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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0091 ハウスメーカーと設計事務所の違い

 相談概要 [氏名] O.Sさん
[住所] 兵庫県明石市
[年齢] 30 才
[構造] −
[階数] −
[様態] −
[施工者] −
[設計者] −
[監理者] −
 相談内容 これから家を建てようとしている者です。もともとは何も考えずにハウスメーカーで建てようとしていましたが、設計事務所に勤める友人に設計事務所で建ててみてはどうかとすすめられました。ハウスメーカーで建てる場合と、設計事務所で建てる場合の違いを教えてください。

また、どのような施主がハウスメーカーで建てるべきか、どのような施主が設計事務所で建てるべきでしょうか?

また、設計事務所に頼む場合、どのようなことに注意して設計事務所を選択すればよいでしょうか?

あまり質問が具体的ではなくて申し訳ありませんが、この点で悩んでいます。どうかよろしくお願いいたします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
氏原 毅士 ハウスメーカーに依頼して住宅を建築するメリットは数多くあります。 第一に、事前に自分の目で完成時にほぼ近い状態を確認出来ること、また、予算に応じたオプションなど現物に近い状態で見ることが可能な事などです。さらに展示場などでいくつものメーカーの建物を具体的に比較検討する事が出来る事も大きなメリットといえます。

しかし洋服でいうと既製品もしくはイージーオーダーであり、真のオーダーメードとは言い難いものと考えたほうが良いのではないでしょうか。 自分のライフスタイルや生活環境、敷地の条件などを考えると本当にこれがベストなのかどうか、よく考える必要があるとおもいます。不特定多数のユーザーがすべて満足するような普遍的な建築はあり得ないし、採点して平均点でいうと可と良の間で、ベターな選択といった感じではないかと思います。 

では設計事務所に依頼した場合はどうなるかというと、長期間の打ち合わせを経て、幾度となく図面による説明を受けたとしても、具体的なモノの無い状態でのイメージ作りは困難を極めます。自分が設計する立場にあってこんな事を言うと不審に思われるかも知れませんが、建築主とのコミニュケーションがいかに大切かを身にしみて感じるからです。建築主の年齢、家族構成、職業、趣味は当然として、プラーバシーにも立ち入ったおつき合いをし、たまにはケンカしながらも予算に縛られた中で夢を実現できる様、仕事を進めていきます。

 ただ、設計事務所のすべてがこの通りとは言えません。先のハウスメーカーの下請けでやっているところも多いからです。展示場では各メーカーの特徴や利点は実物を目にして容易に判断出来ますが、設計者の選定はここらが難しいところだと思います。 

設計者が100人いれば100様の建築が出来あがります。ご自身が考えておられる住宅(建築)を正直にぶつけて、実現出来るのは誰れであるかを考えて見られてはいかがでしょうか。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 それぞれのメリット・デメリットを書いてみます。

ハウスメーカーメリット 
・ハウスメーカーの参考の実物が見られる(展示場のものはそこの最上級のもので大体1億円を超えているものが多い。聞いても教えてくれないらしいですが。)。
・展示場で数ある建物を比べられる。
・他のメーカーの悪い点を競争相手のメーカーから聞ける。
・商品的なシステムなので打ち合わせが少なくてすむ。楽である。
・駐車スペースがたくさんある。
・コマーシャルによる情報が入手しやすい。
・粗品を貰える。
・購入すると誕生日にプレゼントが届き、大口の購入者には定期的なゴルフツアーに参加できるところもある。

ハウスメーカーデメリット 
・販売する方は商品的なものを売り、消費者も商品だと思って購入するが、現場単品生産には変わりはなく、この違いによる誤解を生み易い。
・少なからず建築を学んでない営業マンがマニュアル通りの基本設計をする事により、消費者との認識の違いが多くなる可能性がある。
・他社のデメリットは言うが自社のデメリットは言わない。
・設計施工なので第三者の監理者がいない。
・商品的なものなので、依頼者の土地等の条件に合う工法や仕上げ商品見積等、客観的な評価は出来ない。
・規格化住宅なので設計の自由度が少ない。
・大手で設計者が沢山いるから安心と思ってしまうが、実は各担当者は一人で月に3〜4物件担当するので、一つの物件に対応する時間が限られる。故に難しい事を要求しても対応が難しいシステムである。

建築設計事務所のメリット 
・工法や予算など選択の幅の自由度があり客観的な評価ができる。
・建築にこだわりのある人には話し合いながら自由につくれる。
・見積が明確で、明細書を見る事ができる。
・専業の建築士の場合第三者としての監理が行える。
・専業の建築士が注文者と業者の間に入り注文者の利益を守ってくれる。
・工法や材料・設備等についてメリットとデメリットを客観的に聞ける。

建築設計事務所のデメリット 
・全てがオーダーメイドなので同じが二つとなく建築を実物で見れない。
・建築士によって建築の質の幅がある。
・打ち合わせが多くなる。 建築士の相性が合わないと難しい。
・監理能力の低い建築士事務所が以外と多い(外注の設計だけで監理をしたことが無い事務所が多い)。
・業者と癒着している建築士事務所がいる(設計監理料を正当でない低い金額で受けて、足りない分を施工業者からキックバックを貰う。)。

と掻い摘んで書いてみました。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 丁寧なお返事をどうもありがとうございました。大変参考になりました。
 その後  
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