に運用されてはいませんので45センチでもよしとしたほうが建物のためと思いますが。

 また設計に入る前に図面を要求したとありますが、意味がわかりません。
設計を行うことによって結果として図面が出来上がります。図面を作ることと、設計は根本的に違います。(ここではあまり触れませんが)

 さらに、大手メーカーの図面-おそらく一般図のみ--を工事用として工務店が使っているのでしょうが、確認申請は大手メーカーが手続きしたのでしょうか?
 もしそうなら、著作権違反で大変な賠償を支払うことになりかねません。メーカーとは設計料や申請料の精算は済んでいますか?確認ください。(設計変更に関する費用精算などからの推測ですが)

 そして、他のご質問ですが、工事途中で業者変更をする為には、多額の無駄金が必要となる場合がほとんどです。業者も悪者ばかりではありませんので、よく打ち合わせ、いい住宅を建てるようがんばってください。

 依頼者の責任と受託者の責任は同等です。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄  設計者に大手ハウスメーカーの図面を渡し設計者がコピーを撮り、図面はあなたがメーカーに返したとはいえ、その図面を使用するのを同意したことになるでしょうから、そのこと事態全くモラルに反する行為です。
設計者もその図面を元に仕様を決めるとは、モラルに欠けた設計者ですね。
それを超える発想が出来なければ設計事務所の存続が危ぶまれてしまいます。

モラルに反する行為から素敵な家は望むべきも有りません。成るして成った感があります。

50cmを守るべく8cm継ぎ足すとのことですが、基礎面でも50cmは守られていますか?
もし、はつる(削ること)としたら、基礎が欠陥になる恐れがありますので基礎を解体して再度、構築することが宜しいかと思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 作りなおすのではなく正確には内側に継ぎ足すそうです。その分全体の寸法は現在より8cm短くなるそうです。

 専門的にはどう呼ぶのかはわかりませんが、最初のプランの段階の図面を持ち帰りました。そしてそのプランに足らないところや変更したいところなどを直してから設計図面をかいてもらいました。

 たしかにそうだと思います。その後何回か業者と話をしまして、とにかく現在の基礎を生かして建てる方向で話はきまりました。まず民法に触れないように基礎(ベタ基礎です)に継ぎ足し(継ぎ足す部分にも鉄筋をいれるそうです)をして、全体に8cm短くなりますが修正する。(その際に費用は業者がもってくれるそうです)また今回のような事態になった原因は説明不足(コミュニケーション不足)だと思われます。そのため、お互いにもう1度工事内容の確認を行ってから、この先の作業を進めていく予定です。

 問題が起こったときは動揺していましたが、今は落ちついて考えられることができます。それというのも、解説委員の方々にはたいへん貴重な意見・ご忠告を聞くことができたからだと思います。みなさんのような組織がありたいへん感謝しています。どうもありがとうございました。
 その後  
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