相談概要 | [氏名] N.Kさん [住所] 兵庫県神戸市兵庫区 [職業] 会社員 [年齢] 39才 [構造] 木造(在来工法) [築年数] 築 3年以内 [階数] 3 [様態] 注文建築 [施工者] 大工(工務店) [設計者] 専業の建築士 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者] 専業の建築士 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書存在の有無] 解らない。 [検査済書は有りますか?] どういうものか知らない。 [設計図面枚数] 2枚 [着工までの打合せ回数] 5回 |
相談内容 | 1.相談(その1)工務店が欠陥箇所を修正しない。新築後3年以内ですが、入居後すぐに下記の様な欠陥が発生しました。 1).玄関ドアに鍵が二個所ついているが、一個所が取り付け位置のずれより施錠できない。 2).1F窓の一個所が窓の歪みによりどうしても施錠できない。 3).トイレのクロスに1m四方の赤い沁みが滲んできている。 4).押し入れの中の壁がすぐ外壁のせいか、冬期にかなりな範囲で結露してしまう。 5).1Fのバスと洗面所は隣接しており、バスから洗面所を経由して敷地外の本管へ排水しているのだが、バスタブの湯を排水すると、洗面所の排水口から逆流する事がある。 1).については、入居後1年以内に改修してもらいましたが、他の2).から5).については、入居後すぐにクレームを言っているにも拘わらず一向に対応してくれません。 2度ほど築後来て様子を見て、「何とかします。」とか、「業者に来させます。」等と言ってはおりましたが、昨年6月に来て以来、電話をしても、はっきりと回答しませんが、内容を要約すると O工務店の言い分として「窓は、サッシ屋(T)に任せたので、うちには責任は無い。そちらで直接サッシ屋(T)と話しをしてくれ」「水周りについては、その工事を頼んだ業者が亡くなった(実際に亡くなられている)ので、うちとしてはどうしようもできない」「上水道工事費24万のうち19万が未払いなのでその他についてもできない(事情は後述)」等というもので、私共としては全く納得できません。 現在、今年に入ってから内容証明を発送し、欠陥箇所を本年度8月末までに改修をする様に依頼しております。恐らく依頼に応じるとは思えません。その場合の措置として一番良い方法をアドバイス頂けますでしょうか?一応、欠陥箇所は、入居後すぐに日付け入りのVIDEO撮影はしてありますが、早々に建築士の診断を受ければ良かったと思います。 O工務店は親の紹介でありかつ、発注する半年前に震災で全壊した両親の家を建てて貰った工務店でもあり、全く信用しきっておりました。その為、うかつにも証拠となる書類は請け負い契約書、設計図等で、入居時にすでに目に見える欠陥があった事を明確に証明する証拠は無いと思われます。発注時の状況としてO工務店(親の紹介)に対して、私共から家屋の建築を注文しました。設計事務所はO工務店から直接設計を依頼した様ですが、私共は着工前に一度会うまでは初対面でした。以降も直接会っておりません。従って、設計やその他の打ち合わせは、全てO工務店と行いました。 2.相談(その2)工務店が未払金を理由に欠陥箇所を修理しない。工事請け負い契約書を結ぶ際に工期として、平成8年6月1日から平成8年8月30日と契約を交わしたのですが、実際の完了したのは、平成9年2月末でした。前払い金として、平成8年7月に工事費の3分の1を支払っております。又平成8年12月時点で、O工務店からの依頼で追加資金として工事費の1/3を支払いました。工期遅延の理由として「人手が足りない。」の一点張りで、督促しても進捗は同じでした。 平成9年1月になった時点で、いきなりO工務店から「(下水道本管接続工事費150万)(上水道工事費24万)を神戸市に支払わないと工事が進まない。」といわれました。それらの工事費について聞いていなかったのですが、知人に相談しても通常見積もり範囲外という事なので、150万については神戸市に支払いました。が、24万については私共は支払っておりません。O工務店が支払いました。その事情として、工期が半年近く遅延している為、その間の私共の追加経費(マンション賃料、ガレージ賃料、追加融資等の手続き料等合計が100万近い)をO工務店に提示し逆に、その24万との差額を払ってくれる様に私共から依頼しました。 その事で、O工務店は「それでは結構です。相殺にしましょう。でも気持ちだけは払ってほしい。」という事でした。後は、私共の善意で、且つ今後のメンテナンスへの期待も込めて相殺とし、プラス5万円を支払ました。