相談概要 | [氏名] S.Kさん [住所] 愛知県知多郡 [職業] 会社員 [年齢] 29才 [構造] 木造(在来工法) [築年数] 築 1年以内 [階数] 2 [様態] 注文建築 [生産者] 建設会社 [設計者を選んだのは] -自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] - [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済書は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 1枚 [打合せは何回ですか?] 3回 |
相談内容 | 家のことで相談したいことがあり、メールを出しました。よろしくお願いいたします。 元山だったところを(登記には畑)宅地として買いました。不動産屋さんも大工さんも元山だから地盤は大丈夫と言い、地盤調査をすることなく、工事が始まりました。昨年の5月1日より基礎工事が始まり、12日の午前中にコンクリートを流し込みました。その日の午後2時ごろに夕立のような雨が降ってきました。そのため、基礎を囲っている板と基礎のコンクリートでできている溝に水が溜まっている状態になっていました。これを業者に聞いてみると水が溜まっているところは乾いているので大丈夫、乾いていないところはビニルシートで覆ったので大丈夫ということでした。 基礎部分のつくりは、地面から280mm下から砕石が90mm敷いてあり、その上にサイコロをおき、その上にH鋼がのっている状態で、そのH鋼の上に鉄筋が縦横に入っています。基礎の厚さは120mmです。基礎はべた基礎で、H鋼の鉄骨(100x100x6x8)が基礎立ち上がりの箇所にすべて入れてあり、さらに縦横に鉄筋(D13)が使ってあり、べた基礎の厚さは200mm程度あります。しかし、その約5ヶ月後に南側の基礎の風窓の端の部分から亀裂が地面に向かって入ってきました。細い亀裂で大工さんに聞いても問題ないとのことだったので、その約1ヶ月後(11月)に入居しました。それから1ヶ月後、南側の西側の基礎の風窓の端にもう一本細い亀裂が入ってきました。さらに、徐々に北側も東側も、西側も基礎の風窓の端に亀裂が入ってきました。詳細は以下の通りです。 南側には3つ、東側には3つ、北側には3つ、西側には2つの風窓があります。南側の西側の風窓には右端から20cm、真中の風窓には右端から25cm、東側の風窓には左端4cm、右端2cmの亀裂があり(幅は1mm以下)、東側と真中には大工さんに見てもらったら、内側にも亀裂が同じように入っていました。西側の北側の右端、南側の左端にそれぞれ15cm、14cmの亀裂が入っています(幅1mm以下)。北側は東側に駐車場が3台分つくってあり、その部分は基礎の高さが78cmです(南側は約50cm)。北側の東側の風窓には左端に15cm、右端に10cm、真中の風窓には左端5cm、右端34cm(内側にも同様に、幅1mm)、西側の風窓には左端に30cmの亀裂が入っています。さらに北西側には玄関があり、その左下の基礎には7cmの亀裂が4本、右下には7cmの亀裂(幅は1mm以下)が1本入っているが、下はポーチで見えないのでどこまで進んでいるか分からない。東側の北側の風窓には左右に15cmと14cmの亀裂(幅は1mm以下)が入っています。 基礎以外にも他の部分で徐々に変わってきた部分があります。和室のふすまや障子を閉めると最初は柱との間に隙間はなかったのですが、だんだんと障子は上のほうが3mmほど、ふすまは4mmほど下が開いてきました。和室の土壁の真中の下から10cmほどのところと、その上のなげしの上の部分には2-4cmほどの亀裂も最近かたまっていくつも縦に入ってきました。また、2階の南側の窓は2mあるのですが、戸箱に2つ目の雨戸を入れると、雨戸の上のほうが2cm程度外へ出てしまって、きちんと戸箱に入らない状態になっています。 サッシの業者の方の話では、うちでどうこうする領域じゃありませんと何が原因かもいわず、よく大工さんと話してくださいとのことでした。大工さんの意見は、基礎の部分は、セメントの収縮で亀裂が入ったと言うのですが、何か他に原因があるからではないかと聞いたのですが、他の理由は思い当たらない、分からないとのことでした。また、基礎はべた基礎で、しっかり作ったのだから、絶対大丈夫、亀裂が多少入っていても地震がきても大丈夫ですと大工さんは言います。地盤が悪かったのではと聞いたところ、元山のところを削った土地だから大丈夫と言われましたが、雨が降った後、庭はあまり水はけが良くないです。周りの空き地には水溜りが何日もできている状態です。 大工さんは、障子とふすまに関しては、敷居の真中が若干下がったが、基礎の亀裂とは関係ないとのことで、下から木をかませて何時間もかけて直して頂いたのですが、まだ、完全に直っていません。今は、様子を見ているところです。基礎の亀裂は、雨水などが入らないような処置をするだけで、そのままにしておいてよいものでしょうか?ふすまや障子が柱との間に隙間ができることや壁のひび割れは基礎の亀裂とは関係ないのでしょうか?このような症状が徐々に起こってきているのは何が原因で起こることが考えられるでしょうか?このように原因は分からないが、出てきた症状に対して処置していき、このまま住んでいっても大丈夫な家なのでしょうか。精神的に不安な状態が続いております。何か参考となるものが必要でしたら、連絡下さい。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
