相談概要 | [氏名] T.K [様態] 注文住宅 [住所] 山梨県甲府市 [職業] 会社員 [年齢] 35 [構造] 木造(在来工法) [築何年ですか?] 工事中 [何階建て] 2 [様態] 注文建築 [生産者] 大工(工務店) [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んだ。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済書は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 25枚以下 [打ち合わせ何回] 20回以下 [床面積] 130m2以下 |
相談内容 | 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 さて、現在建築中の家につきまして、何点かの質問を設計兼監理者に相談しました所、補強する部分と「このままでも大丈夫。」の部分の回答をいただきましたが、本当にそれで良いのか、その対応で十分なものなのか、公庫*の融資条件である耐久性に見合っているのか等が心配でご相談いたしたいと存じます。 何卒、ご指導をよろしくお願い申し上げます。 敬具 *事務局注:住宅金融公庫は、2007.4.1に独立行政法人 住宅金融支援機構に移行しました。 写真 NO40.jpg 屋根の梁と柱の結合部ですが、すき間があいてしまったらしく、薄い板を挟んであります。かすがいで止めてはありますが、強度的には大丈夫でしょうか。監理者は、「屋根のすぐ下なので、荷重もそんなにかからないからこれで大丈夫。」とのことでした。 写真 NO45.jpg 柱と梁の結合部でかすがいが斜めに浮いて付いています。監理者は、「ボルトで止めてあるので、強度は問題ない。」とのことですが、浮いているのでは意味がないと思うのですが。 写真 NO1.jpg 梁に長いヒビが入っています。ヒビの入った梁はいくつかあるのですが、ここだけ特に長く心配です。「そんなに深いヒビではないから大丈夫。」と言われましたが、やはり心配です。 写真 NO3.jpg 基礎とその上の横木の間にすき間があいていたのか、薄い板が突っ込まれて反対側まで出ていました。「すき間を埋めるためで、強度には問題ありません。」とのことですが心配です。 写真 NO5.jpg 基礎の上の横木の結合部分で切り込み側からヒビが出ています。 他の場所は大したヒビは無いのですが、ここは外側に伸びていますので、心配です。 写真 NO6.jpg 基礎の床下換気口から上にひびが入っています。 内側にのみヒビが入っている所が2ヶ所、写真のところは反対側(外側)も同様のヒビが入っていて、基礎の上の部分にもヒビが見えましたので、もしかしたら繋がってしまっているかもしれません。 このヒビは瓦が乗った頃から出てきました。監理者は、「ヒビの幅も狭いから、仕上げ時に上塗りするので大丈夫。」と言っていましたが、その対応だけで良いのでしょうか。 写真 NO8.jpg 筋交いが短く、柱に補助の短いものをボルトで止め、そこに筋交いを接続しています。監理者は、「補助材は、ボルトで止めているので大丈夫。」と言っていましたが、本当に大丈夫でしょうか。 写真 NO11.jpg 1階の梁の結合部ですが、上下にズレていて左側の梁の下にはすき間を埋めるために木片を釘づけしてあります。結合部分の左右の柱では高さが一致しているらしく大工さんも首をかしげていました。監理者は、「T型の金具と釘打ちしてあるので大丈夫。」と言っていましたが、大丈夫でしょうか。 写真 NO13.jpg 短い柱に対して梁が2本乗っていますが、片側の梁としかかすがいを付けてありません。下の梁とは片面にしかかすがいの付いていません。両面に付いていない所は何ヶ所かありました。指摘した箇所については「付け忘れだから、これから付けていく。」と言ってくれましたが、「屋根が上がっているので、上の方は足場ができてから。」と言われました。徐々に付けていくと言われても、仕事の関係で毎日確認に行くことができないので、どうやって確認すれば良いのかアドバイスをお願いいたします。また、かすがいとは強度の関係で重要なものなのでしょうか。 写真 NO16.jpg 梁と梁の結合部ですき間があいたため板を挟んでボルトで止めてあります。監理者は、「ボルトで止めてあるから大丈夫。」と言っていましたがこれで大丈夫でしょうか。 写真 NO23.jpg 梁と2階の柱の結合部ですが、やはりすき間があり、薄い板を挟んでありますが、片側しか挟んでありません。これは今日見つけたもので連絡していませんので、どのような対応をしてもらえば良いのかを教えてください。 写真 NO26.jpg 1階の柱と梁の結合部ですが、外側はT型の金具で止めてありますが、内側にはなにもありません。これで強度的には大丈夫なのでしょうか。このような箇所はたくさんありました。また不十分な場合はどのような補強をしていただけば良いのでしょうか。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
