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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0082 部屋の隅にキノコ

 相談概要 [氏名] M.Kさん
[住所] 大阪府池田市
[年齢] 22 才
[構造] 鉄筋鉄骨コンクリート造
[階数] 2階
[様態] 分譲マンション
[施工者] 建設会社
[設計者] 知らない
[監理者] 知らない
 相談内容 はじめまして、給水湯管の水漏れに関して質問致します。

築12年の鉄筋のマンションに住んでいます。平成8年の2月下旬に床に敷いているカーペットより水が漏れました。その時の水漏れの原因は給湯管のジョイント部分の溶接がきちんと為されておらず、そこから水が少しずつ漏れ、管が納まっている溝に溜まり、それが数年間わからないままでいた為、カーペットに溝の容量を超えた水がしみだしてきたということで、そのことに関して建設会社の方も認められ、ジョイント部分の完全溶接、カーペット、カビの生えたクロスの張り替えを無償でやって頂くということでおさまりました。

でも、完全に直ったと思っていたのが、今年の2月中旬にまた同じ様にカーペットより水が漏れてきました。今回の原因は前回の作業の時、給水湯管の上をカバーする板を固定させる為に打ち込んだ釘が給水湯管と一緒に並んでいる追焚き管に先が刺さっていて、その部分と釘の腐食により三年経ってしまってから水が漏れ出たということでした。今回も建設会社側はミスを認められ、カーペットは無償で張り替えます。ということをおしゃっていますが、二度あることは三度あるといいます、ですから、また同じ様なことが起こらないとも限りません。

その前からおかしいなと思うことが何点かありました。壁のクロスが結露でベタベタに濡れていたり、部屋の隅に(掃除しているが)キノコが生えていたり、湿気を好む虫が発生したりと、去年から以前と同じ様に住みにくい環境にまた、なってきていました。でも、また給水湯管関係が原因であるとは考えつきませんでした。ちなみに給水湯管のある場所はカーペットの下のコンクリートの約4センチ程の溝(コンクリートの床とちょっとしか変わらない深さ)に埋め込まれています。普通はこんな浅いところに埋め込まれているものなのでしょうか?

私の家でもこのような被害を受けているということは、他の家でも同じ様なことが起こっていると思います(同じマンションの友人が新築で引っ越しして間もない頃、給水湯管から水漏れしたと聞いたことがあります。)。マンション自体が欠陥だった場合、建て替えは難しいと思います。その場合、代わりの住宅とか用意していただけるのでしょうか?いつまた、水漏れしないかと気にかけながら住んでいかなくてはならないのでしょうか?こういった場合、どの様に対処すれば良いのでしょうか?お忙しいと思いますがアドバイスお願い致します。
 yorozuの感想
アドバイザー 
小谷野 和広 水漏れの件に関して、上記の文章より考え付くのは、

1.配管工事補修後に配管にたいして圧力検査をしていないことが考えられます。通常、配管終了後に、規定の圧力を30から60分かけるのですが、それを行なわなかったのではないでしょうか。

2.今回も修理を行ないますとのことですが、湿気などが完全に抜けきらないままでいると、どこかしらおかしくなってきます。表面上はきれいになったとしても、床板の下は乾燥した状態ではなく、ジメジメした状態のままです。床を一部はがすことが出来る場所(和室の畳の下など)でコンクリートの躯体がどの樣な状態か調べて貰った方がいいと思います。もし、躯体が湿っているようで在れば、水漏れ以外に原因はありませんから、間仕切りをとりはらうかしないと、乾燥は難しいとおもいます。もし、それが無理であれば、かわりの住宅を用意して貰うことが考えられます。

施工会社は、過失を認めているのですから、権利は主張するべきだとおもいます。
木津田 秀雄  マンションの漏水のご相談ですが、実際にマンションの設計監理をしていると、このようなトラブルはちょくちょくあります。

 まず建物が出来たときには、加圧試験と言って、配管に水をいっぱい入れて一定の圧力をかけても漏れないかどうかを確認します。ほぼ100%ここで初期の漏水は発見できるのですが、恐いのは釘などが刺さっていて、その時には加圧試験に合格したものの、その後錆びてきて抜けてしまうという例です。

2回目の漏水はそのものですね。1回目の漏水の際に他の配管まで加圧試験は行わないと思いますので、このような事故がおきたのだと思います。 最近のマンションの配管としては、床下にピットを作ってそこに配管をおくというのは、ごく普通の工法です。取り替えやメンテナンスがある程度期待できるので、まだ良い方の工法でしょう。昔は配管をモルタルや軽量コンクリートに埋め込むこともされていましたが、今ではそんなことをするゼネコンはないでしょう。 

今後の対応ですが、施工会社が関係する部分を全て取り替えると言っているなら、それを施工してもらうのが良いと思います。但し先の加圧試験を今回補修した管以外の管も含めて補修完了後に行ってもらい、それに立ち会う、もしくは写真で報告をしてもらうことが必要だとは思います。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 ちょっと疑問な点があります。漏水が長年の歳月(12年間)かけて水がたまりカーペットを濡らした。下の階には漏れませんでしたか?どちらにしても床に使用している木材等は湿気を吸い込んで腐りかけている可能性があります(キノコが生えるなどは相当の腐食が考えられます)。その辺を業者に調査してもらって下さい。

配管位置はその位置が当時は主流です。業者が漏水は認めているのですから、床の木部等のやり代えや壁の張り替えを要求して見てください。壁のボードも湿気を吸っていると思いますので。その工事中の引越し代金や借家の家賃も要求して見てください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 こんばんは。部屋のことに関していろいろとアドバイスありがとうございました。無事、修復工事も済み、やっとこのようにお礼のメールが送信できるようになりました。

部屋の漏水に関してのその後のことなのですが、カーペット、クロスの張り替え、壁のボードの部分張り替え等はきちんとやっていただけました。あと、管に関しても信頼はできない、きちんと圧試験してください。と主張したところ、給水湯管等の圧の試験もやってくれました。

それに加え、アドバイスにきちんとコンクリートを乾燥させてから、カーペット等を張り替えた方が良いということを書いていらっしゃったので業者の方に、完全に乾燥してから、取りかかってください。と主張しました。すると、業者の方も納得し、除湿機を置いて乾燥の様子を見てからとりかかります、となりました。その間はコンクリートや窓の下部分のクロス、ボードが部分部分むき出しになった状態での生活をさせられ、かなり憤慨しましたが、きちんと部屋を元どおりにしてもらったら、その気持ちも大分治まりました(かわりの家に関しても少し言ってみましたが、それは乾燥が進まなかった時の最終的な手段とさせていただきます。と言われました。)。ということでこの件に関しましては、一応一段落致しました。

いろいろとアドバイス頂きまして本当にありがとうございました。このページがなかったら、どうしようかと一人でかなり思い悩んでいたと思います。

これからもこういう家の欠陥等のことで思い悩んでいる方達の為に頑張って下さい。本当にどうもありがとうございました。
 その後  
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