宮坂 英司 | いまちょうど携わっている物件が知多方面です。そこの現場も山地でして、最初お伺いした時には直感的に『ここの地盤は強そうだ』と思いました。ですが地盤調査をしますとかなり弱い粘土層でした。本当に以外でした。地盤上層部の地耐力が期待できない状態でしたから。 今回の土地も水はけが悪いようですね。私のクライアントさんの土地も水はけは良く無いとお聞きしました。良く似ています。周囲の土地も同じようですから、御相談の土地も粘土層と推測されます。それもかなり弱いのではと危惧されます。そのため地盤が建物の重さのために沈下しはじめているのでは?と思うのですが? ただ現場を見てみないとはっきりは判断できませんが。知多郡はやきものの町、常滑市に近いわけで、そういう関係からも粘土層の地盤が多いのではないでしょうか? |
久保田 英之 | Sさん、、はじめまして。 愛知県担当の久保田といいます。宜しく御願いします。 建物の基礎に異常があるのではないかと心配されている様で、不安な事と思います。 なにぶん、文面だけでの判断材料ですし、基礎構造も一般工法とは違っていますので、正確な現状把握になっているのか解りませんが私なりの解読でお話します。 山地を買われた様ですけれども、全てが強い地盤とは限りません。 例えば山を削った盛土では殆ど地耐力がありません。 場合によっては10m掘っても堅い地盤が表われない事もあります。 山地であれば事前に地盤調査をされてた方が良かったかと思います。 それが、又保険みたいになったかも知れませんよね。 それで、Sさんの基礎の説明ではH鋼を入れた特殊なものですが施工業者(設計者)から何らかの説明を受けていないでしょうか?特殊工法で国の評定を受けているものなら別ですが、もし説明がなければ独自の考えで軟弱地盤を想定して基礎を補強したようにもとれます。 ここでは、独自の基礎工法をしたという事で話を進めます。 まず、基礎の外観仕上げですがモルタルでしょうか?コンクリートでしょうか? もし、モルタル仕上げであれば、その仕上げをしてから、後でサッシュの額縁を打ち付けることで(グッと押し込むので)亀裂が入ったのかも知れません。(決して誉められた仕事ではありませんが) ただ、基礎自体に入っているのであれば、箇所数・一致した場所(窓廻り)であることから単純なコンクリトの収縮クラックではなく、何らかの問題によって起こったものと考えられます。 1.”基礎の底盤下の地盤沈下によるもの” かなり軟弱な地盤に基礎をがっしり作っても不同沈下してしまえば何の意味もありません。 2.”基礎の鉄筋やH鋼による問題等” 基礎の立上がりの鉄筋がどの様にべた基礎につながっているのか? また、鉄筋とH鋼がどうつながっているのかは大切な問題です。 基礎立上がりやべた基礎がしっかりしていても、お互いしかり固定されていなければ折れて倒れてしまいます。 それと、H鋼のかぶり厚さ(H鋼とコンクリートの外面までの距離)やコンクリートの充填も気にかかるところです。 3.”木造の建物(軸組)自体に問題がある” これらの問題を調べる為には、床下点検口があればもぐってみて、べた基礎のクラックを見て下さい。その入り方に一定性があったり、深かったりしていれば地盤沈下の可能性もあります。 相談の文面で御自分で選んだ設計者がいる様なので、立ち会ってもらったらどうでしょうか? そして、空地を利用して地盤調査する事をお勧めします。 方法は大型動的貫入試験(1回 7〜8万円位)を行えば、地盤の堅さは解ります。 調査結果次第で軟弱地盤という事になれば地盤改良や杭工事が必要だった事になります。 和室の土壁ですが、一定の方向性をもったクラックは気になるところですね。 もしかしたら下地が悪いのかも知れません? フスマや障子の建付けですが、2階に設けた場合に敷居の下に大きな梁等(10寸以上位)がある場合、その梁の乾燥収縮により、床がたわみ建具に隙間を生じた事を聞いたことがあります。(木材の乾燥収縮の問題で基礎とは関係ありません) ただし、1階で起こるようなことであれば基礎のクッラクの因果関係も考えられます。 雨戸ですが、その施工はおかしいと思います。大工さんにいって直してもらって下さい。 大工さんとサッシュ業者との間に何か行き違いがあったのか? まずは建築の専門家(実際の設計者・他の建築家・構造家)に立会ってもらい設計図書(建築確認申請書も図面は1枚ですか?)や現場施工写真を見比べながら、空地での地盤調査をして下さい。 但し、実際の設計者が工事業者や不動産業者の紹介なら、人を見て判断する事。 1つ1つ問題を解決して、安心して暮らせるように心から祈っています。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | すいません。文章ですとなかなか状況が掴めません。できれば写真をお送りください。施工時の写真は有りませんか?あれば解説がより正確に出来るのですが。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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