よろずWEB相談HEADLINE
No.0089 穴が開け直されていて
| 相談概要 | [氏名] K.Hさん [住所] 長野県塩尻市 [年齢] 31 才 [構造] 鉄筋コンクリート造（壁式構造） [階数] 2階 [様態] 注文建築 [施工者] ハウスメーカー [設計者] 兼業の建築設計事務所（建設会社の建築士） [監理者] 兼業の建築設計事務所（建設会社の建築士） |
| 相談内容 | お世話になります。先日、Tのコンクリート住宅を建てました。契約時にファンヒーター用の穴を外壁に開けるよう頼んでおいたのですが、こちらのファンヒーターの機種が決まる前に適当な位置に直径７ｃｍの穴を４ヶ所開けられてしまい、引き渡し直前に家を見に行った所４ヶ所とも穴が開け直されていて前の穴はコンクリートで埋められていました。 Tに問い合わせると、「最初に開けた穴の位置が合わなかったので開け直しました」との事でした。私としてみれば、ヒーターが決まる前に適当な位置に穴を開けてしまうのはおかしいし、客に無断で穴を開け直したのは建物に傷をつけたのと同じであるし、せめて開け直す前に「穴の位置が合わないので開け直していいですか」と連絡があればファンヒーターのメーカーに問い合わせて長いパイプがないか確認したり、ヒーターの下に何か置いて高さを合わすとか、最悪でも穴の高さに合うヒーターに買い換えたりとかの対応ができたと思うのです。 外壁は簡単に取り替える訳にはいきませんのでできるだけ傷をつけたくありませんでした。この事を抗議した所、Tから、 ・最初に開けた４ヶ所の穴は外壁と同じ材質のコンクリートで補修し直す（現在は普通のコンクリートで埋めてある）。 ・穴を開けた事による資産価値の低下の補償として２０万円支払う。これ以上の金額は会社としては出すことができない。 との回答があり、渋々承知しました。 このTからの回答を受け入れてしまってよかったのでしょうか。新築の家の壁に穴を４ヶ所も開けたのですから、もっと補償額が大きくても良かったのではないかと思うのです。宜しくお願いいたします。 |
| yorozuの感想 | ー |
| アドバイザー | |
| 星 裕之 | まっさらの物件に傷がついてしまったとの憤りの気持ちをお察しします。たしかに、新車を購入し外観に傷が合った場合、取り替えてくれと車屋さんにいえば、その車は未使用車として他の方に転売できるでしょう。 では、家というものはどうでしょうか。何十人もの職人さんたちが、一軒一軒違う仕様を意識しながら、考えながら造っていくものです。それゆえ完成時には何のミスもないとは言えないでしょう。明らかに欠陥を意識して造った場合、または、技術的に未熟であり欠陥になってしまった場合は、設計者・監理者・施工者は充分に責を負うべきであるとは思います。 今回はちょっとした連絡ミスから問題がこじれてしまってるようですね。大変申し訳ありませんが、20万円という額の妥当性についてはコメントができません。 |
| コメンテーター | |
| ー | ー |
| 事務局から | |
| 荻原 幸雄 | 建築を商品的に販売するハウスメーカーと建築を商品と思って購入する消費者とのボタンの掛け違いが見え隠れするように思います。建築は流通商品には成り得ない現場単品生産です。傷やクレームが無い建物は厳格には存在しないでしょう。その傷を補修しても傷跡が残ってしまう傷も在ります。ではこの傷やクレームを如何に少なくするかと言う事に注意を払われなければいけません。施主の為に心を入れて造ると言う事が大切です。しかし、商品的になった建築に、施主の顔の見えない建築に、職人さんはどれほど心を入れるでしょうか？商品的な仕事だったら数をこなす事を考える筈です。 「取り合えず穴を開けて、いらなければ埋めちゃえばいい」となってしまいます。「取り合えずなんて開けられないよ！傷がついちゃうよ」なんて思う方は減る一方です。２０万が妥当かどうかは解りませんが、ハウスメーカーは自社のこの家の価値はその程度だと思っている、という事のようです。 商品的なものと商品の皮肉な金額の差なのでしょう。 |
| 相談者お礼状 | |
| 相談者お礼状 | 先生方に悩みを聞いて頂いただけで気持ちが楽になりました。これからは傷の事は気にしないようにしようと思います。またお世話になる事があると思いますが、宜しくお願いいたします。 |
| その後 | |
バナースペース
一般社団法人 建築よろず相談支援機構
〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号
TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107