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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0279 高さ35cmをまたいで外に出なければならない状態

 相談概要 [氏名] N.Hさん
[住所] 東京都八王子市
[職業] 会社員
[年齢] 43
[構造] わからない
[築何年ですか?] 築 1年以内
[何階建て] 5
[様態] 分譲マンション
[生産者] 大手建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済書は有りますか?] −
[お手持ちの図面は何枚?] −
[打ち合わせ何回] −
[床面積] 80m2以下
 相談内容 はじめまして、Nと申します。
本当に困っています。助けて下さい。

某大手不動産販売会社とマンション購入の契約をしました。
6月9日に手付金10%支払済です。その他に「間取り変更」をしておりまして、購入しない場合は原状回復費用として400万円を支払うという旨の契約もしてしまっております。
引渡日は来年(2000年)の2月10日です。内覧会は1月下旬の予定です。

先日(11月7日)に分譲マンションの近くに行ったので、見学に行きました。
まだ売れていない部屋の販売のために担当者の方がおりまして、少し無理を言って購入予定の部屋を見せてもらったところ、大変びっくりしてしまいました。
南側にバルコニー、東側にルーフバルコニーがあるのですが、東側のルーフバルコニー(7.28u)の出入が床から35cmほどの窓になっていたのです。
さらに、窓の敷居から同じく35cmの高さで30cm幅のコンクリートがあり、中の部屋からルーフバルコニーに出るには50cmから60cmの幅で高さ35cmをまたいで外に出なければならない状態です。
身長180cmの主人が試しに外に出てみたのですが、またぐことは不可能で、一旦敷居の上に乗ってから降りるという状態でした。

これでは容易にルーフバルコニーに出入りするのは困難です。
なお、間取り図には、「出入り可能窓」と表示されておりますが、南側のバルコニーの出入り口、東側とも同じ表示になっています。この時点で、買い主が違いを発見するのは不可能です。担当者からの説明はもちろんありません。

バルコニーの用途を考えると、布団や洗濯物を干したり、ガーデニングを したりということになると思いますが、これでは、全く使いにくい、使えないものになってしまっています。今回購入を決めたのも、趣味のガーデニングをしたいという目的がありまして、これでは、全く購入の意味がありません。
また、古い感覚かもしれませんが、窓から出入りするなどということに大変抵抗がありまして、テーブルの上に足を乗せるような感覚で精神的にも本当に参ってしまいました。窓は基本的に出入りする場所ではありません。このような設計をしている建築会社および販売会社の常識やモラルを疑いたくなります。

現在の進捗状況は外の枠組みが完成して、中の内装はわずかに進んでおりました。
販売担当者に現状を連絡しましたところ、状況が全くわからず、現場を見てから回答します。とのことでした。いずれにせよ今の状態はとても納得できません。

できれば契約そのものを無効にして、別の物件を探したい気持ちです。
この物件を購入するのならば少なくとも下まで開いた引き戸にして出入りが容易にできるものにしてもらうか、ルーフバルコニーの分値引きをしてほしいです。買い主の言い分はどの程度認めてもらえるものでしょうか?また今後販売会社の担当者とどのように交渉をしていけばよいでしょうか?
売り主の責任はどうなるのでしょうか?

長くなりまして申し訳ありません。
どうぞ、よろしくご指導をお願いいたします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
砂子 政二 N様、内容拝見しました。少々誤った解釈の部分がありますので、申し上げます。

>古い感覚かもしれませんが、窓から出入りするなどということに大変抵抗がありまして、窓は基本的に出入りする場所ではありません・・・とありますが、

ルーフバルコニーなどは、窓から出入りするのが普通だと、私は思います。
さて、ポイントは間取り図にあった「出入り可能窓」の説明度&解釈度ですよね。当然購入されたわけですので、図面や仕様の説明、モデルルームの確認などはされていますよね。その時に「出入り可能窓」には疑問を持たなかったのですか?

