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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0203 基礎が91cm程足りないことが判明

 相談概要 [氏名] S.Tさん
[住所] 埼玉県行田市
[職業] SE
[年齢] 27才
[構造] 木造(2X4工法)
[築年数] 工事中
[階数] 2
[様態] 建売り住宅
[施工者] 大工(工務店)
[設計者] -
[設計者を選んだのは] -
[監理者] 兼業の建築士(施工会社の社員)
[監理者を選んだのは] 会った事がない
[確認申請書存在の有無] 有る。
[検査済書は有りますか?] -
[設計図面枚数] 2枚
[着工までの打合せ回数] 5回
 相談内容 はじめまして。お忙しいところすみません。
現在、地元の不動産に依頼して2x4の住宅を新築中です。下記のような質問があり、メイルしました。専門用語など勉強不足があり、説明が足りない部分などあると思いますが、お許しください。

質問1.
基礎はベタ基礎になっていますが、大引きと床束を補強する金具が一切使われていません。釘で2点から打って止めている感じです。また、床束同士を繋げて補強する根ガラミも入っていません。不動産屋に確認したところ、「ベタ基礎なのでそのような補強は必要ない。また、金融公庫*の規定には補強が入っていないため、やらない。」との説明でした。これは本当なんでしょうか? この部分をデジカメで写したイメージはありますので、必要であればメイルできます。

質問2.
基礎のコンクリート打ちが終わり、基礎に沿って木を乗せる際に、基礎が91cm程足りないことが判明し、その部分が追加されました。その際に、既存の基礎と追加する基礎の接続部分はどうなっているのか? また、追加した基礎に配筋が入っているかなど、すべて内緒でやられた作業になってしまい、すべては闇の中です。

現場を見た際に発見して不動産屋を経由して確認しましたが(連絡した際に、不動産屋は知らなかった)、施工者は「ジョイント部分も既存の基礎に穴を開けて、配筋を絡めているので大丈夫」との説明を受けました。その後、2週間程経過しましたが、接続部分にクラックが出てきています。素人目ではクラックが大きくなってきている為、追加した部分の基礎がうまくくっ付いていなくて、ハガれてきているようにも見えます。

今後、ジョイント部分に対してどのような観察と注意が必要でしょうか。また、どのような現象が出ると危ない状態と判断できるんでしょうか? この部分に関しては、施工後と現在の状況が比較できるデジカメのイメージがある為、別途でメイルします。アドバイスをいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。


*事務局注:住宅金融公庫は、2007.4.1に独立行政法人 住宅金融支援機構に移行しました。


基礎増設部


基礎増設部


増設基礎部
 yorozuの感想
アドバイザー 
我伊野 威之 質問1.
べた基礎の場合、根ガラミは不要と思われます。束石に束立ての場合には布基礎部分の水平移動に合わせ、束が転ばないように根ガラミが必要ですが、べた基礎の場合には土台部分にある程度の水平剛性があれば束は転ばないので根ガラミは不要と考えられます。(公庫の規準にもなかったと思います)

質問2.
追加部分の施工写真を工務店は撮っていないのでしょうか?「ジョイント部分も既存の基礎に穴を開けて、配筋を絡めているので大丈夫」との、施工者の言葉も裏付ける証拠がなければ信用できませんので、私ならその部分は施工し直してもらいます。基礎に穴を開けて・・・って言うのもどの程度開けているのか?鉄筋の定着長さ分穴を開けるとD10の鉄筋でも40cm開けなければいけないのですよ。

べた基礎への定着では、真直ぐ開けられないので、べた基礎側を大分ハツリ取ることになります。送って頂いた写真を見てもべた基礎をハツッた様子は見受けられませんし、縦の打継ぎ部分も良くありません。打継ぎ部分の止水処理もきちんとしているのでしょうか?(べた基礎上面、大分雨に叩かれているようですね、今後木材が雨に濡れないよう養生するようにしてもらって下さい。)

内部の基礎で構造的に重要な部分でなければ、束をきちんと立てて補強する方法などもあったのではと考えます。監理建築士が設計内容を理解し、きちんと監理できていれば今回のように中途半端に補修し問題になるようなことは無かったでしょう。今後の工事には監理建築士の方に現場に来てもらって下さい。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 現場にコンクリートのはつりの残骸が有りましたか?写真でははつって無いように見えます。基礎を接続する場合はケミカルアンカーも有りますが、どちらにしても元の基礎のはつりは必要です。底版の配筋はどのように処理したのでしょうか?基礎の下端がはつっていないので多分何もしてないのでは無いかと想像します。施工時の写真が無い以上一部を立会いのもと、はつり適切に配筋されているか確認した方がよいかもしれません。もしちゃんと配筋されていればはつりと復旧費用は持ち出しになりますが安心料と考えてはつった方が良さそうです。

アンカーボルトの芯づれも良くないですね。

2016.3 事務局追記:ケミカルアンカーは建築基準法で規定されている材料に該当しないため、新築時での使用は法的にNGとなります
相談者お礼状 
 相談者お礼状 荻原 幸雄 様へ Sと申します。お忙しい中、解説を送っていただきありがとうございます。
埼玉の構造家 我伊野 様へお忙しい中、丁寧な説明をいただきありがとうございます。
 その後  
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