相談概要 | [氏名] O.Sさん [住所] 北海道札幌市北区 [年齢] 36才 [構造] わからない [築年数] 0.5年 [階数] 2階 [様態] 条件付き建売り住宅(売り建て住宅) [施工者] ハウスメーカー [設計者] 専業の建築設計事務所 [監理者] 会った事が無い [確認申請書存在の有無] 有る。 [設計図面枚数] 3枚 [着工までの打合せ回数] 6回 |
相談内容 | 平成10年10月初めに着工、12月初めに完成した2×4住宅に、平成11年1月入居しました。 12月、入居前に見つけて指摘したのですが、浴室の入口ドア外周の枠が時計方向に1p傾いていて、修理するよう頼みました。入居後見てみると、まだ5o程度時計方向に傾いており、まもなくその枠の下のコーキングに小幅な亀裂が発生。コーキングはすぐ「ハウスメーカーの営業マン」が修理していきました。 2月、「ユニットバス担当業者」数名が枠の修理に来ました。修理の途中、考え込んでいる様子だったので聞いてみると、「ユニットバスが傾いて設置されており、そこに窓を取り付けたため、浴室の入口ドアの傾きを直すには、かなり大がかりな工事になる」という話になりました。私としては、「現状が家の寿命・耐久性に影響がないのであれば、無理に工事をして逆に耐久性を落とすよりはいいだろう」という結論に達して、現状を容認する事にして、そのおわびとしてメーカー側はキッチンに「つり戸棚」を増設してくれました。 その後、4月頃に、枠の下の、前とは別の場所にコーキングの亀裂が発生。それはまもなく「ユニットバス担当業者」が来て修理していき、そこは今のところは問題ありません。でも、最近になって「きしむ音」が出るようになったのがとても気になります。一番大きいのは、浴室に一歩足を踏み入れたときに、「パン」という、プラスチック音がします(プラスチックから何か粘着物が剥がれるような・はずれるような音)。ただそれは、継続して軋み続けるのではなく、1〜2回パンパン言うと鳴らなくなり、また翌日などに入ると鳴るといった状態です。 そのほか、浴室ドアを開けるときにも、配管の通ってる壁あたりから、「きしきし」と軋む音がします。それも、普通の状態では1〜2回でやむのですが、例えば壁を両手ではさんで押し引きすると、しばらく小さなきしみが続きます。この状態が非常に不安なので営業マンに修理を依頼したのですが、「許容範囲」だと言われ、修理するつもりはないみたいです。 以上の話から、本当にこの状態を「許容範囲」としていいのか、知識がないので判断できません。このまま放置してもいいのでしょうか。ご指導下さい。お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
癸生川 佳司 | ユニットバス設置ミスに原因するトラブルと判断します。 問題点を次の3点に整理し、解説アドバイスいたします。 1.示談と受け取られる状況がある。 2.将来、自分で修理する場合への対策。 3.現況への対策。 まず、1ですが 吊戸棚取付により、示談に応じたと解釈される恐れが十分にあります。後から起こった現象も、同じ設置ミスが原因です。設置ミスがあったことを営業マンが吊戸棚取付の前に説明し、施主が了承していると受け取れます。今からでも示談行為を解消したい旨、施工者側に通告することをおすすめします。強い意志が必要です。吊戸棚の費用は場合によっては施主負担となります。口頭で無理なら内容証明等の文書が効果があります。まずは弁護士に依頼しない方法で試してください。吊戸棚取付の前の営業マンとのやり取りがどのようだったかがポイントです。 次に2ですが とりあえずの応急措置が十分であっても将来設置ミスに原因する同様な問題が起こる可能性は十分にあります。何年も経つと経年によるものか設置ミスによるものか難しい判断になります。施主負担の場合でもで簡単に修理できるよう現時点で対策をとっておくことをおすすめします(下記)。ユニットバス四方の壁の下は布基礎がバスを取り囲むように立ち上がっていると思われます。どこか開いていれば簡単に潜り込め、吊戸棚取付後の現象も簡単に直せるからです。北海道等の寒冷地区は外断熱工法でない限り、ユニットバス四方はそのような基礎になっていると思われます。そこで将来の為に、この四方を囲む布基礎の一部に修理用45cm角程度の開口を作った方が良いと判断します。開口は発砲スチロール等の断熱パネルで塞いでおきます。この対策工事費の負担はどちらになるか微妙ですが、折半が妥当と思われます。なお、簡単な工事ではありません。床下に潜って行います。 最後に3です。 現在起こっている現象の原因と対策より、上記の方がより重要と考えられるので最後としました。シ−リングの亀裂と配管部のきしきしはバス床の傾きが原因です。正常に設置しても2x4の枠との隙間は20数mm程度しかありません。壁体の縦配管は若干、枠よりはみ出ます。この縦配管側にユニットバスの壁が傾いていて、こすれてきしきし音がするものと思われます。バス床下に潜れるなら、窓に影響ない範囲の床高さ微調整でなおるものと思われます。亀裂は再シーリングしかありません。 バス入室の際のぱんという音ですが、これはバス床の傾きが原因ではないと思われます。これは床を支える調整ねじ付金具が何らかの理由で下がったか、その下のコンクリート床が地盤沈下等で下がった為に、金具とコンクリート床に隙間ができた為と想像します。人の重みでバス床全体が凸凹とゆがむときの音ではないでしょうか?これもバス床下に潜れれば簡単な微調整でなおります。その為、上記2のような開口設置をお勧めしました。 費用折半妥当の理由は経年による地盤沈下もあるためです。なお、出入り口のゆがみですが、まずユニットバスの出入り口がドアならば折り畳みドアに交換します。この方がゆがみを吸収でき、隙間は数mm以下になるものと思われます。ドア交換だけですから簡単です。ユニットバス設置は床の傾きのほか専門技術が要求され、通常製造メーカーが承認した技能者でないと設置できないシステムになっています。それでもトラブルが怖いので、工事費が高くても、製造メーカーに責任施工をさせる請負者が多いのです。この点もよく調べた方が良いと思われます。 ですから安易に示談と受け取られるような行為を諫めるために、最初に1の事項を申し上げました次第です。少々きつい言い方でしたが、信頼おける誠意ある営業マンなら、よくお願いすればわかってくれると期待します。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 最初に瑕疵を発見した時、太っ腹なところで吊り棚と取替えたのでしょうが、やはり現象を許すにしても原因は追求して欲しかったところです。 放置するよりもその原因を追求してみてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 私の相談に詳しくアドバイスして頂き、本当にありがとうございました。 お礼が遅くなって申し訳ありません。 ご回答は本当に参考になりました。 願わくは、そういった説明をうちの担当営業マンから聞きたかったと思います。 ありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。 |
その後 |
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