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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0293 木造3階建ての構造計画について

 相談概要 [氏名] K.Nさん
[住所] 埼玉県富士見市
[職業] 会社員
[年齢] 32
[希望構造] 木造(在来工法)
[どちらに依頼しますか?] −
[何階建てを希望] 3
[予定床面積] 120m2以下
 相談内容 以前に同行調査をお願いした富士見市のKです。その節はお世話になりました。
懲りもせず、正面に車庫スペースと玄関のある木造3階建て建て売り住宅(建築済み・2棟売)の購入を検討しています。

1号棟は公庫*対象物件のため、2棟とも検査済証は発行されているのですが、建築確認申請時の構造計算書の後ろに「一階に車庫スペースがあるため一階のX方向偏心率が令82条の3に規定する値(偏心率<0.15)を満たしていないため方づえを設けた。方づえは等価壁量に置き換えして平面計画上方づえの設けられる構面にできるだけ設け偏心率の向上をはかり建物の安全を考慮した」という文書がありました。

構造計算書を見ると、方づえを設けた後の一階X方向偏心率は、1号棟が0.227→0.177 2号棟が0.400→0.238と改善されています。確認申請書が受領され、検査済み証が発行されている以上、数値が規定値を満たしていなくても構造上安心していいものかどうか教えて下さい。


*事務局注:住宅金融公庫は、2007.4.1に独立行政法人 住宅金融支援機構に移行しました。
 yorozuの感想
アドバイザー 
我伊野 威之 通常の木造3階建てでは、令82条の3の規定(平面的な構造のバランスを数値で規制しています)を適用しなくてもよいことになっています。
ですから、確認申請では、1号棟0.177>0.15、2号棟0.238>0.15でも申請がおりているのです。なぜ、木造3階建てにこの規定を適用しなくても良いのかというと、木造の必要壁量を満足するほかいくつかの規定を別に設けて、大地震に対する安全性を確保するようになっているからです。

この建物では、令82条の3の数値は満足していませんが、規定されていない偏心率(>0.15)を表示し、対策を講じている訳ですから信頼度は高いと思います。

ですが、申請を通っていて、検査済み証があるからといって、出来上がっている建物が絶対安全ですとは言い切れません。施工途中の細部の現場写真や議事録なども残っていると良いのですが・・・(前回の物件に比べると格段に安心できそうではあります、写真がなければ同工務店の施工途中物件を見学してみてはどうでしょうか)
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 前回の教訓に習って大分勉強なさっているようで、大変嬉しく思います。
我伊野の解説の通り計算上は安全である。ということでそれが即、この建物の構造が安全であるとは言えません。構造計算が図面に反映されそれをもとに施工に反映される。それが全て反映されて初めて安全な建物であるとなります。

施工途中の写真や施工図、設計図書を閲覧し、出来ればその建物の設計者と監理者に逢い(確認申請書に電話番号が出ています。)現場の状況を聞けば安心だと思います。

監理者は現場監理の書類を保管してある筈ですので、それを見せて戴きながら説明をして貰ってください。購入する建物の設計者、監理者は逢っておいた方がいいですよ。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 早速のお返事、ありがとうございます。とりあえず構造計算上は大丈夫なようなので、ひとまず、安心しました。建築確認申請に記載されている施工監理者は会社の代表で実際には施工管理していないそうで、実際に現場で施工管理した人と会えるように、現在日程調整中です。

施工中の写真は「中間検査のときに役所に提出してしまって手元に無い」とのことですが、ネガがあるはずだから探してみてくれるとのことです。ちょっと不安・・・。

現場の各階に点検口があり(あるだけでもびっくり!)、今日、床下、1F・2F・3Fの屋根裏等を見てきました。一つ気になったのは、床下風呂場の排水管を引き出すために、土台の一部(横木・20cm位)をむりやり切り裂いて、引き出していたところです。その部分だけ、あとから防蟻剤を塗りなおしていないままでした。
 その後  
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