相談概要 | [氏名] U.Sさん [住所] 神奈川県座間市 [年齢] 30才 [構造] 木造(在来工法) [築年数] 工事中 [階数] 2階 [様態] 注文建築 [施工者] 建設会社 [設計者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士) [監理者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士) [確認申請書存在の有無] 有る。 [設計図面枚数] 3枚 [着工までの打合せ回数] 4回 |
相談内容 | 注文住宅で木造2階建て住宅を建てることになりました。 6月14日現在、基礎工事が完了し22日に上棟式の予定です。建設会社で設計〜完成まで一括請け負いになっているので、欠陥住宅にならないために第三者の建築家の方の調査依頼を検討しているのですが、予算の都合で、1度現場を見てもらうのがやっと、と考えています。 (質問1) 工程的にはどの時点で見てもらうのが妥当なのでしょうか? また、現在の段階でちょっと気になった点が幾つかあったのでよろしくお願いします。基礎はべた基礎で、床下換気はパッキン工法、金融公庫*の高耐久仕様の住宅です。(別途写真を送りますので参照ください) [これまでの工程] 4月に契約し 5月30日地鎮祭を行いました。 5月4日頃までに配筋、砕石、防湿シートの工事が完了。 5月5日 公庫の審査後 ベース部分のコンクリを流しました。 5月8日 立ち上げ部分のコンクリートを流しました。 5月10日 立ち上げ部分の型枠が外され、ならしモルタルが塗られていました。 6月22日 上棟式予定日 9月20日迄に引き渡し予定 (質問2) コンクリを流してから上棟の期間が短いように感じますが、 大丈夫でしょうか? (質問3) 鉄筋は30cm間隔になっていますが、玄関の両脇のみ溶接され その他の部分は全て針金で止まっているようでした。ベース部分のコンクリを流した後、鉄筋が幾つか傾いています。問題無いのでしょうか? (質問4) 基礎のベース部分と立ち上げ部分の結合個所のコンクリが、かなりはみ出しているように思えるのですが? (質問5) ならしモルタルの上部の部分が乾いて剥がれている個所が数箇所あり、アンカーボルトも少し傾いているように思います。気にしなくてもよい程度でしょうか?気にしすぎているのかもしれませんが、どの程度までなら大丈夫なのか?がわからないので不安です。また基礎に関する設計図をもらっていないのでアンカーボルトの数なども平均的なのか不安です。 解説を、よろしくお願いします。 *事務局注:住宅金融公庫は、2007.4.1に独立行政法人 住宅金融支援機構に移行しました。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
小松原 敬 | > (質問1)工程的にはどの時点で見てもらうのが妥当なのでしょうか? 基礎を作っている時と建て方時が一番いいのですが、基礎は終わっているようですし、1回見るだけなら上棟時がよいと思います。壁や断熱材をはりだすと、中が見えなくなってしまいます。 > (質問2)コンクリを流してから上棟の期間が短いように感じますが、大丈夫でしょうか? 建て方はあっという間に終わってしまいます。と、いうのも柱や梁の加工はプレカットと言って工場でおこなうか、大工さんが下小屋(自分の作業所)で行っているからです。実際の現場作業はそういった加工材を持ってきて組み合わせるだけなのですぐ屋根までかかってしまいます。 > (質問3)鉄筋は30cm間隔になっていますが、玄関の両脇のみ溶接され、その他の部分は全て針金で止まっているようでした。ベース部分のコンクリを流した後、鉄筋が幾つか傾いています。問題無いのでしょうか? そのように作業します。ただ、コンクリートを流し込む時に動かないようにしっかり留めなければいけないのですが、程度問題で少しなら良いでしょう。 (4)、(5)も同じで本来は良くない事ですが程度問題です。 アンカーボルトは1820mm以内ごとに植えます。出来れば、ホールダウン金物*(通し柱を基礎に固定する金物)も使ってほしい所ですが、写真を見る限り使ってないようです。少々不細工ですが耐震改修に使う外付けのものもあるので、地震対策上は欲しい所です。建て方時には、筋交い金物や羽子板ボルトなどの金物についてよく大工さんと話をして見て下さい (とぼけてどんなふうに使うか、どんなのが悪いのかいろいろ話を聞くと、話した手前しっかり施工したりといった事もあったりします。)。 *事務局注:2000年6月、ホールダウン金物その他、接合部における金物の使用が義務化されました。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | コンクリートは4週で所定の強度を発現しますが、10日程度であれば上棟時の骨組みや施工荷重(施工時の人や材料の重さ)程度では特に問題が無いと思います。写真で見る限り他も問題は無いと思います。 べた基礎と書いてありますが、正しくはこの写真のシングル配筋は土間コンクリートと呼びます。構造的なべた基礎はダブル配筋にします。この土間コンクリートを立上がりの基礎に絡ませて耐力を期待している設計だと思いますが、地盤耐力等により検討は必要でしょう(でも現実、ほとんどがシングルにしているようです。)。 ここで私だったらという事でお聞き下さい。 写真では捨てコンクリートはしてませんがなるべくならするべきです(基礎及び底版下端に)。又、縦筋の先端は90度に曲げて上部の鉄筋D13に引っかけると良かったでしょう。これらは木造ではあまりしてないようですが(公庫でも仕様には特に記載は無いが参考の図にはあります。この辺はあいまいになってますが設計者判断と考えているのでしょうか?これは参考図面なので守らなくても公庫検査は受かるという事です。)。 結局、検査が合格する最低の基準を守っているのです。 建築基準法も最低の基準です。ぐれぐれも両者が守られているからと言って健全な建物とは考えないでください。最低基準をクリアーしている事だとお考えください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 解説ありがとうございました。たいへん参考になりました、 ご指導のあったように、上棟時には金物についての確認をしてみます。 その際に、またご相談することが出てくるかもしれませんが、その時にはよろしくお願いします。 |
その後 |
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