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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0188 基礎の配筋について

 相談概要 [氏名] N.Mさん
[住所] 兵庫県篠山市
[年齢] 28才
[構造] 木造(2X4工法)
[築年数] 工事中
[階数] 2階建
[様態] 注文建築
[施工者] ハウスメーカー
[設計者] 専業の建築設計事務所
[監理者] 専業の建築設計事務所
[確認申請書存在の有無] 解らない。
[設計図面枚数] 1 枚
[着工までの打合せ回数] 3 回
 相談内容 はじめまして。お忙しい中、誠に申し訳ありませんが、基礎に関する以下の点についてお教え願います。

(1)ベース基礎のひび割れ
コンクリートを流し込んだ次の日に撮影した写真を送ります。(写真1,2)この程度のひび割れは大丈夫でしょうか?コンクリートを流し込んだ次の日に直ぐにひび割れができていたので心配です。

(2)アンカーボルトが曲がっている
アンカーボルトが曲がっていました。(写真3,4)建物と基礎をつなぐアンカーボルトがあのような状態で大丈夫なのでしょうか?もし手直しするとして強引に曲げてしまって大丈夫でしょうか?金属疲労やコンクリートへの影響が気になります。又アンカーボルトが基礎の中心から、ややずれた位置にあるのも気になります。

(3)基礎の鉄骨に錆
基礎鉄骨の一部にさびが出ていました。そのままコンクリートを流し込まれましたが問題ありませんか?(写真5)

(4)コンクリートの強度
最近コンクリートに関する問題が社会を騒がせていますが、家の基礎のコンクリートがそのような事態にならないか気にかかります。強度を確認するとしてどのような方法があるのでしょうか?次の日曜日、8月1日が基礎の確認日になっています。その時に確認しておくことなどあればお教え願います。

@写真を送付いたします。写真A及びBは7月13日に撮影したものです。砕石の上に直接基礎の鉄筋が置かれていました。写真Cは次の日7月14日に撮影したものです。既にベース基礎となるコンクリートが流し込まれていました。このような施工は問題ないですか?聞きかじった知識ですが、砂利の上に鉄筋を組む時には鉄筋と砂利が接しない様に、コンクリートの小さいブロックの上に鉄筋は乗せて砂利から離しておく必要があると、そうしないと錆の元になると聞きました。直接その施工を見ていないのでなんとも言えませんが、ブロックを置くなら鉄筋を敷く前に行うと思いますし、捨てコンクリを流したとも思えません。次回の打ち合わせ時に聞いてみようと思うのですが、まず直接基礎をみて目視確認できるのでしょうか?できなかった場合は施工者の主張を聞きいれるしかないと思うのですが・・・。

A先日お送りした写真を見て感じたことはありませんか?私自身よく分からないのですが、知人から「立ち上がりの鉄筋(主筋)は横筋の内側になければいけない。しかも離れすぎていてこれでは意味がない。」と言われました。付け加えて「鉄筋はコーナーでは原則継手するものではない。梁の主筋が一本??変わってる配筋だ」と・・・。まぁ問題はないだろうといわれましたが、そこまで言われるとちょっと気になります。本当に問題はないのでしょうか?問題無いとしてもこの先の施工が気になります。次回業者との打ち合わせ時に問いただしてみようと思いますが、なにしろ素人なので言いくるめられそうで・・・。なにかアドバイスがあればお教え願います。以上お忙しい中恐縮ですが、御教授願います。



 yorozuの感想
アドバイザー 
大内 彰 ●1 配筋について

○主筋のD13が1本という配筋は長期応力や地震や台風などの時の応力が小さい場合には一般的なものです。また、主筋の継手に関しては重ねている部分の長さが520mm以上あれば問題ないです。