大内 彰 | 数多い疑問・質問ですね。写真ごとに解説します。原因の推察を最後に述べます。 写真 NO40.jpg No.40:ほぞは着いているようですが柱天端と梁下端のレベルが違っていますね。柱の脇に補強用の柱をボルトで固定しその柱で梁を受けるようにすべきでしょう。 写真 NO45.jpg No.45:ボルトで止めているのなら何故かすがいが使われているのでしょうか?理解できません。 写真 NO1.jpg No.01:この程度のひび割れはあまり問題にならないと思います。 写真 NO3.jpg No.03:後からモルタルを詰めるのでしょうか?左方と右方で隙間が違っていませんか?土台の継手の部分を基礎に抑えつけるボルトがついているでしょうか? 写真 NO5.jpg No.05:この材は土台というものでしょう。この写真からだけでは判断できません。 写真 NO6.jpg No.06:おそらく、このひび割れは裏表貫通しているでしょう。開口補強がしっかりなされていないのでしょう。今後も重量が載るたびにひび割れは大きくなると予想されます。早い内に補強すべきだと思います。 写真 NO8.jpg No.08:右上の筋交いについてはこの補強でも大丈夫だと思います。その下方に見えている筋交い用のプレートの釘穴が余っています。本来はこの部分にも釘が筋交いに打たれていなければなりません。 写真 NO11.jpg No.11:右側の梁が下がってしまったために飼いものを挟んで左側の梁のレベルを合わせたのではないでしょうが、これでは本来の性能を発揮できませんし、この後の処理もうまくできないでしょう。 写真 NO13.jpg No.13:蟻のような継手に見えます。この場合は左側の材と束をかすがい(両側)で止めるべきでしょう。 写真 NO16.jpg No.16:この写真では状況がわからない。 写真 NO23.jpg No.23:束にほぞが無い。長さ不足。取り替え。 写真 NO26.jpg No.26:ほぞを差し込んでいるのでしょう。とくに問題無し 写真については以上です。 梁のレベルが違っていたり、束や柱の長さが足りなかったりしている原因は単純に長さを間違えたということも考えられますが、基礎天端レベルが水平ではないことに建方後に気付き補修したのではないかと推測されます。 また、地盤沈下によってレベルがずれてきたといことも考えられます。 施工状況や監理者の説明にも不信感をいだきます。構造体が隠されてしまわない内に早急に第3者のチェックを受けて対応を協議すべきです。 このままでは、構造体がつぎはぎだらけになってしまいそうです。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 監理者・施工者の質が問われそうな体制です。監理者が監理をしてない典型でしょう。監理者はこのようになる前に監理するべき話で、事後にすべき話ではありません。 「心を入れて造ることが如何に大切か」を教えてくれてる現場になっているようです。残念です。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お世話になっています、先日ご相談をいたしましたT.Kです。 早々に回答を送っていただきありがとうございました。不安を持っていた所も少し解消されました。 基礎が水平でないとのご推察は、その通りでした。元々地盤の弱かった土地で、ベタ基礎にしてもらい、安心していたのに、このような状況になってしまい、ショックは隠し切れません。 基礎のヒビ割れ箇所(写真 NO6.jpg)、 基礎と土台の間に板を挟んだ箇所(写真 NO3.jpg)、 左右の梁が上下にズレている箇所(写真 NO11.jpg)、 梁とその上の柱のすき間の片側に板を挟んだ箇所(写真 NO23.jpg)、 全て基礎が水平でないところで発生していました。 今後の対処についてもアドバイスいただいたことを参考にして、監理者、大工さんと協議し、対応していきたいと思います。 協議した結果の対応等で、またご相談させていただく事があるかと思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
その後 |
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