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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0173 サイディングかパワーボードか

 相談概要 [氏名] N.Hさん
[住所] 埼玉県加須市
[年齢] 35才
[構造] 木造(在来工法)
[築年数] 2 年
[階数] 3階建
[様態] 条件付き建売り住宅
[施工者] 不動産業者
[設計者] 知らない
[監理者] 知らない
[確認申請書存在の有無] 有る
[設計図面枚数] 2 枚
[着工までの打合せ回数] - 回
 相談内容 外壁にサイディング(クボタ、ニチハ)か旭化成のパワーボードが選べるようになっていますが、それぞれのメリット、デメリットが良くわかりません。ソーラーサーキット(カネカ)仕様で建てるのですが、工事部の社員は、先ずサイディングを説明しました。カタログを見るとパワーボードの方が高級感があるように思えたので、そちらの説明も受けました。邪推かも知れませんが、なんとなくサイディングの方が、工法や単価の点で会社にメリットがある(儲かる、楽に建てられる)のでそちらを薦めているのかな?と思ってしまったのですが、どんなものでしょうか?ちなみに、基本仕様書を渡されて(まあまあ細かい)坪単価を60万円と決めて契約済みです。

地元の実績もある不動産屋なので、細かい見積もりは出していませんが、その分かえって仕様に融通が利くような(「多少の事なら相談してください。可能ならば何とかする」と営業マンが言った。)、逆に細かい仕様をこれから決めるので、その場その場で安くあげられる心配もあります。またソーラーサーキット仕様のため、ボードは使えない場合もある(家の外側に換気用のスペースを必要とするためその外側にパワーボードを使うと厚さのためサッシよりもはみ出す恐れがあり)と言われました。

自分としては、パワーボードを第一に、無理ならサイディングにして欲しい、と依頼しましたが、賢明でしょうか。施工の途中で、大工さんの判断で無理ならそう伝えて貰うと説明を受け、両方のカタログから希望の商品をピックアップして伝えましたが、これでは「やはりサイディングでしか建てられなかった。」と言われたら諦めるしかないのか?と不安です。

上記、とりとめのない質問ですが宜しくお願い致します。なお、話によるとこの会社がパワーボード仕様を選べるようにしたのは、最近の事だそうで、まだまだ施工数は少ないそうです。
 yorozuの感想
アドバイザー 
笠原 歩 設計の立場から考えますと、仕様を決定した後に施工費用が算出される。というのが基本です。ご質問のケースでは、すでに契約を済まされておられるようなので、サイディングとパワーボードの差について書きます。

設計価格(カタログ上の価格)はパワーボードの方が高価です。また製品の性質上パワーボードには仕上げ(塗装等)が必要ですがサイディングは不要の物(仕上げ済みの製品)が有ります。厚みも違うのでサッシの水切等も替わってきます。ですから、サイディングを薦められたのではないでしょうか。ただ気になるのは、文中に「工事部の社員」「営業マン」「大工さん」と多くの関係者が「外壁の仕様」についてコメントをしていますが、責任者は誰なのか、確認しておくことを忘れずに。
 癸生川 佳司 価格の点を除いて解説いたします。引っかけ金物仕様のサイデイングをお勧めします。ソーラーサーキットシステム、つまり高断熱高気密+二重通気層+ソーラーというところがポイントです。外壁と断熱材−ウレタン系の間に通気層があります。外気が出入りするので外気温影響は両者同じです。夏の直射日光遮断ではパワーボードが良、また木の下地材になじみ仕上がりがよいという点でも良です。ただ、3階建てなので揺れが大きいと思われます。

パワーボードは一般的には釘止め工法であり揺れの追随には不適です(重いこともある)。釘部分、ボード継ぎ目からの漏水で長年使用に支障が出ます。サイデイング釘止め工法も不適です。引っかけ金物仕様のサイデイングが最適です。この仕様はメーカーによっては釘止め工法より高くなります。ニチハはタイル目地の美しさに定評があり私もよく指定しますが金物仕様は高くなります。

同程度の美しさで同じ値段のメーカーもあり、営業マンによく相談して下さい。なお、通気層工法でパワーボードを使うとサッシ枠の中に収まらないと言うのは本当です。収める方法もありますがこのシステムの場合、一般的ではありません。加えるに夏の直射日光の影響ですが、断熱材にウレタン系を使用しているので、サイデイング裏側からの輻射熱影響は大幅に減るものと思います。値段より「木造3階建て、揺れがある」に主眼をおいてください。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 少し揚げ足を獲るようで御免なさい。 「家の外側に換気用のスペースを必要とするためその外側にパワーボードを使うと厚さのためサッシよりもはみ出す恐れがあり」との事ですが全くナンセンスな発言です。設計図で納まるかどうかの検討もしてないでパワーボードの仕様があること自体、設計と言う概念を疎かにしている様に感じます。正しくは「その場その場で安くあげられる心配もあります。」の通りと考えられます。結局決まってそうで何も決まってないのと同じでは無いのか?とわたしは思ってしまうのですが。

順番が全て逆ですよ。仕様を決めて金額が確定。仕様を決めて納まりが決定。これが正しいあり方です。

サイディングの単価は¥2000-位からパワーボード類は¥3000-位(ヘイホウメートルあたり)、サイディングはピンからキリまであります。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 ユーザー志向の本当に便利なページだと感謝しております。なかなか第三者的な立場からの意見が聞きにくく、素人には調べにくい住宅の分野で、プロの方々の貴重な意見とアドバイスが頂け、感謝しております。今後も利用させて頂きます。
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