○主筋の下側にある鉄筋(腹筋 D10)の継手がないのはNGです。

○また縦の鉄筋(肋筋 D10)の末端部がフック(180°に折り曲げたもの)になっていないのですが、肋筋と主筋が工場で溶接してあるものであればOKです。布基礎(ベース部分)の鉄筋の被り厚について。鉄筋が錆びないようにスペーサーブロックを使いますが、これは大体最終段階で鉄筋を結束線(細い針金)で拘束してから砂利と鉄筋の間に入れます。コンクリートを打設する前にスペーサーを入れたかどうかの確証を得るのは難しいですが後述するように推測はできます。

○写真に写っている部分でベース筋が一本足りません。

○鉄筋の錆については、この程度ならばOKです。錆びが浮いてきてぼろぼろになっていると、ワイヤーブラシなどで浮き錆を除去しなければなりません。適度な錆は逆に鉄筋とコンクリートの一体性が高まります。

●2 アンカーボルトについて

○アンカーボルトの位置の多少のズレは問題ありません。問題なのは位置のズレを修正するときに、鉄筋をクランク状に曲げてしまうことです。

●3 コンクリートについて

○コンクリートの強度自体は問題ないと思いますが、現在世間で取り上げられているのはコールドジョイントという現象で、これの問題点はその部分でコンクリートが一体化されてないことです。応力の伝達や雨水の進入、耐久性に関して問題になります。表面でコールドジョイントが発生している場合は、その部分は砂利や砂の粒が見えますし、そこを境にしてコンクリートの色なども違いますからすぐに分かるでしょう。

○コンクリートのひび割れは沈降クラックと推測されます(以前にも同様の相談がありますから参考にしてください)。コンクリートが固まる過程で幾分沈み込みますが、この時鉄筋の真上では鉄筋が邪魔になってそのまま沈み込めずに鉄筋の上で左右に割れながら沈むのです。この部分は鉄筋とコンクリートが一体化していませんから力を発揮できません。ですから、このような部分については鉄筋の下3cm位までコンクリートをはつり、鉄筋に付いた不良コンクリートを取り除き、よく清掃したのち無収縮モルタル(膨張材入りのモルタル)で補修させてください。(いわゆるVカット補修だけでは鉄筋の下側の付着がないのでよくありません)沈降クラックが発生していることから、鉄筋は砂利の上にのっているのではなく、浮いているだろうと推測できます。

●4 

監理者がいるようですが、実際に監理契約しているのでしょうか?その監理者は配筋検査など実施しているのでしょうか?していれば、指摘事項など書類にしているはずなのでその内容を確認できるはずです(配筋状況から判断すると多分検査していないでしょうね)。

以上のことから、基礎工事に関しては60点ぐらいの出来になっているでしょうか。決定的な欠陥は見当たりませんが、補修は必要です。今後の工事に関してもよく分からないことが起きるでしょうから、施工会社の人間ではない第3者の監理者による監理と報告を定期的に受けることをお奨めします。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 コンクリートは打ち終わっていますが、この配筋が配筋作業として最後であると問題がありますが、途中だとすれば何ともいえません。もう少し早く配筋の写真を送って頂けたらよかったと思います。写真撮影の時はタバコかメジャーを置いて撮って戴くと寸法が分かりますのでもう少しアドバイス出来たのですが。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お忙しい中、詳しい回答有り難うございました。現状私は仕事の都合上、工事には立ち会えていません。せめて日々の進捗だけでも確認しようと朝会社に出る前に立ちより写真を撮っているだけで、日中の施工内容は把握できていません。

基礎の配筋についても、砕石の上に設置するスペーサーについても、おっしゃられる通り後からキチンと施工されていたのかも知れません。ある一部の状況だけを見て判断し大騒ぎしていました。大変申し訳なく思っています。

次回の打ち合わせでは、施工内容を詳しく説明してもらい、また今回お教え頂いた事について確認を行ってみます。今は重大な欠点が無いと聞かされただけでも「ほっ」と胸を撫で下ろしています。本当に有り難うございました。
 その後  
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