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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0138 造成について

 相談概要 [氏名] M.Oさん
[住所] 宮崎県宮崎市
[年齢] 27才
[構造] -
[築年数]  -
[階数] -
[様態] -
[施工者] -
[設計者] -
[監理者] -
[確認申請書存在の有無] -
[設計図面枚数] -
[着工までの打合せ回数] -
 相談内容 造成についても、よろしいのでしょうか? 
現在、宅地として指定されているのですが、田んぼとして使われている土地があります。その土地は川沿いで、堤防はなく、一応、氾濫はないそうです。 このような、前の土地が田んぼであるばあい、家を建てる場合に気をつけること、対処方法などを教えていただけませんか。 

あと、カナダにいったときによく見たのですが、住宅が平屋建てなのに、床を高くしていて、階段をのぼって玄関があるいえを良く見かけました。なぜ、このようなつくりになっているのでしょうか?
 yorozuの感想
アドバイザー 
大内 彰 この敷地のような場合は特に、建物を支える地盤、基礎について慎重に検討および工事をしないといけませんね。以下のように概略を説明しますので参考にしてください。

・日本でも雨の多い地域であり、川沿いでしかも堤防がなくて氾濫はない・・・その川がどの程度の川なのかわかりませんが、この敷地は川沿いの自然堤防の内側にあるということなのでしょうか?そういう湿地帯ということを想定して話を進めます。

・概況敷地位置と現状で水田として利用しているのであれば、
@周囲の常水面が高い(地表から浅いところで水が出る)。
A地表から2〜3mは細かい粘性土や泥炭などのきわめて軟弱な地盤が堆積している。
Bその下には比較的硬い砂質土が堆積している。
と想像されます。

・家を建てるにあたって先ず表層の軟弱層を良質土と置換しますが、どの程度の深さまで置換する必要があるか、良好な地盤までどのような地層の構成になっているのか、確かめなければなりません。これにはスウェーデン式サウンディング工法という地盤調査が適しているでしょう(地表から10m位まで調査できますから、多分途中で砂礫層や砂層にあたると思います。役所などでも地盤データを閲覧できることがあります。)。そして、地盤調査は川に対して直交して2箇所行うのがよいでしょう。そうすることによって地層の傾きが分かり、不同沈下対策の方針を決めるのに役立ちます。また、周囲の建物があれば調査して参考にすることができるのですが、この場合は難しいでしょうか。

・起こりうる現象
@砂地盤の液状化・・・過去の被害例はなさそうです。
A地盤沈下・・・盛土の不同沈下、全体の均一な沈下(問題少)
B盛土の不良・・・盛土に含まれる有害物質やコンクリートガラなど

・対策(現状の軟弱層が厚い場合と薄い場合で異なります)
軟弱層が薄い場合には全部置換してよく締め固める。
@地中梁のせいを大きくして不同沈下に備える。
A建物の部分だけ掘り下げてべた基礎とする。
B不同沈下した場合に対応できるようにジャッキアップ工法にする(これは、土台の下にH鋼など強度・剛性ともに高いものを入れておき、基礎が沈下した場合、そのH鋼と建物ごとジャッキアップして基礎との間にできた隙間にモルタルを詰めて対応する工法です)。

厚い場合はいろいろ方法がありますが、表層の0.5〜1mだけ置換・締め固めは行います。
@杭(松、鋼管、コンクリート製の種類あり)を打って建物を支える。
A布基礎の下だけ砂質土層まで置換・締め固める。もしくは玉石コンクリートを打設する。
B造成用の土を建物の範囲に造成予定の2倍以上の高さ(かつ予定高さより1m程度以上)に盛りあげ半年位放っておくプレロード工法をもちいる(建物の重さによる沈下を先に起こさせようという方法で、沈下が止まるわけではありませんが建物に影響がでる可能性はかなり低くなります)。

一般的な内容は以上ですが、施工業者と調査・対策・保証に関してよく打ち合わせし、理解・確認しながら進めてください。また、確認申請図書に何か条件等の記載がないか確認してください。業者の言うことを鵜呑みにしないで、基礎以外の工事についてもよく確認・理解して進めてください。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 わたしの出る幕は無さそうです。 カナダの何処でしょうか?昔ながらの建物はその風土に基づいた家造りが考慮されています。雪が降る場所も降雪を考えて上げておく場合もあり、亜熱帯地方では動物や洪水等を避ける為に上げているばあいもあり、古代日本の高床式倉庫もネズミ等の動物から守る為、又、洪水の被害から守る為に(通風や湿気対策も)上げました。又、欧米の市街地では通行人の視線から居住者のプライバシーを守る為に視線のレベルを変えました。日本の京都の町屋などはレベルを変えずに格子で処理しました。この理由は「物言わずとも解る」の日本的意識が隠されています。これをヒントに答えを見つけてくださいね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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