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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0126 2ヶ月後くらいに基礎部分にクラックが

 相談概要 [氏名] S.Kさん
[住所] 石川県金沢市
[年齢] 33才
[構造] 木造(在来工法)
[築年数] 0年
[階数] 2階
[様態] 注文建築
[施工者] ハウスメーカー
[設計者] 兼業の建築設計事務所
[監理者] 兼業の建築設計事務所
[確認申請書存在の有無] 有る。
[設計図面枚数] 1枚
[着工までの打合せ回数] 8回
 相談内容 昨年11月に建替えにより新家屋が完成しましたが、その2ヶ月後くらいに基礎部分にクラックが入っているのを見つけました。施工業者に連絡し、軒下から確認したところ、縦に長さが80cm程度、横方向には基礎を縦断しており、犬走りの端に達しています。但し、基礎の一番下まではクラックは届いていません。元々地盤の弱いところに前の家屋は建っていましたが、建替えを機に地盤改良をおこなっています。

施工業者は、地盤改良をおこなった業者とは別の業者に、クラックがある個所の音波探査器による調査を依頼し、以下のような報告があがってきました。

「改良厚さは現状GLより1.28‐1.40m程度までN値9‐14程度となっており、地耐力10t/m2程度は期待でき、改良厚さおよび硬さは良好と言えます。基礎クラックの一つの原因となるのは土間コンクリートが一部開放されている部分があり、GLより3.0m程度まではN値2‐3程度と非常に軟弱なため、上記開放部分に側方移動しクラックが生じたと推測されます。対策として、クラックの進行を軽減する方法として、土の部分をコンクリートで覆うなどの処理が挙げられます。」

施工業者の提案は、今後1年間クラックが進行するのか様子を見て、その後対応を決めるというものです。もし進行が終わっていれば、モルタルで手直しする。進行が終わっていない様であれば、上記報告書の通り、土の部分をコンクリートで覆う事を提案しています。

そこでご相談なのですが、

1) このようなクラックは予測不可能なのでしょうか?施工業者は建物自体の設計は問題なく、地質に関しては予測不可能と言っています。

2)仮にクラックの進行が止まらない場合は、コンクリートで覆ってしまうしか方法はないでしょうか?当方としては、土の部分すなわち庭の部分がなくなってしまうのでこの方法は避けたいのですが。

3) その他、施工業者との対応で言うべき事がありましたら、ご指導頂けます様お願いいたします。

ご質問をいただいている点についてですが、まずはその部分の写真をお送りします。縦に入っているのが、これまでご相談している亀裂ですが、基礎と犬走の合わせ部分、縦の亀裂から右側に向かって新しく隙間が出来ているのがわかりました(左側は問題ありません)。次に地盤調査報告書の図面を写真で取ったものです。調査位置図です。水色で塗った部分がコンクリート、肌色が土が剥き出しになっている部分です。そして各調査個所のN値は以下の通りです。調査個所@ (上の位置図に対応しています)

今後1年間様子を見て、亀裂が今よりひどくなっているようなら、この方法になるだろうと言うことです。なお、施工業者によると、同様のケースを過去に1度経験しており、その際も1年間様子を見て進行がなかったので、亀裂をめかくししたということでした。他にも何か必要な情報がありましたらお知らせください。よろしくお願いいたします。





 yorozuの感想
アドバイザー 
氏原 毅士 別図に地盤の状況をわかりやすくグラフにしてみました。1番を除いて他のポイントでは全て表層のN 値は25を示していますが問題の箇所(クラックの発生位置)では0.8です。これは単純梁状態であって、それなりに設計された基礎構造であればいいのですがどうやら違うようです。 

1番付近に薬液注入等を行って表層の地盤改良をやり直したほうが良さそうです。基礎のクラックは今後さらに進行する可能性があります。土間は主要構造物ではありませんので、いわゆる見た目の問題と考えても良いと思いますが、業者の言うように土の部分を土間で覆ってしまっても、原因が残ってしまいます。
このグラフは、相談者のデータを表にした物で、縦が深さ。横が調査位置です。左から調査順に並べています。棒グラフがN値です。 
1番(クラック位置)は明らかに地耐力不足です。
3番、2番4番は表層N値25ですが、地盤改良の結果としては薄い様に思います。ただ1番付近は改良の効果が見られず、2から3番での単純梁になっているようです。これでは犬走りにクラックが入るのも当然と思います。
薬液注入などの手当が必要と思います。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 1)クラックは予測するものではなく起きないように施工する事ですが、不測の事態(施工時の急激な温度変化、天候の急変による雨、職人のケアレスミス等)になった時は起きる場合も有ります。地盤に関しては地中を掘らない限り全体を目で確認する事は出来ませんので、敷地の数箇所からサンプリングを採取しその位置の地盤の性状を確認し全体の流れを判断する事が大切です。一般に住宅建設ではこのサンプリングはしてない事が多いですが(簡易地盤調査で大体判断してるようです)。

2)このコンクリートを庭に打つのは文章から判断してちょっと疑問があります。

3)対応を考える前に、その原因が書かれている様に庭側に側方移動したと考えるのが正しいのかどうかの判断を確認する必要がありそうです。

文章から読み取れるわたしの見解はこうです。
土間の開放部分でGL-3mまでは軟弱である訳ですが、もし3mに支持地盤があるとし、その支持地盤がそのクラック発生の基礎の下まで延びているとしたら地盤改良は1.4mでは足りないわけでその下の3mまでは相変わらず軟弱だと考えると、その地盤改良の下の沈下が発生し、反対側の基礎は問題なかったとしたら沈下と共に側方移動したと思うのですが。これはあくまで文章からの推測の域を出ませんが、いずれにしてもこの状況も頭に入れて対応して下さい。

こんにちは やはり私が考えた通りのようですね。 地盤改良は3mまでやらないと駄目です。1m前後では下が軟弱なため沈下は進みます。3mの砂質層で支持しないといけませんね。途中の砂混じり粘土では沈下します。この地盤の調査会社は回答がおかしいようです(業者側でものを考えてますね。この業界こんなのばっかりです。気を付けましょうね)。この対策が難しい。道路の裏ですし、隣家も接していますし、機械も入りません。沈下を待って(5年程)ジャッキアップが良い方法かも知れません。具体的には現地を調査しないと何とも言えませんが、初期の地盤調査のデーターの取り方が甘かったようですね。この辺を業者に指摘して下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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