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No.0052 建物が傾斜している?

 相談概要 [氏名] K.Jさん
[住所] 東京都世田谷区
[年齢] 33 才
[構造] 木造(在来工法)
[階数] 3階建
[様態] 建売り住宅
[施工者] 大工(工務店)
[設計者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
[監理者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
 相談内容 南側傾斜地にある3F建て建売住宅を建築前に契約し、購入しました。

12月初めの引き渡し後、12月中旬より住み始め、引越の片づけが済むに連れ、建物が全体的に南側に傾斜しているように感じてならないのです。最初は気のせいだろうと思っていましたが、時にはクラクラしてしまうこともあります。傾斜については、いろいろと調べる方法はあるかと思いますが、実際にそのように傾斜していたことが明らかになった場合のことについて教えて頂ければと思い相談させていただきました。質問は次の通りです。

Q.どの程度までが許容範囲とされるのでしょうか?
Q.実際に傾斜をしていたような場合に、修正は可能なのでしょうか?
Q.購入者である自分にはどのような救済が残されているのでしょうか?
Q.どのような対応を今後していけば良いのでしょうか?

幸い、工務店は今までのところ良心的にいろいろな事に対応してくれてはおり、まずは調べてもらおうと考えていますが、当事者故に第3者に相談する事も必要だと思い、相談することにしました。最近は気になって心配で眠れない日々が続いています。できるだけ早くご回答よろしくお願いします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
星 裕之 何度もお伝えしているように木造3階建の場合、詳細な安全性の検討(構造設計)が必要となります。ですからこの建設会社の建築士は構造設計担当の他建築士に設計業務を依頼しているでしょう。それゆえ多少時間がかかるかもしれませんが構造担当者が適切な修復方法を検討・提案してくれると思います。

現在は設計ミスに対して建築家責任賠償保険制度や施工ミスに対しては工事賠償責任保証制度などがあり、その保険に設計者・施工者が加盟していれば、修復費用・損害賠償を保険でまかなうことができます。そのあたりも含めて建設会社(工務店)は検討中かと思います。

また、敷地周辺に水路や暗渠がある場合、そこに向けて地層が傾斜している可能性が高いものです。そのうえに建物を建てた場合建物が傾いてしまうということがあります。その場合充分耐力が期待できる層まで地盤を改良してから建築することが理想なのです。傾斜地や水路のある土地の場合、10〜30万程度余計に費用が派生しますが建築前の地盤調査・試験をお勧めいたします。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 Q.どの程度までが許容範囲とされるのでしょうか?

特に許容範囲は無いと思いますが*、建物は垂直に建っているのが当然の事なので。上棟の時は建物は垂直を出し、確認してから次の工程に入っているはずで、竣工時にはもう傾斜してしまったものと思われます。多分地盤による沈下だと思われます。

Q.実際に傾斜をしていたような場合に、修正は可能なのでしょうか?

敷地を見ないと解りませんが選択肢はいくつか在ります。補修は可能です。ただ結構な金額は掛かりますが。

Q.購入者である自分にはどのような救済が残されているのでしょうか?

まずは販売者がこの問題を逃げず対応して貰う事でしょうか。

Q.どのような対応を今後していけば良いのでしょうか?

今までのところ良心的にいろいろな事に対応してくれているとの事なので、推移を見守れば良いかと思います。大切な事は原因が何か?何故このようになったのかを把握する事です。それによって対策が変わるからです。


*(事務局注)
解説当時はありませんでしたが、H12.4.1施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)と合わせて、建設省告示1653号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的規準」が定められました。
これは、新築時の基準ではなく、建築後の「不具合事象の発生と構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性との相関関係」を表したものですが、参考にはなるでしょう。傾きの他にひび割れや欠損等も記載されています。

柱・壁・床:
傾きが3/1000以上の場合は、[構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が]一定程度存する。6/1000以上の場合は、[同上]高い。と記載されています。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 ご回答ありがとうございました。今後の工務店の対応を見守り、場合によっては再度ご相談させていただく事になるかもしれません。そうならないよう祈っていますが・・・相談する適当な人がいずに非常に悩みに悩み食事もできない程でした。本当にありがとうございます。
 その後  
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