本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0275 地震に強くて、値段も低価格の建物が建てたい

 相談概要 [氏名] T.Mさん
[住所] 愛知県名古屋市
[職業] 会社員
[年齢] 27
[希望構造] わからない
[どちらに依頼しますか?] −
[何階建てを希望] 2
[予定床面積] −
 相談内容 始めまして。二世帯住宅を建てようと思っています。自分の親と住む予定です。
親は鉄筋で立てたいといっています。(地震火事に強いため)
主人は安いもの。私は、輸入住宅にひかれています。

父は輸入住宅は地震に弱いといっています。ある本には、2×4は地震に強いと書いてありました。違う本には、輸入住宅は、日本の風土にあっていないので、(湿気に弱い)海外では地震に強いが日本では腐りやすくて弱いと書いてありました。輸入住宅に特にこだわっていませんが、 地震に強くて、値段も低価格の建物が建てたい、(坪40万以下ぐらいものを希望しています)時は、どの構造のものがいいでしょうか?
地震は震度7に絶えれるぐらいの物を希望しています。

以上
 yorozuの感想
アドバイザー 
関口 啓介 関口と申します。住まい造りの相談有難うございます。

まず、地震に強い、弱いは工法ばかりでは、ありません。建築のように、現場単品生産されるものは、現場の施工技術によるところが大きいからです。
逆に、どのような工法でも、しっかりした設計と施工が行われれば、大丈夫だと言う事です。

コストの面から、申し上げると2x4や、工場生産(大量生産)された建物は、比較的安いです。
2x4では、使用材料が安い、人工(人件費)が安いからです。
工場生産(大量生産)住宅では、共同資材の、大量仕入れ、製造、統一プランがコストを下げています。

これらの選択も、選択肢であって良いと思われますが、安い工務店、メーカーには、それなりの理由があります。勿論、企業努力もありますが、ごまかしもあります。手抜きや、欠陥に繋がるおそれもあります。また、オプション追加のトリックもありますので、基本プランが35万円でも、出来上がってみると、55万円になっていたなどと言う事は、よくある事です。
そのような中でも、誠実に、安くしているところもあります。しかし、そのものの、価値以上に低い費用でできる事は、資本主義経済のしくみからいって非常に難しいでしょう。建築途中の倒産などのトラブルに巻き込まれる恐れも在りますので、お気をつけ下さい。

建築の価格は、当面の施工費の比較で検討される事がありますが、これからの住まいにかかる費用を相対的に捉える必要があると考えています。
坪40万円で、20年の寿命の建物と、坪60万円で50年の建物ではどちらが安いでしょうか。(安いからこれしかもたないと言うものではありません。誤解なさらないで下さい。)
また、住まいは家族の生命にも直結するものですから、生命の危険や、健康障害が伴うようでは、いくら安く購入しても、高いものについてしまいますね。

総施工費を抑えるためには、いろいろな考え方ができます。当面使わない部屋は完成させないなども一つの方法です。上下階の間取りを同じにして、構造的負担を少なくするのも方法です。できる限りの間仕切りをなくして、オープンスペースにするのも方法です。(構造によっては高くなります)きれいな仕上材でなく、工業製品や、構造材を仕上に使う。いろいろな可能性があります。

住まい造りを、経済的な呪縛から解き放ちたいと考えております。しかし、経済条件があっての住まいの計画ですから、無視するわけにはいきません。今後10年後、20年後、30年後に発生する費用もご検討下さい。

また、長くなりましたので書きませんが、よりよい住まい造りの上で、気候風土やいろいろお考えいただきたい事があります。目先のコストに囚われる事なく、よりよい住まい造りが進められる事を願っております。がんばって下さい。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 地震に対しては関口が申すように工法は関係有りません。(傾向としては有りますが。)
設計者、監理者、管理者(現場監督)、各職人この全てが心を入れて建築主の為に誠心誠意を傾けて造ることが先ずは大切なことです。わたしはメンタルなことを直ぐ書くとお思いでしょうが、日頃の設計監理を通して明らかに欠けているのがこの精神では無いか!と痛切に感じます。

誰の為の家なのか?誰が住むのか?職人さんは業者に厳しいコストダウンを求められ、建築主は車でも買ったように現場に顔も出さずどの職人さんが造っているのかも知らない。監督は会社から現場で少しでも利益を出せと押付けられ、このような状態で心を入れた住宅はできるでしょうか?

建築主も現場に顔を出して職人さんの顔くらい覚えてください。そうすればその気持ちはきっと職人さんに伝わり、きっと素敵な家が出来るでしょう。そうそう、手前味噌ですが設計、監理者が建築主の気持ちを建築主に成り代わり、監督や職人に情熱を持って伝えることこそ、夢或る健全な建物になるのです。家は手作りであることを忘れないでください。
そんな気持ちのわかる建築主になってください。夢或る家が出来ること心よりお祈りいたします。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107