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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0206 狭小な物件でなんとかしたい

 相談概要 [氏名] S.Kさん
[住所] 東京都品川区
[職業] 会社員
[年齢] 33才
[構造] -
[築年数] 建築予定
[階数] -
[様態] -
[施工者] -
[設計者] -
[設計者を選んだのは] -
[監理者] -
[監理者を選んだのは] -
[確認申請書存在の有無] -
[検査済書は有りますか?] -
[設計図面枚数] -
[着工までの打合せ回数] -
 相談内容 土地購入も含め、家の新築を検討中です。
品川区内、東南4メートルの私道に約5メートル接道の40平米、建ぺい率60、容積率300、第一種住居地区、3種高度地区と、比較的条件の緩い物件が出てきました。(まだ購入しておりません。)予算が限られているもので、このような狭小な物件でなんとかしたいと考えております。そこで質問がございます。

1階部分をクルマ(セダン)の駐車スペースとするため 1.5メートルほどの高さのピロティを鉄骨で作り、その上に3フロアの住宅を造った場合、その最上階は4階とカウントされるのでしょうか?
それとも3階なのでしょうか?

このような建て方の場合、鉄骨や木造など構造上の制約はありますか?
最もローコストな工法は何ですか?
いわゆるハウスメーカーで対応できますか?
それとも設計士を通じて工務店で建てた方がよろしいのでしょうか?

ご回答よろしくお願い申し上げます。
 yorozuの感想
アドバイザー 
田所 雄太郎 >1階部分をクルマ(セダン)の駐車スペースとするため 1.5メートルほどの高さのピロティを鉄骨で作り、その上に3フロアの住宅を造った場合、その最上階は4階とカウントされるのでしょうか?それとも3階なのでしょうか?

立派に4階です。床がある限り階数にカウントされます。

>このような建て方の場合、鉄骨や木造など構造上の制約はありますか?

4階の場合は防火地域の指定があれば耐火建築物となりおのずと非木造となります。鉄筋コンクリート造または鉄骨造の耐火被覆などをしなければなりません。防火指定がなくても、4階建以上の場合にはツーバイフォーのみ構造計算で確認できれば許可になりますが一般的には、4層木造は認められていません。 

>最もローコストな工法は何ですか?

どの工法でも工夫することによってコストはさげられます。前述のように法規制によって構造を選び、その中で何通りかの道を探ります。初期投資と将来のメンテナンスなども考慮にいれます。また、なんでも安ければ良いというのではなく、各構造の長所、短所性質を納得の上で選ばれた方がよいです。但し、RC造は木造の2倍から3倍重く基礎などにコストがかかることがあります。

>いわゆるハウスメーカーで対応できますか?

ハウスメーカーの短所としてはイレギュラーなことが苦手です。いわゆる大量生産のベルトコンベアに沿っていないと融通が効かなくなります。勿論対応はできますが、各々構造形式がきまっていますから自社の商品のいいところだけ説明するようになります。いろんな所に声をかけまくったあげく誰の言うことを信じていいのかわからず、迷路にはまり込んでしまいます。結局一番感じの良い営業マンのハウスメーカーを選んでどこにでもある家に住むというのがたいていの方の道筋です。 

>それとも設計士を通じて工務店で建てた方がよろしいのでしょうか?

よろず相談のコーナーを見られている方にしては野暮な御質問ですね!他の相談をいくつか見てください。たいていの問題点は・・・設計者(監理者)、施工者の立場が独立していず、いわゆる設計施工一体の受注体制にあります。例えば一つの会社にすべて任せてしまうと自分たちの施工ミスは誰の目にも触れずにもみ消されます。特に隠ぺい個所はなかなか発見されません。問題になってから大騒ぎして駆け込んで来られるのがここのコーナーなのですが、あなたの場合は非常に運が良いですね。事前にそのことに気がついたのですから・・・そこで我々のように施工者に対し、施主の代わりとして専門的な立場から大事な財産を守る役割のある者が必要になるのです。

詳しくはここに登録されている建築士のメンバーはHPを持っていますから、考え方や人間性を判断され、連絡されてはどうでしょうか?皆さん丁寧に対応してくれると思います。特に不動産物件は思わぬ法規制があり、建築士の専門的な見方でボリュームや計画を出してみてはどうでしょう?不動産屋さんとは切り口が違いますよ!

例えばこうです。
4mの道路に接道ですから許容容積は(0.4*4=160%)、40m2*1.6=64m2となります。けんぺい率ぎりぎりの60%を建てたとして1階部分の床面積40m2*0.6=24m2 (3層足らずで容積を使い切ってしまいます)ということで4階は難しいと思います。また、前面道路斜線により、4階の高さまでは建築困難でしょう。土地の形がわかりませんが間口5m,奥行き8mとして述べました。参考にしてください。土地の価値は交通の便などの他に容積を使いきれるかどうかにかかっています。たとえ容積300%でも前面道路が狭ければ建てにくいように法が規制しています。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 一般的に家は広くて大邸宅なほど設計は簡単で、狭小な家ほど設計が難しくなります。何故なら、少ない面積に最大限の効果を上げる方法を考えるには相当のエネルギーがかかるからです。しかし、それを乗り越えてこそ素敵な暮らしが待っているものだと思います。それに対応してくれる人が?企業なのか、個人の心情なのか、お考えください。商業主義的に考えれば大邸宅はおいしい仕事で、狭小な家はおいしくない仕事です。おいしくなければそこそこで対応するのが現実的な話しだろうと思います。

その商業主義を乗り越えて対応してくれるのは、設計者個人の心情でしょう。「この人の為に何とか素敵な家を建ててあげたい」と言う気持ちです。しかし、残念ながら企業の設計は、この商業主義の範囲から逸脱する事は許されないでしょう。決められたマニュアルがあるからです。限られた範囲の設計にならざるを得ません。この辺は企業の設計者としては歯がゆい思いでいる事だと思います。大切な事は建物の規模によって対応の変わらない平等なシステムが存在するのはどこかと言う事です。
その辺を今一度お考え下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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