相談概要 | [氏名] M.Kさん [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [住所] 愛知県岡崎市 [職業] 会社員 [年齢] 43 [構造] 木造(在来工法) [築何年ですか?] 築 15年以内 [何階建て] 2 [様態] 建売り住宅 [生産者] 地元建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 解らない。 [検査済書は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下 [打ち合わせ何回] − [床面積] 140m2以下 |
相談内容 | はじめまして。供給公社から建て売りの分譲住宅を平成元年に購入しました。 木造2階建てで、建築業者によると良い材料を使って建てたとの事でした。 そこで、相談内容ですが、屋根の瓦と屋根板と言うのでしょうか、瓦とその板の間に土を入れて瓦が乗せてあり、軒の部分で瓦の下に漆くいを詰めてありますが、この漆くいが築1、2年くらいから割れて落ちてきました。 気が付いて、余りに落ち方がひどいので直ぐに公社と建築業者に連絡し補修をしてもらいましたが、補修してもやはり再発します。 今回プラスチックの板を打ちつけて直すと言うのですが、費用請求を受けました。何処まで売り主と建築業者の責任が問え、どの程度こちらで費用負担をすべきでしょうか? また、この漆くいは年数経てば落ちるのは仕方ないとも聞いていますが、建築業者が苦情に応じて補修している事、補修に来た左官さんも、こんなに早く落ちるのはおかしいと言っている事などから、どこか不具合があると思うのですが、どんな不具合が考えられますでしょうか? 宜しくご指導お願いします。 **判断材料として、順を追って説明いたします。** 平成元年5月:購入 平成2年から3年にかけて:漆くいが落ち始める(軒部分の半分以上が落下) :公社、建築業者に連絡し補修を依頼 平成4年10月:頻繁に請求をした後、1回目の漆くいの補修を実施 (クレーンで補修) (このあと海外勤務で2年半の間空き家状態) 平成7年4月:帰国後確認すると漆くいの落下を確認。 :公社、建築業者に連絡し調査、補修を依頼 (再三の依頼にも来てもらえず。) 平成8年6月:建築業者の話で足場がないと作業ができないと言われ、少し早いかなと思いながらも外壁の塗り替えを行い その足場で2回目の漆くいの再補修をする。 平成9年:補修後に再度落ち出す。 平成10年:頻繁に建築業者に連絡を取るものの一向に来てはもらえない。 平成11年春:建築業者から依頼された屋根屋さんが確認に来て瓦の下に水が入っているかも知れないので業者と相談すると言って帰る 平成11年11月10日:突然見積もり書が郵便受けに入る 平成11年11月16日:電話で明日足場を組みたいと電話がある。電話では困るからと家に来て説明してもらう。 作業内容としては、足場を組み屋根のうね部分の瓦をはがし浸水の有無を確認(1階部分の屋根の傾斜が4寸で2階の屋根が4寸5分のため、まず2階は、大丈夫だろうとの事で1階の屋根を見るとの事) 問題なければ、プラスチック板を軒の瓦の下部分にステンレス釘で打ち付け漆くいが落ちない様に処置する。 *足場を組む費用は、メーカーが持つ *プラスチック板の材料費を2万強請求 *屋根の確認と板打ち付けで10万を請求 こちらの支払合計は、¥146000ですが、はっきり言わないものの、もし屋根に浸水していた場合は補修に掛かった費用を請求するとの事でいくらかかるか見当もつきません。 建築業者にはある程度の対応はして頂いていると感謝する部分もありますし、今後もメンテナンスをおこなう上でお付き合い願いたいと思っていますが、何度連絡しても、担当を行かせますと言うだけで一向に来てもらえなかった事や、2回目の補修の時にこちらも譲歩して外壁の塗り替えには、少し早いかなと思いながらも足場が必要とのことで、塗り替えを同じ業者に依頼し補修してもらったのに再発した事など不信感を持っています。 今回も瓦を剥いでみないと解らない事は理解できますが、工事してみて結果これだけかかりましたから請求します、ではあまりに消費者無視と思えます。 事前に売り主、建築業者、私どもと責任の所在を明らかにしておきたいと思いますので宜しくお願いします。 瓦の下の漆くいが左端の部分で剥がれて落ちています。 (横の方に少し土が見えている部分です。) また、うねの部分でも剥がれているのが見えます。 うねの部分の漆くいが剥がれ落ちているのが見えます。 この部分は、新築の翌年に草が生えてきました。 (瓦の下の剥がれより、こちらの方が深刻でしょうか?) うねの下の方ですが、かなり剥がれ落ちています。 雨といに漆くいの欠片が乗っています。 (3年前に補修した時の方が着きは良い様で屋根の四隅は落ちていますが 中間部分は残っている所が多いようです) |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
関口 啓介 | Mさん、こんにちは関口と申します。 築後1.2年から発生との事で、ご心配だと思われます。 まず、漆喰の割れ、欠落は、葺き土と漆喰とのなじみが悪かったのではと、推測します。例としましては、真冬時の施工などで、葺き土が凍結し漆喰がくっつききれなかったのではと思われます。引掛桟瓦葺き工法が主流の現在でも、棟や、降り棟等の 、のし瓦は葺き土を利用して施工されます。この地域ですと蒲郡の良質な土が使われる事が多いです。そしてその葺き土だけですと吸水してしまいますので、吸水性の低い南蛮漆喰で覆います。工事として過失があったとは思われにくいのですが、施工時期に問題があったかもしれません。 ただ、これらがそのような施工を原因として発生したとしましても、10年経った現在では、施工責任を追及する事が非常に難しいと思われます。何故なら残念ながら漆喰の経年劣化からすると、10年程で現況写真のような状況は起こりうる事だからです。 今までの経緯で、施工業者に対応の遅さなどがあり、心情的には施工者の責任でやって頂ければとは思いますが、今回工事の費用負担で言いますと、施主負担が通常ではと思われます。同じく負担する10年後の工事としては、きっちりとした施工を求め たいですよね。 そのためには販売者である公社に施工方法の適性な方法を示唆してもらう、瓦をめくった状況での浸水や、当時の施工が適性であったかの判断を立会のもとしてもらう、軒先の面戸漆喰もプラスチックの板で止める方法がより良い方法なのか、一緒に検討してもらう、可能であれば葺き土をさらって入替え、漆喰を施工しなおすなど、負担はしょうがないとしても、より良い補修施工の追求のために努力してもらうのが良いのではないでしょうか。 一度信頼を損なうと、回復するのは大変な事です。Mさんの現在の心情をお伝え頂き、それを回復する対応が公社、建築業者、屋根やさんがされる事を願っております。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 他の建売よりも漆喰の落ちが激しいので心配していると思いますが、施工当時、工程の多少の差で葺き土表面の急激な気温降下で漆喰のなじみが悪くなってしまったのでしょう。 補修時に漆喰をただ上塗りしただけでは硬化した表面には同じくなじみが悪く、又 剥離する可能性はあったのかもしれません。葺き土を取り替えるか、目荒しして漆喰を塗ったかどうかが問題です。保証期間も過ぎていることですから、この疑問を公社の担当者に立会い確認して貰って、その上で交渉してみてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 何度も素人の的外れな質問にいろいろお答え頂き本当にありがとうございました。 公社と建築業者、出来れば屋根やさんを交えてよく話し合いたいと思います。 またお伺いする事もあるかと思いますのでよろしくお願いします。 |
その後 |
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