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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.0114 上に出ている鉄筋が曲がっています。

 相談概要 [氏名] E.Hさん
[住所] 東京都目黒区
[年齢] 31才
[構造] 混構造
[築年数]  工事中
[階数] ? 階
[様態] 注文建築
[施工者] ハウスメーカー
[設計者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
[監理者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
[確認申請書存在の有無] 無い。
[設計図面枚数] 1枚
[着工までの打合せ回数] 15回
 相談内容 3月から建築中ですが、相談してよろしいでしょうか。

現在、地下部分と基礎部分を建築中です。生コンクリを流し込んで、枠組みを外したばかりですが、気泡の痕がぶつぶつと表面に見えます。直径5ミリから2センチぐらいまであります。これで大丈夫なのでしょうか?Mホームの2×4で建築中ですが、地下及び基礎のRC部分だけ心配しています。それだけの調査は可能でしょうか?また、調査費用はどのくらいでしょうか?

今回、添付した写真はそれ以前の、基礎を作る工程の一部です。「車庫鉄筋」の写真でおわかりかと思いますが、コンクリ部分から上に出ている鉄筋が曲がっています。本日、現場の担当者に確認したところ、鉄筋をコンクリ表面から距離をとるため、曲げたということです。(鉄筋が生えている部分の直線は基礎の表面になります。要するに中心が著しくずれていたのです)「風呂場鉄筋2」でもお分かりかと思いますが、曲げた部分(鉄筋が生えている部分)はセメントで埋め直してあります。現在すでにこれら鉄筋はコンクリで固められており、内部を確認することはできません。まもなく、基礎部分の工事は終了する予定です。

前置きが長くなりましたが、こういうやり方は素人から見ると杜撰に見えるのですが、建築会社に抗議すべきでしょうか?また、将来耐久性に問題が生じる可能性があるなら、「作り直して欲しい」と言うべきなのでしょうか?作り直す場合、基礎の他の部分へ与えるリスク、悪影響は生まれるのでしょうか?助言を頂きたく、お願い申し上げます。


車庫鉄筋


風呂場鉄筋1


風呂場鉄筋2
 yorozuの感想
アドバイザー 
大内 彰 この建物の規模ですが、地下1階、地上2階でしょうか?(「地下」と表現しているのは地中梁のことではないですよね?)気泡の痕があるのはどの部分でしょうか?その程度がわからないのですが対処法の例を書きます。

・深さが1〜2mm程度で、土や仕上げなどでかくれるような場合はそのままで大丈夫でしょう。
・深さが10mm程度の場合は無収縮モルタル(普通のモルタルは乾く時に収縮しますがこれは収縮しないように添加剤を入れます)で補修させてください。
・深さが40mmもあるような場合はその周りからコンクリートを削ってもらい、グラウトコンクリート(添加剤を入れたコンクリートで収縮が小さい)で補修させて下さい。

調査を受けることは可能です(2.5〜5万円)が、その前にデジカメで全体とその部分を撮ってこちらに送っていただいたもの(又は現像写真)を、こちらで判断してアドバイスするほうが良いかと思います。第三者が途中から突然現れても工務店の方も困惑しますので。もう少し、具体的な情報があればおしらせください。返事がおくれてしまって申し訳ありません。

先ず、疑問があります。基礎からの立上りのコンクリートの厚さは何ミリでしょうか?基礎幅と同じであればわざわざ鉄筋を曲げる必要はありません。そのままたちあげておけばOKですが・・・基礎天端の墨を見ると6cm程度でしょうか?通常は構造体のコンクリートの厚さは最小でも8cm以上です。既にコンクリートを打ち込んでいるようですが、私はやり直させるべきだと思います。

コンクリートが真っ直ぐなのに鉄筋が途中で曲がっているとコンクリートに引張力が生じた時に引張を負担する鉄筋が真っ直ぐになろうとしてコンクリートをはじき出すような力が働いてしまいます(構造計算ではコンクリートに引張力を負担させないのが原則です)。ですから、たて枠を留めるためのホールダウン金物用のアンカーボルトがセットされているところだけはやり直してもらうべきだと思います。

そうすると、コンクリートの表面が不均質になってしまうので何らかの方法で仕上げる(美観のため)必要が出てきます。また、前述のアンカーボルトの定着が立上り部分だけで基礎の中に埋め込まれていないのでしょうか?だとしたらなおさらやり直してもらうべきです。アンカーボルトが基礎に埋め込ま れているならば大きい問題にはならないでしょう。

鉄筋が曲げられている基礎天端では鉄筋の被り厚(コンクリート表面から鉄筋までの厚さ)が少ないので鉄筋が錆びやすくなっています。美観上問題無ければ、接着剤入りのモルタルで被り厚を確保する方法もあります。街でコンクリートの古い塀で鉄筋が出ているのを見かけたことがありませんか?それは被り厚が少なくて鉄筋が錆びて表面のコンクリートを剥離させてしまったものです。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 鉄筋の位置が本来の位置に配筋されず、基礎フーチングを打設して墨だしをした後に位置の間違えに気がついたのでしょう。管理者と監理者の「心無き管理・監理」が原因です。フーチング天端(直ぐ上)の鉄筋はどうもかぶり(鉄筋とコンクリート表面の距離)が十分に取れていない様子ですね。もう、立上がりは打設してしまったのでしょうか?しかし、この後立上がりの巾を広げてかぶりを確保したかもしれません。その様にしたのなら問題はありません。その辺のところも再度写真を送ってもらえると分かり易いですね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 早速丁寧なお返事を頂きましてありがとうございます。文系の私も、急きょ書店でコンクリの専門書を素人なりにめくってきたところです。ご指摘いただいた点は、確認し写真を送付するなどして、ご報告いたします。仕事の都合で来週半ばになるかと思いますが、またよろしくお願いします。
 その後  
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