相談概要 | [氏名] S.Tさん [住所] 愛知県 知多市 [年齢] 35才 [構造] - [築年数] -年 [階数] -階 [様態] 注文建築 [施工者] - [設計者] - [監理者] - [確認申請書存在の有無] - [設計図面枚数] -枚 [着工までの打合せ回数] -回 |
相談内容 | これから家を建てようとする者です。住宅展示場を回り、いくつかのハウスメーカーを回り、気になった点をお伺いしたいと思います。 @木造の工法で木質パネル接着工法というのがあり、在来工法、2×4より耐久性があることを売りにされていました。確かに面で構造体を支える分、耐震性はあるように感じたのですが、密閉されたパネルというのは(2×4も同じだと思いますが)、日本のような湿度の高い気候では、パネルの内部に結露が溜まり、パネルが腐り、強度が極端に落ちてしまうような危険はないのでしょうか?パネルの中は空気に触れないため、木が死んでしまい、新品の時の強度が本当に長期間(メーカーは100年持つと言っていますが)持つのか不安です。 Aベタ基礎に関してですが、「ベタ基礎というのは地盤の強度を補強するためで強度があれば必要がない、湿気を気にするのであれば防湿コンクリートで仕上げれば良い」というお話と、「耐震性と防湿、防蟻効果を高めるため地盤の強度に関係なく施したほうが良い」、というお話を伺い、どちらが正しいのか判断がつきません。 私は築24年の家の建替えを計画しているのですが、現在の土地は湿気と白蟻のため、後になって床下に強制通気をさせる機械をつけなければならなくなったため、床下の湿気、白蟻の対策は十分施したいと思っています。ベタ基礎が湿気、防蟻対策として不要だと言う人は、ベタ基礎は割れる心配や水漏れの際、水が溜まるので強度があれば土のままの方が良い、コンクリートは固まるのに何十年も時間がかかり水分を含んでいるため湿気対策としての効果は薄い、また白蟻に関しては飛んできた白蟻は防げない、と言われ、必要だと言われる人は、防湿コンクリートを結果としてやるのであれば、ベタ基礎で耐震性と防湿、防蟻効果を万全にされたほうが良い、と言われます。 実際のところ、どうなのでしょうか?アドバイスをお願いします。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
堀住 勝雄 | @2X4又はパネル工法の耐久性について 30年ほど前に2X4工法(正式には枠組壁工法)がアメリカやカナダの木材業者によって売り込みが開始された頃、不完全な施工により木材の腐食その他のトラブルがたくさんあったようです。しかし現在、適切に設計施工された場合には問題は無いと私は思います。否定派は「湿気が多いため日本には向かない」などと言いますが、カナダあたりでは日本よりはるかに多湿な気候でも十分に耐久性を保っています。ただし使い方や間取りにも注意が必要です、「ノーメンテナンスで」という意味でもありません。100年については判りません。 A基礎について 基礎に付いてはこのHPでも何回か触れられていますのでそちらもお読み下さい。 1.ベタ基礎の場合、 地盤が深い所まで軟らかい場合に用いられます。地表面が柔らかくても30〜40cm以内に支持地盤(堅い地盤)がある場合は柔らかい地盤の上にベタ基礎を作るより逆T型の方が良いと思います。版(スラブ)の厚みは20cm位、立ち上がり(布)部分は最低30cm以上の高さが必要です。きちんと設計施工されていれば強度も湿気対策も信頼がおけます。(ベタ基礎風?手抜き基礎が横行していますのでご注意) 2.布基礎(逆T型)の場合、 支持地盤の強度によって底版(フーチング)の巾を決めます、布部分の高さはやはり地面より最低30cm以上、換気口などの開口部の補強に注意が必要です。床下の防湿対策として防湿フィルム+コンクリート6cm程度が必要(すべき)と思います。 どちらも地中の水分はコンクリートの毛細管現象で上がってきますが布の高さが30cm以上あれば土台が湿気ることは無いと思います。 B白蟻対策について、 白蟻は餌となる木材と水分があるところに巣を作ります。(詳しくはyahooなどで検索してみて下さい。)常時湿潤状態になる所に木材があることを防げば良いわけです。結露や水漏れの場合を含み、木材を濡らさないことを徹底しましょう。基礎工事の時、廃材や木の根などが埋まっていると、表面にコンクリートが打設されていても白蟻が住み着くおそれがあります。家の周りを乾燥させるために犬走りを付けたり、軒の出を大きくすることも効果があるでしょう。外壁に近接してブロック塀などが有ると通風が妨げられる恐れがあります。上記のように基礎高さが十分で適切な換気がされていればほとんど心配はいらないと思います。機械による換気も必要ありません。薬剤による防蟻処理も住人の健康上(シックハウス)あまりお勧めできるものではありません、最小限に留めるべきと考えます。 セールストークや親切な?アドバイスが沢山耳に入ると思いますが、基礎や構造に限らず沢山の選択肢から適切な方法を選ぶのも設計のうちです、唯一の正解はありません、多くは技術論の問題ですから信頼できる技術者(建築士)と話し合って納得のゆく選択のうえ、住まいを作り上げるようにして下さい。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 家を建てようとお考えのようですが、いろいろな点で不安ならば、専業の第三者たる独立した建築士に頼む事も選択肢の一つとして、是非お考え下さいね。われわれは決して敷居が高いというような人間では有りませんのでこの「よろず」と同様に気軽に相談して下さい。 設計料はどこでも見えないようにしてあるだけですから(一般的に提示額が安いかサービスとしているのは施工費に隠しているだけです。実際はそこで知らないうちにお払いになっているだけなのです。) 。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 早速のご返事大変ありがとうございます。 ハウスメーカーの方に聞いてもセールストークばかりでどの返答も釈然としなかったのですが、技術的にきっちりとしたお答えを頂き、大変助かりました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。 |
その後 |
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