相談概要 | [氏名] F.Yさん [住所] 神奈川県横浜市港南区 [年齢] 29 才 [構造] 鉄筋コンクリート造(その他) [階数] -階 [様態] 建売り住宅 [施工者] その他 [設計者] 知らない [監理者] 知らない |
相談内容 | はじめまして。 現在、建売一戸建住宅の購入を検討しております。この物件はRM工法の鉄筋コンクリート造りです。抽象的で恐縮ですが、このような工法で建てられた一戸建住宅を購入する時の注意点をお教え下さい。特に現在、賃貸しているアパートでは湿気に悩まされていますので(結露、カビ、壁紙が剥がれるなど)、この点についてのチェックポイントなどお教え頂ければ幸いです。 またこの物件は建築後約1年ほど売れ残っていますので、こういう物件の注意点、チェックポイントもお教え下さい。 なお、販売店側は価格が高すぎたので売れなかったため、昨年末に価格を下げて販売を開始したと説明しています。売り出しは元々全9戸で現在も半数弱が売れ残っています。また、9戸のうち私が検討しているもの以外は全て2×4工法で建てられています。以上、宜しくお願い致します。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
小松原 敬 | RM工法の建て売りとは珍しいですね。特に他が2×4なのにこれ1件だけRMとは何か理由があるんでしょうか。例えば人工地盤の上に立っているとか、RC(鉄筋コンクリート)を打つついでに造ったのか、RCでなければ出来ない場所なんでしょうか。RMユニットは通常のRCでは型枠をつくりづらい狭隘地や高台になっている所に特に有効な工法です。建物そのものはRCは構造計算がきびしいので問題はないと思います。ただ前記のような条件が住まう上で、ご自分の希望に適うか注意はしてください。 住まいの湿気は基本的には結露が原因です。さらに結露は断熱性能が原因です。RMそのものはRC打ちっ放しよりは多少断熱性はあるものの、完全な断熱材ではありません。したがって、内装で断熱仕上げをしていなければ結露の危険はあります。その場合は換気に気をつけて、ストーブなど燃焼系の暖房器具は避けてエアコンを使ってください。売れ残りは値段が原因なら問題はないでしょう。逆に内装の不具合が現れてくるころなのでチェックにちょうどいいかもしれません。 |
星 裕之 | 本当に珍しい建売住宅ですね。 RM造という工法は1980年代に特に盛んに研究開発された工法です。工場生産のコンクリートブロックを型枠に用いることによって、コンクリートの中性化現象を抑制し、建築物の寿命がながく、比較的安価に建築できる工法でした。しかし、その材質感もあるのか一般に普及せず、コンクリート打ちっぱなしより大量生産可能な利点が発揮されず多少高価になってしまっています。 類似工法として、RCB造・型枠コンクリートブロック造等がありますが、もっともRM造が頑強で、中層建築物にも適しています。 RCB・RM工法に関しては協会の認定が必要になりますので、構造に関してはかなり安心できる工法と思います。さらに、内壁に断熱材がしっかり施工されていれば、北海道でも通用するような、しっかりした建物といえるでしょう。値段的には普通の壁式RC造より、高いはずなので、もし安かったらお買い得でしょう。(よく街中でよく見かける、コンクリートブロック造は、補強コンクリートブロックと呼ばれるもので、前出の物と全く違います。) |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | 型枠コンクリートブロック工法での建売りですか、珍しいですね。名建築にも使われたりしていますが。ちょっと心配なのはこれ以外は2×4の木造ですね。間違いはないと思いますが、地盤の地耐力試験の調査結果の書類と構造計算書のコピーを貰い、他の建築士に確認してもらって下さい。木造よりかなり重くなりますから。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 早速のご回答ありがとうございました。 なぜこの一件のみがRMかということですが、私も以前、不安に思い販売店に質問したことがあるのですが、分譲地の中央にRMのしっかりとした家を置いて、この分譲地のシンボル的に使いたかったためだろうということでした(現在の販売店は売り出し時の販売店とは異なります。販売店が替わった時に価格を引き下げたとのこと)。 地盤の確認は行っていませんが、この分譲地は私道と擁壁の間にあり、RMの物件は一番私道よりにあることから、他の2×4物件より地盤に問題があるという訳ではないように思います。いずれにしろ、お教え頂いた地盤の地耐力試験の調査結果を確認したいと思います。 |
その後 |
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