本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0169 欠陥住宅をつかまされない為に

 相談概要 [氏名] S.Sさん
[住所] 愛知県刈谷市
[年齢] 33才
[構造] 木造(在来工法)
[築年数] 0 年
[階数] 2 階建
[様態] 条件付き建売り住宅(売り建て住宅)
[施工者] 大工(工務店)
[設計者] 知らない
[監理者] 知らない
[確認申請書存在の有無] 無い。
[設計図面枚数] -枚
[着工までの打合せ回数] - 回
 相談内容 この度、建築条件付きの土地を購入し、家と建てることにしようと思っているのですが(正式契約はまだしていません)、その工務店が6年前に建てた5軒の分譲住宅のうち4軒が多大な欠陥に悩まされていることを知りました。工務店の社長は逃げの一手で何の修理もしてくれないらしく、裁判沙汰にまでなりそうな様子です。

私としては土地の場所と、建築メーカー(T社)が気に入っており、出来ればこのまま家を建てたいとは思っているのですが、とても不安な気持ちはぬぐい去れません。欠陥がでている住宅とは建築方法が異なるTなら大丈夫だろうという気もあるのですが・・・。

素人であるため図面の見方も何も解らず、みすみす欠陥住宅をつかまされるのもイヤなので、もしこのままこの工務店に建築を依頼するのであれば、専門家に図面から住居の完成まで欠陥がないように見届けて欲しいと思っています。

その際、誰にどうやって依頼するのか、金額はいくらくらいかかるのか、専門家に見届けて貰えば欠陥住宅をつかまされることはないのか、教えていただきたいと思います。

また、その工務店では「自由な間取り」を売りにしているのですが、自分で設計した間取りが本当に実用的なモノなのか、柱や壁の数は少なくないのかよくわからないのが現状なので、そういった相談ができる機関も教えていただけると嬉しく思います。

----------------------

2度目のお便りをいたします。以前、工務店に不安があるものの土地の立地条件が良いため、契約しようかどうしようか悩んでいるという相談をさせていただいた者です。その後、まだ正式に第三者の監理者とは契約はしてないのですが、第三者の方を立てた上で工事請負契約をするつもりでおりました。ところが、購入予定の土地が綺麗に整地されて1ヶ月、土地の一部が陥没してきているのです。

工務店は、心配なら何本でもくいを打つけど(もちろん費用はこちら持ち)べた基礎だから大丈夫だ、というのですが信用できるのでしょうか?土地は書類上は「田」になっているのですが、ここ何年も荒地だったらしいです。よろしくご指導お願いします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
堀住 勝雄 結論から申し上げますと、この工務店はやめたほうが無難と思います。「まあ大丈夫だろう」程度ならやめましょう、大きな買い物です。この土地の建築条件を外して他の工務店で工事を行うのであれば、そのために条件解除の費用がかかります。 

T社の工法(S.W)は、地方の工務店に壁パネル等の材料を供給するとともに技術指導を行うもので、工事は各地方の多くの工務店が行っています。工法そのものは評価できますが、家の出来映えは実際に工事を行う業者の信頼性に負うところが大きいと思います。物理的な性能だけなら匹敵する建物を造ることができる業者はいくらでもあります。 

さて「設計から完成まで見届けてくれる(貴方の立場の)専門家」ですが、施工業者と利害関係の無い(貴方の委嘱を受けた)建築設計事務所がそれにあたります。私たちの言う設計とは間取り図を作ることではありません。何度も打ち合わせ話し合いの上、貴方の生活を考慮したプラン、工法や材料、構造強度の計算、設備、耐久性、工事費、維持費など様々な事項を考えてたくさんの図面をつくります。現場に足を運んで工事の状況をチェックすることを監理と言います。設計事務所の業務についてはこのHPでも言及していますのでお読み下さい。 

設計監理の料金は工事費のおよそ10%になります。 相談のできる機関ですが、お近くの建築士会か建築事務所協会に問い合わせてみて下さい。

おそらくこの業者は第三者の設計事務所の設計や監理を受け入れないでしょう。もし受け入れても法外な見積金額になるのではと危惧いたします。
過去の実績で評判の良くない業者が急に善良な業者に変貌するとは思えません。お聞きしたような言動の工務店に施工させなければならない条件では、例え第3者の監理者が付いても欠陥の無い満足できる住宅は望めない気がします。しかし貴方の自己責任において決められたことです、幸運を祈ります。

地盤のご質問ですが、地盤調査をしないと何とも申し上げられません、電話帳で地質調査会社を探して依頼されることをお勧めします。その上で強度と経済性を勘案して基礎の設計がなされるべきで、「べた基礎にしとけば大丈夫」「何なら杭を打っておこうか」というものではありません。
 関口 啓介 工事請負契約がお済でしたら、堀住さんのご指摘のように、幸運をお祈りするしかありません。べた基礎だから大丈夫などと言う事はありあません。また杭を何本打った所で、有効な支持地盤に達していなければヌカに釘です。まずは、地盤調査をし、信頼のおける設計士に、データを検討してもらい、対策を立てる事が必要です。地盤調査会社は、施工業者と結託して提案をする場合があるので、必ず信頼のおける設計士にご相談下さい。

ただし、堀住さんご指摘の通り、施工会社の程度によっては、監理不能の場合がございます。その点を充分ご承知の上で、我が家がどうあるべきか、どうするべきか、ご決断下さい。また、工事請負契約がお済でない場合は、工事請負契約をするべきではないでしょう。建築条件が成立しなかったときは、預り金、申込み証拠金その他名目の如何を問わず、受領した金銭はすべて速やかに返還することになっておりますので、返還してもらうのがよいでしょう。ご家族で充分御話し合い頂き、より良い方向に進まれる事を望んでおります。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 欠陥がご心配な様ですが、これは工法や工務店、ハウスメーカーの何処が良いとか言う話しではなく、依頼者側の立場に立つ第三者の建築士の設計監理者がいない事が大きな要因です。欠陥を防ぐにはこの第三者の建築設計事務所の方に依頼するのがベストです。

欠陥の心配をせざるを得ない現実の住宅業界のレベルの低さに驚くのですが、家づくりとは欠陥とは程遠く、もっと楽しく自分達が今後どう暮らすか、どう生きるか、どう楽しむか、そして何より自分や自分の家族のあり方、楽しみ方を再度見つめ直し考えるいいチャンスなのです。それを家という形にする訳です。それが出来るのです。決してこれは大金持ちの話しでは無く、家を持てる方、全てにそのチャンスがある訳です。

土地の売買契約は終わっていると言う事ですね。第三者の監理者を受け入れる旨、契約書の特約に記載してもらったのですね。それならば、問題はありません。その監理者を早く決め、地盤調査した上で構造計算をしてもらい、地盤に対する方法をご検討ください。しかし、万が一そのようにしなかったのなら、あなたの家族はあなたの責任でその業者に運命を預けた事を意味します。そうであれば残念です。われわれの前回の解説では実感がなかったのですね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 早速のお返事、ありがとうございました。家の方は、まだ契約していないこともありキャンセルの方向に持っていきたいと思います。しかしながら、家を持ちたいという思いは有りますので、今後、建築条件のない様な土地を探して信頼できる工務店に施工を依頼したいと考えております。アドバイス、どうもありがとうございました。
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107