せっかくのルーフバルコニーで、高さもそうですが、幅の狭さは気になってもよかったのでは?
また売り主側は、「質問が無かったので解釈されたものと判断しました。」と、言うことになると思いますが、さて困ったものです。
現状の間取りが解らないので、窓の形や、何故そのような計画なのかは判断できませんが、高さのある引き違いの窓は無理なような気がしますね。(防水の納まりなど・・)もし出来れば最初からやっていたでしょう。
うーん、判断しかねますね。痛み分けかな?
納得の行くまで、話し合うしか無いような気がします。あしからず・・・
田所 雄太郎 田所と申します。よろしくお願い致します。

文章から形状を判断するのは非常にむずかしいので写真を頂ければ正確なコメントができますが、下記の図面のとおりだとしてコメント致します。もし、形状が違ったら判断も違いますのでご了承ください。違う場合はご指摘くださればまた対応致します。

ルーフバルコニーはたいがい階下に居室があると思います。(参照@)その場合は屋上防水をかなり強固に行う必要があります。図面のとおり上階の部屋からルーフバルコニーへ出るためには防水の立ちあがりとコンクリートのアゴ部分をまたぐようになります。私が設計してもそうなります。これはごくごく通常のやり方でめずらしい方法ではありません。

言い方を変えればこれらの出入り口はどこでも大抵こうなっているのです。逆にこうなっていないと階下の雨漏りが心配です。
冷たい言い方かも知れませんが相談者の認識不足です。販売会社もその場で的確な説明が出来なかったのは勉強不足です。
防水の立ちあがり寸法を考えると350mmくらいでは低すぎるくらいです。
慣れるとそんなに気にならなくなるように思えます。
どこでもそうなんだと思ってください。
販売会社がかわいそうかも知れません。そこまで言っては・・・

居室が階下に無い場合は(参照A)防水をそこまで頑丈にはつくりません。
というわけで立ちあがりが低いのです。日程をみますと契約前に図面が出来ているようなので細かく説明を求めればよかったですね。相談内容は気にする範囲ではありません。
住めば都、縁があって購入したのですから・・・・
参考になれば幸いです。
がんばってください!
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 5階建てということで鉄筋コンクリート壁式構造ではありませんか?
多分、梁せいをとるためにこのようになったものと思われます。
壁式ではこのようなことは割とあることです。特別なことでは有りません。
内覧会の時に設計図書が置いてありますので、図面を閲覧すれば分かります。

「担当者からの説明はもちろんありません。」と有りますが担当者は通常営業マンですので全てを説明できる筈が無く、全てを知っていると筈もありません。必ず、施工者の専門担当者がいるのでその方に聞いていただければ良かったと思います。その方は建築士ですので答えられます。通常営業マンは販売会社(デベロッパー)の社員で施工業者は委託されているので別の会社の社員です。

それほど重要な事であったのならもう少し慎重に調べていただいたらと残念に思います。(因みに、私の住んでいるマンションも壁式構造で「出入り可能窓」で立上がりがあります。布団は問題無く干してますし、躓いたこともありません。)
相談者お礼状 
 相談者お礼状 南側は「バルコニー」と表示されています。東側は「ルーフバルコニー」と表示されています。いずれも「出入り可能窓」と同じ表示がされています。この時点で、同じレベル、同じ状態である。と判断するのは一般素人の常識です。疑問を感じる、質問をする、説明を求める、以前の問題です。「鉄筋コンクリート壁式構造だから、梁せいをとるためにこのようなことになるのは特別なことではありません。」というのはあなたがた建築屋さんの常識で、一般社会人の常識とは言えません。さらに、防水云々というのはもっと専門家のご意見で素人には全く無縁のことです。今回のことで、「ルーフバルコニー」というものが、どのような構造になっているかというのはよく分かりました。