ただし、その相殺とした事の同意書などはありません。また、24万の請求書もありません。5万の領収書があるのみです。この場合は、相殺を工務店側が破棄している様なものなので、お互い請求すべきものは請求しようと思いますが、弁護士に相談する以外に方法はないのでしょうか?又、工期遅延に関して世間一般に、施工業者はある程度賠償するものなのでしょうか?以上よろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 弁護士さんに処理をお願いしした方がよいでしょう。 ・その1で、入居時に発見された欠陥などで、工務店が見に来た日などを思い出して記録して置いてください。 ・工務店と契約されたわけですから、サッシ屋の責任でもなく、水道工事業者が亡くなったとか関係ないことです。工務店が責任を持って施工すべきことです。ある程度の言い訳は聞いてあげてもいいと思いますが。 ・手法として一つは、第3者の建築士に診断をしてもらい、修繕設計、工事監理を行い、工務店に修繕工事をさせる。(他に欠陥が発見されることもあります) ・もう一つは、同様に診断をした後、補修費用の積算を行い、工務店に請求する。補修工事はこちらで行う。 ・その2ですが、未払い等についての同意書は作成しておかねばなりません。弁護士に間に入ってもらい作成して解決を図ってください。 ・工事遅延に対する賠償金ですが、様々な場合があると思います。契約書に書いておき、支払われた例はあります。またつなぎ融資の金利負担なども支払われます。 |
長谷川 明弘 | 質問の内容を見ている限りでは全然誠意のない工務店だと思います。と言うか問題外ですね。あくまで工務店と請負い契約を交わしているのですから、サッシュが悪いのは取り付けたサッシュ屋が悪いと言うのでは話になりません。あくまで工務店の責任でサッシュ屋さんに修理させるべきです。業者さんが亡くなったのなら、工務店が工務店の責任で別の業者を探して来て修理すべきです。明らかに欠陥住宅であれば言い訳など認められないはずです。 今回の工事の場合、建て主に対しての窓口はそれぞれの業者や設計事務所ではなく工務店であるはずです。設計事務所は確認申請の書類の作成、提出のみを仕事にしている代願事務所だと思いますので、確認申請が済めば役目は終わりだと思います。質問の内容から考えてみても、工務店はこちらが何度言ってもこちらが思っているほどの対応はしてくれるように思えません。未払金やその他のお金の話にしても、私達だけの判断ではどうすることも出来ないのではないでしょうか。 あと木造3階建てでもありますので構造的なことも心配です(筋交や金物等)。早急に第3者的立場の建築士に調査を依頼して建物状態を明確に把握し、弁護士に相談することをお勧めします。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 築3年経ち工事遅延の話しは少しタイムラグを感じますが、その時点で文章をもって処理しておいた方が良かったですね。 信用した上での契約書の不備も親の紹介での信用も、問題が発生すれば何の効力も発揮しません。民主的なシステムに社会が早く目覚める事を期待します。 業者も民主的なルールの知らない方なのでしょう。「サッシ屋へ」や「亡くなったから」はその現れでしょうか?弁護士に依頼して民主的な事後処理をしてください。民主的ルールが欠落している以上直接業者とのやり取りは難しいかもしれませんので。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お忙しい中、私の稚拙な質問にもかかわらず、質問に良心的に回答頂き有り難うございます。大変参考になりました。早々に行動するつもりでおります。 私もコンピューターシステムの専門家として、職人という経験則の世界では無く、技術者として知的好奇心による因果関係の究明と応用の世界で生きております。しかし、その個人的動機とは別に、会社の職務上のユーザーとの契約に対する義務は、社会で生活する上で時によっては、人間の生命に次いで重きをなすもので、身の引き締まる思い、血の気の引く思いを何度も経験いたしました。 今回は、家を建てる前の、O工務店のABOUTな進め方に、ふと息抜きの様な安堵感を覚えたのも事実です。今回は実に良い勉強になったと思います。これで、人間不信に陥ったりすれば大変ですが、専門家としての冷静さは常に必要と感じます。有り難うございました。 |
その後 |
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