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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0061 給水、給湯と床暖房の相談

 相談概要 [氏名] Kさん
[住所] 埼玉県熊谷市
[年齢] 29 才
[構造] 木造(在来工法)
[階数] 2階
[様態] 条件付き建売り住宅
[施工者] 不動産業者
[設計者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
[監理者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
 相談内容 はじめまして、よろしくお願いします。引き渡しは去年の2月。去年の4月に某住宅検査協会の検査を受け、不具合を業者に指摘。7月に不具合を補修してもらいました。この補修内容について、必要でしたら、連絡をください。
なお、検査は、建築現場をよく知らない人が書いたらしくおそまつな報告書でした。
検査の様子がTVにでたのと、補修工事をさせる動機つけになったので、結果としてはよかったのですが。 こういった経歴をもつ我が家ですが、現在かかえている、おおきな不具合を相談したいとおもいます。

@給水、給湯のウオーターハンマーがします。 去年の7月に指摘して、業者になおさせました。いちおう、ウオーターハンマー軽減機(?)なるものをとりつけたそうですが、まだします。「他の家も音がするので異常でない」「しばらく様子をみて」ということで、現在に至っています。程度にもよると思いますが、漏水の原因にならないか、心配です。

B床暖房の効果が少ないように思われる。 Tガスの床暖房をLDKにいれています。床面積の約50%に床暖房の放熱板がはいっています。Tガスのホームページにあるように、「床表面温度が30℃に達するのに1時間かかりません」*を期待したのですが、我が家の場合、他の暖房器具(温水エアコン)の設定温度を20度にして、室内空気を暖房し 2時間以上たたないと床表面温度が30度になりません。この実験はTガスの人もたちあいました。 30度にならない理由は床面積の70%以上に床暖房放熱板が入っていないためといっていました。後日、標準の工事仕様書をみせてもらいましたが、明らかに大きく我が家が違う点がひとつ有ります。
標準工事:放熱板の上がフローリングになっている。
我が家:放熱板の上に板があり(すて板といっていた)その上にフローリングがある。
いったい、どちらの工事方法がただしいのでしょうか。床暖房の効果が少ないのは、この板のためだとおもわれますが、いかがでしょうか。

A床暖房の放熱板が契約時より約30cmずれている。 この件は、Tガスと交渉中です。先日、Tガスからどこに放熱版を敷いたか、施工業者に渡した図面を見せてもらいました。この図面上の放熱板は、契約のときと位置がずれているほかにも、実際の床に入っている位置もあっていない(ようだ)。(ようだ)というのは、床の温度分布から判断したもの。Tガスの品質管理に疑問があります。床をはがしてでもやり直しをしてもらおうとおもいます。以上、よろしくおねがいします。


*相談当時のものです。
 yorozuの感想
アドバイザー 
酒巻 裕之 >給水、給湯のウオーターハンマーがします。

ウオーターハンマーの原因は配管施工の問題と機器の問題(洗面化粧台等)が考えられます。機器の場合、使い勝手によっては多少の現象が起こります。たとえばシングルレバー水栓を急に閉じたとき等、当然起こりうる現象です。これは圧力のかかった流体が急に止まるために行き場の無くなった力が、機器付属の配管等にかかるため起こるものです。レバーをゆっくり閉めることで解消することが一番の方法と思います。問題は水を出したときに起こるウオーターハンマーで、配管施工方法により起きる現象です。配管の改善が必要です。

>床暖房の効果が少ないように思われる。「床表面温度が30℃に達するのに1時間かかりません」

TガスのHP上の表現ですが、曖昧かつ軽率な表現です。

>30度にならない理由は床面積の70%以上に床暖房放熱板が入っていないためといっていました。

70%でも50%でも、室内温度は変わるかも知れませんが、温水の供給温度が正しければ放熱板温度は変わらないはずです。

>標準工事 放熱板の上がフローリングになっている。我が家 放熱板の上に板があり(すて板といっていた)その上にフローリングがある。

なぜ、すて板が必要だったのでしょうか?また耐熱処理はしてあるのでしょうか?木村さんのお考え通り、標準施工されていないように思われます。

>床暖房の放熱板が契約時より約30cmずれている。Tガスの品質管理に疑問があります。

放熱板が30cmずれることによって不具合が生じていれば当然クレームをつけるべきです。おそらくTガスの下請け工事会社だと思います。

>床をはがしてでもやり直しをしてもらおうとおもいます。

お考えは賢明だと思います。Kさんのお話を一方的に聞いただけですが、私も当件のTガスの下請け工事会社の品質管理に疑問を抱きました。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 フローリングの場合は指定されたメーカー床材を使用すれば床暖房の上には捨貼り合板はいりません。フローリングによっては捨貼り合板が入る場合もありますし、斜めに床を貼る場合には必要な場合があります。

断熱材はきちんと床暖房の下に入っていますか?入ってないと熱は下に逃げます。30度に達するのに1時間は状況によって違いますので、あくまで目安です。30度の計り方も温度計を閉塞して計った温度で空気温度ではありません。表面温度が30度ですと5cm離れたところから天井まで20度の均一な温度になりますが、これは敷設率70%以上の空間で天井高2.3m程度の空間での事、50%だと空気温度はかなり落ちると思います。

捨貼り合板の無い直貼りの場合のデーターですので、捨貼り合板のある場合はこれより能力が落ちると思われます。表面温度は面積には関係有りません。面積的にもこのデーターは70%以上を敷き詰めた場合を想定してますので50%だと部屋全体の温度は落ちると思います。

以上施設面積・窓の位置大きさ・空間の広さ・捨て合板の有無・断熱材の有無等の複合が能力低下として現れたのだと思います。大切なのはその事を明確に説明を受けたかどうか?と言う事です。床暖房の契約形態が不動産会社か工務店かTガスの代理店かによっても責任の所在が違います。大切な事はこれらを明確な説明の無いままに進んでしまった事にある訳です。某住宅検査協会の検査を受けたとの事ですが、他にもいろいろあったご様子。施工がずさんなのは設計がずさんである事の現れです。当然第三者の監理者はいなかったでしょう。このような現場は下請け業者も現場を見て「この程度で良いのか」と現場に合わせる傾向にあります。こうなると問題はどんどん出てしまいます。残念ですが。

Tガスの床暖房は性能が安定していて、わたしは良く使いますが問題はありません。大切なのは設計者・施工者がその性能を良く理解し設計・施工する事です。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お世話になります。K@熊谷です。早速の解説ありがとうございました。参考になります。 Tガスの回答より早く解説いただきました。
荻原様の指摘のように第三者の監理者はいませんでした。まだ、いろいろあると思います。また相談するかとおもいますが、よろしくお願いします。
 その後  
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