相談概要 | [氏名] H.Kさん [住所] 愛知県豊川市 [職業] 会社員 [年齢] 28才 [構造] 木造(在来工法) [築年数] 工事中 [階数] 2 [様態] 注文建築 [施工者] その他 [設計者] 専業の建築士 [設計者を選んだのは] - [監理者] - [監理者を選んだのは] - [確認申請書存在の有無] 有る。 [検査済書は有りますか?] - [設計図面枚数] 4枚 [着工までの打合せ回数] 15回以下 |
相談内容 | こんにちは。ご相談したいことですが、設計士(建築事務所)に依頼してある場合でも第3者の建築士の方にて、建築中の監理をして頂けるのですか? (施工業者もこの建築事務所で手配しています)同じ様な質問があり非常に恐縮なのですが、以下の文章を読んで下さい。) 状況ですが、現在基礎工事に入る前です。今、建築事務所で設計・建築をしております。建築士であるから安心していたら、契約後、態度が急変しました。 1.基礎図面を工事前に欲しいといった所、「普通は出さない」と言われた。「基礎屋から図面が出てこない」といいわけする。 2.確認申請が降りたら必ず連絡してくれとお願いしてあったが、連絡がこずこちらから聞いたら初めて、降りたことを言った(こちらは銀行が教えてくれた)。また、確認申請の書類を持ってくるようお願いしても、変更があるとき面倒だから手元に置いておきたいといわれ、建築仕様書(ピンクの表紙)も持ってきて欲しいとお願いしたところ、「市役所から持ってき忘れた」と言われた。次の日に全て持って来てもらい、「建築仕様書も家で預かる」と言ったところ、これも変更があると面倒だから渡したくないと言われ、「近いから必要な時に取りに来て下さい」とお願いしたら、「それでは今後の処理は全てお宅で行ってくれ」と言い出した。 3.細かい仕様書等も何度も出して欲しいとお願いしても、出してもらえず、しまいには「そんな細かい事を言うなら、他でやってくれ、みんなに迷惑がかかる」と怒鳴られた。「一級建築事務所であるから」の安心がいけなかったですが、あまりにもひどすぎます。何かが遅れてもすぐにいいわけします。例、CADが壊れた、他のお客さんの仕事もある、明日までに引かなければいけない図面がある等。長時間の話し合いも、「こうした時間が無駄だ」と言い出します。 現在、同じ建築事務所で両親の自宅の改装も行ってますが、大工がこうした方がいい、と言ったことを「予算がないから」と施主に断りもなく勝手に進めてしまいました。このときの金額はわずか10万足らずの話しです。まだまだ多数ありますが、こうした事からものすごく不安になり、以前この建築事務所で建てた人を大工から聞き出し電話したところ、最悪の結果でした。その方も不安になり、他の業者に調べてもらった所、部材等から見ていくと、500万ぐらい高い、と言われたそうです。そのことを、この建築士に言ったところ「そんなことするなら鍵を渡さないぞ」とかなり厳しい口調で言われたそうです(この方は同級生だそうです。)。この方も同級生であり、建築士であるからかなり安心しており、あまり書類をもらわなかったそです。 一応建てた所は見に行きましたがここでは無く、愛知県岡崎市に行きました(この建築士の親戚で、一番新しい所ですからということなので)。契約した以上、すすめなければいけないのですが、もう私どもが言っても図面等は出てこない気がします。実際の工事も本当のプロにしっかり見ていただきたいです。おそらくこうしたお願いを今の事務所に言ってもかなりきついことを言われるのは目に見えてますが・・・。家庭内も喧嘩が絶えず、かなり険悪です。こんなことなら家を建てない方がましかもしれません。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
