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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0181 在来工法で通気層なしの外断熱は

 相談概要 [氏名] Y.Mさん
[住所] 福岡県筑紫野市
[年齢] 38才
[構造] 木造(在来工法)
[築年数] 予定
[階数] 2階建
[様態] 注文建築
[施工者] −
[設計者] −
[監理者] −
[確認申請書存在の有無] −
[設計図面枚数] − 枚
[着工までの打合せ回数] −回
 相談内容 貴ホームページを発見して嬉しく思います。早速相談ですが、よろしくお願いいたします。

私は、家を新築の予定で現在土地をさがしている状況です。また、色々と工法の勉強をしているところでもあります。いまのところ、高断熱・高気密住宅に魅力を感じております。で、素人なりに考えた結果、N社が提唱するP工法が最も気に入りました。この工法は、在来工法で通気層なしの外断熱です。基礎も断熱し、内側から 内壁材→柱→合板→アスファルトフェルト→100mmウレタンフォームボード→ラス網(特殊ジョイントで合板と固定)→モルタル→透湿性窯業系外壁材の壁構造となっております。

私は、化学が専門分野で熱伝導と露点、断熱剤の通気性と言う観点からみればこの工法が最も結露が起きにくいはずですし、施工バラツキも小さくなりそうな気がします。昨今、高断熱・高気密工法は異常なほど乱立しているし、まだどれも実験段階の域を出ていないような印象もあり、本当にどれが良いのか判断に苦しみます。もし、P工法をご存じの方がおられましたら、ぜひご意見を賜りたく筆をとりました。

最後に、貴ホームページのご発展をお祈りしております。
 yorozuの感想
アドバイザー 
荻原 幸雄 外断熱工法は理論値からいったら理想的な工法かもしれません。又、施工方法も内断熱工法と比べると容易で施工のばらつきをおさえ、品質を高める可能性を秘めています。御存知のように今現在多様な方法が模索されはじめ、メーカーもその個性に鎬を削っていますが、これはオープン工法であり決して特殊なもので無い事を付け加えておきます。

今回の工法の点で特に気をつけたい点は下記の項目です。

1.合板の収縮によるボードへの影響。気乾状態の悪い合板だと施工後の乾燥収縮による挙動がボードに与える影響が考えられる。

2.100mmボードの固定度の影響。ボードそのものの押さえが甘いとボードそのものの挙動が心配である。特に小地震や強風の繰返しによる点を十分留意する事が大切だと思われる。

3.100mmボードを越えてラス網を押さえる金物の挙動。1.2.からの挙動により押さえ金物の変位が考えられる。

4.1から3により、その挙動の変位による逃げ道としてモルタルに亀裂が現れる可能性があり、ややもすると仕上げにも影響を与える可能性もある。

5.ボードを基礎まで下げる場合はボードの下端処理に注意する。これはシロアリがこのボードも食い荒らす事が報告されている為である。

6.庇やバルコニー等の所謂貫通部は断熱欠損になり易く、十分施工に留意する。

以上ですが、全体的に否定的に書かれていますが、決してそのような事は無く、あくまで注意する点を書きました。外断熱工法を選択する場合は特に理論より施工が大切です。それより十分気持ちを入れて仕事をしてくれる業者にお願いしたいものです。それにもまして大切な事は、施主の替わりに現場をみてもらえる信頼できる監理者を選んでその気持ちを伝え、上記の点に注意し現場監理をしてもらってください。

楽しい家づくりを目指してください。
 コメンテーター 
 事務局から 
  ー
相談者お礼状 
 相談者お礼状 こんにちは、「建築よろず相談室」でお世話になったYです。出張で、ご返事が遅くなりました。丁重なご返答ありがとうございました。

いざ家を建てようと勉強を始めたばかりのど素人ですが、住宅は、生活に必須な大切なもので、一般庶民にとって清水の舞台ものの価格であるにもかかわらず、工法はオーサライズされてないみたいなうえ、業界のほうも混沌としているようで、唖然となりました。さらに、自己責任のウエイトが夥しく高いことも痛感しました。

このような中、貴ホームページはとても参考になり感謝しております。今回ご教授いただいたことは、新しい家に生かしたいと思います。

また、ご相談する機会もあるかもですが、よろしくお願いいたします。では、乱文にて失礼します。
 その後  
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