しかし、買い主の「認識不足」とのご指摘で「これでは、販売会社がかわいそう。担当者が全てを説明できる筈がなく全てを知っている筈もありません。」とありますが、これと全く同じことが「買い主にも」言えるのではないでしょうか?一般素人は、当然、専門的な事を知っている筈もなく同じく全く「かわいそうな話し」です。不動産屋さん、建築屋さんはプロなのですから、当然、素人にも理解できるよう説明する義務があると思います。尚、売り主から次のような説明がありました。重要事項の記載ミスであること。売り主側のミスであること。を全面的に認めました。

販売担当者としては、重要事項説明書のなかで説明するというよりは、あくまでも図面により表示してあることが全てとのことです。通常、今回のような場合は、「立上げ+○cm」と表示があるのが一般的。とのことです。因みに、他の部屋の間取図をみると1室だけ「床上げ+500」と表示されていました。現に、今私の住んでいるDマンションには(他の人の住戸ですが)間取図を見直してみたところルーフバルコニーには断面図にて立上がりの表示がありました。私所有の静岡にあるTのリゾートMのルーフバルコニーは立上がりはありません。当然表示もありません。

法律家の意見は(何人かに相談してみましたが、いずれもほぼ一致しておりました。)「これは重要事項であり、素人がわかるように説明のないのは売り主側のディスクローズ不足である。」とのことでした。そして当然売り主側の瑕疵であるからして「売買価額の1〜2割の損害賠償を求めるべき」但し、「売買契約の無条件解約までは、ちょっと無理」との意見でした。これに対しまして、建築屋さんの専門家としての見解を、是非お聞きかせ頂きたいと思います。お返事をお待ちしております。よろしくお願い致します。

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砂子 政二

N様。私達は、感情論的になるのは好みません。ですので、もしその方向に行くようでしたら、そこで終わりにさせてください。と前置きして、

砂子に対して?
>南側は「バルコニー」と表示されています。東側は「ルーフバルコニー」と表示されています。いずれも「出入り可能窓」と同じ表示がされています。この時点で、同じレベル、同じ状態である。と判断するのは一般素人の常識です。疑問を感じる、質問をする、説明を求める、以前の問題です。

一般人の常識かは判断しかねますが、ルーフバルコニーやバルコニーに正常に出れる窓で、「出入り可能窓」の表記はしないと思います。ですので、疑問を感じなかったのかな?と思った訳です。

>不動産屋さん、建築屋さんはプロなのですから、当然、素人にも理解できるよう説明する義務があると思います。尚、売り主から次のような説明がありました。重要事項の記載ミスであること。売り主側のミスであること。を全面的に認めました。販売担当者としては、重要事項説明書のなかで説明するというよりはあくまでも図面により表示してあることが全てとのことです。通常、今回のような場合は、「立上げ+○cm」と表示があるのが一般的。とのことです。因みに、他の部屋の間取図をみると1室だけ「床上げ+500」と表示されていました。現に、今私の住んでいるDマンションには(他の人の住戸ですが)間取図を見直してみたところルーフバルコニーには断面図にて立上がりの表示がありました。私所有の静岡にあるTのリゾートMのルーフバルコニーは立上がりはありません。当然表示もありません。

ですので、なぜ疑問に思わなかったのかな・・なのです。

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荻原 幸雄

先ず始めに「建築屋」とは通常施工業者を指します。我々は設計者で建築屋では有りませんのでご注意ください。

今回の建物の構造は何だかわかりましたか?前回は「わからない」でしたが。今回の問題は販売会社の説明不足は明らかですが、本来、宅建業法の重要事項説明が不十分であることに起因しています。そのことは当然問題です。販売業者のみに責任があると言うことで今回の件は施工業者や設計者の問題ではないと言えます。

どちらにしてもペナルティーはあるにしても無条件契約破棄は不可能です。残念ながら。
次の観点はペナルティーの金額だと思いますが、これがあなたの言う一般常識なら当然、あなたの住戸だけでなく、同じように、ルーフバルコニーのある住戸全てに平等にペナルティーを支払う事を求めてください。決してあなただけで終わらせる事はしないでください。それが平等で、一般常識だと私は思いますので。
 その後  
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