関口 啓介 | Iさんの相談の文面を驚きと共に拝見しました。これが設計事務所のする事かと怒りを覚えました。恫喝行為とも受け取れる内容は、建築士以前の問題です。一級建築士であってもあくまでもライセンスに過ぎませんので、建築に向う姿勢は千差万別です。技術や、知識は指導により改善がもたらされますが、根本的な姿勢の改善は第三者の介入によっても不可能かもしれません。それほど問題のある設計事務所と相談内容からは御見受けします。契約後態度が急変したとは、何の契約でしょうか。 もし、設計監理契約であるならば、どのような契約内容か疑問が沸きます。もしIさんのおっしゃる通り専業の建築士が設計監理の契約をしたのであれば設計図書の提出義務があり、その図面が4枚とはあまりに少なすぎます。通常私の事務所では、木造戸建て住宅でも50枚近い図面枚数になります。4枚では、実施設計図があるとは思えません。当然基礎の図面もあるわけはないでしょう。契約書に実施設計図の作成が業務内容として記述されている場合は、契約不履行で即刻解除される事をお勧めします。 これから基礎工事に入るそうですが、建築工事請負契約はされましたでしょうか。また、どこと契約されたでしょうか。文面には「建築事務所が設計・建築をしている」と書かれてますが、この建築事務所と建築工事の契約をされているのでしょうか。この事務所は建設業の許可を受けているのでしょうか。それとも直営(施主自ら行う)という事で工事の監理を任しているのでしょうか。 建築工事請負契約をされているのであれば、住宅金融公庫*監修の契約書をお使いだと思います。(文面より、住宅金融公庫適用と思われるので)契約約款では、受注者は、発注者の立会のもとに、公庫及び、発注者の指定する時期、に検査を受けなければなりません。この時に発注者の代理人として、第三者の建築士を立てる事は充分可能です。しかし、検査後に、改修、補修が頻繁に発生して、結果として良い建物が保証されるというものではありません。また、検査内容も限られた項目になってしまいます。 もし直営工事で、この設計者に監理を依頼してあるのであれば危険過ぎます。設計図不備により監理不能と監理の契約を解除すべきでしょう。これから第三者の建築士が監理する場合でも、この図面枚数では監理は不可能です。公庫の仕様以上かどうかの確認に終ってしまいます。契約が4枚の図面と、仕様書によって結ばれたと思われるからです。正確な内容が把握できないので、まずは工事が始まる前に一時中止し、契約内容を確認の上、善処下さい。 問題のある設計事務所と思われるので、豊川市役所にご相談の上、建築確認申請を取り下げて、工事を中止するぐらいの事もご検討下さい。また、恫喝行為とも思われる言動、行為は日時と共にメモしておきましょう。法律相談も併行してされる事をお勧めします。まずはIさんの毅然とした態度で、脅しに揺るがない姿勢を打ち出しましょう。 500万円の損金を出すくらいなら、しっかりした第三者の建築士に設計からし直してもらう方が、よっぽど安いと思われますよ。この設計事務所の不誠実な態度や、信義を破る言動は契約解除するに値する行為です。それから、公庫の「木造住宅工事共通仕様書」をご購入下さいね。工事前でよかったですよ。やり直してがんばって下さい。 *事務局注:住宅金融公庫は、2007.4.1に独立行政法人 住宅金融支援機構に移行しました。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 建築士の誇りを汚す建築士ですね。実に情けない思いを感じます。相談者がこの建築士に尋ねている事は全て当然の事で、それに対するこの建築士の対応はまるで子供地味ています。設計監理契約や工事請負契約を全て破棄しても良いくらいの毅然とした態度で臨みましょう。 今後このような工事が進んで行くととんでもないことになりそうで、何とか家が出来てもメンテナンスも実行しそうもなく、その後その家で暮らす事にも精神的に参ってしまうかもしれません。契約をした以上、とは考えず、実費清算してでも契約破棄をお勧めします。 しかし、その前に今度は信頼出来る建築士と打合わせをし、実態を調べてもらい弁護士を交えて契約破棄を進めたほうが賢明でしょう。ご自分で対応するにはあまりに人格に欠落のある建築士のようなので無駄でしょうし、その後の成り行きが手に取るように見えるからです。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 早速のご回答ありがとうございます。 まず、私の方で解る限りのこと(契約内容等)について調べます。 |
その後 |
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