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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0051 さて、どこがいいのでしょうか?

 相談概要 [氏名] I.Kさん
[住所] 神奈川県横浜市磯子区
[年齢] 31 才
[構造] わからない
[階数] -階
[様態] 注文建築
[施工者] その他
[設計者] -
[監理者] -
 相談内容 大変悩んでいるところに、本HPを見つけて、解決の糸口になればと思い、メールさせて頂きました。 

家族構成 妻、長女(3歳)、次女(0歳)、もう一人今年予定
所有不動産 土地(97年12月購入)/登記済み、約75坪、50/100%、
区画整備事業で整地、現状更地、場所 千葉県木更津市、
取得先 (S系列) 希望住宅仕様 5LDK、納戸、WIK、床暖房

家族の環境を優先して、大きな土地を購入し、アクアラインで横浜通勤を決断しました。家屋建築は、長女が小学校に入学する3年後を当初考えていたのですが、
(1)住宅金融公庫の金利の低下
(2)税金優遇措置
(3)土地ローン支払いをしながら、
現状(給料も現状)で2800万程度の新築が可能、であるので、1〜2年後の建築を決断しました。 しかしながら、「ずぶ」の素人ですので、まずは大手のハウスメーカー(S、T、SU、M)に無料設計が出来る企画が、新聞に掲載されたので、飛びついたところ、各社各様で、どれがいいのかさっぱりわからなくなってしまいました。

 また、土地を購入した不動産屋も建築を行っており、木造軸組と壁で強度を確保する構造で大手ハウスメーカーより安く出来ると言ってくれています(1級建築士のかたに概要設計をして頂いた)。
 さて、どこがいいのでしょうか?という質問をしたいのですが、無責任過ぎますので、自分達なりに質問をまとめて見ましたので、お答え頂ければ幸いです。 

(1)鉄骨と木材、どちらがいいのでしょうか?木材は腐食と変形が気になります。鉄骨は錆と費用が気になります。 

(2)一番恐れているのは「結露」と「2階床の騒音」です。結露は在来工法では、通気による防止、大手メーカーでは高気密/高断熱工法による防止、あるいは通気層を壁間につくる工法による防止、となると思いますが、ご意見があればお聞かせ下さい。騒音がSやDが「ALC」を床材にする工法が魅力的に感じたのですが、やはり高価であることは聞いたことがあります。 正直な話、在来工法では、この2点が気になります。 

(3)「軸組工法」と「2×4」、自由度と価格の面から特徴を教えて下さい。また、後者はカナダあたりで開発されたものだから日本の気候に適さない、と聞いたことがありますが、本当ですか? 

(4)失礼な言い方でお許し下さい。「大手」と「1級建築士」は、信用していいのでしょうか?

以上、たくさんお願いすることになってしまいましたが、よろしくお願いします。

PS こうなった経緯には、ハウスメーカーSが「G−UX」という商品で本体価格\2300万総計\3000万超(個別浄化槽、水道加入金、書類費用など、引っ越し費用以外込み、のべ床面積37坪、坪単価61万)を見積もったのに対して、J.Dが44坪で、引っ越し、庭工事込みで、それ以下で出来ると提案してきたため、混乱したということがありました。
 yorozuの感想
アドバイザー 
小松原 敬 (1)
一般的に言うならばどちらの構造も設計と施工次第です。木造でも鉄骨造でもしっかりつくってあれば問題ありません。ただ通常の2階建てであれば予算から考えて木造のほうが良いと思います。メーカーには軽量鉄骨造というのもありますが、のちのちの増改築には対応しずらいと思います。

(2)
通常、断熱は壁体内断熱といって壁の中にグラスウールをつめこんで断熱します。このやり方だと壁の中が室温より低くなるので室内から侵入した湿気が結露します。それを防ぐために室内側に防湿シートを貼ったり、通気層を作って湿気を排出したりします。もう一つは外断熱といって、ウレタンなどのボード状の断熱材を構造体の外側に貼る方法です。このやり方だと壁の中の温度は室温と同じになるので結露の危険がなくなります。ただ外壁までの厚みが増えるので、窓やドアなどの開口部に注意が必要になります。値段も若干高くなると思います。
設計事務所であればどちらの工法も可能です。メーカーの場合は在来、ツーバイ、パネル工法と様々ですのでどのようにしているかは、メーカーの仕様によります。

騒音については戸建て住宅に関してはさほど心配しなくても良いのではと個人的には思っているのですが・・・(マンションでは重要ですが)。ツーバイでは、床がたいこ状になっているので音が伝わりやすいという特性があります。どうしてもいやな時は、多少値の張る工夫があります。それ以外の場合では、厚めの構造用合板を1枚よけいに貼るなどすればだいぶ防げます。ただALCで もなんでも完全な防音施工をしなければ多少は音はもれます。

(3)
自由度を言えば軸組工法のほうが高いです。ツーバイもカナダなどの写真をみると面白いデザインがあるのですが、日本の基準では建てられないものがほとんどです。なぜなら、ツーバイは壁でささえる構造だから開口部は弱点になるのです。日本の地震に対する基準からすると開口部は相当制限されます。ただちゃんと作れば日本の気候でも大丈夫です。アメリカ西海岸では、日本より高温多湿になる地方もあるのです。値段的にはどちらもあまりかわらないです。アメリカでは相当安いようですが、日本の流通その他の現状では値段はかわらなくなってしまいます。ただしアメリカでも安い仕様はそれなりなので細かいことにこだわらずDIYが好きな人向きです。

(4)
残念ながら両方ともなんとも言えません。大手であっても担当者の誠意と力量でどっちにもころびます。特にメーカーでは営業、設計、現場、と担当が変わるので、営業はいい人だったのに・・・ということもありえます。また担当がどんなにいい人でも上の意向には逆らえません。

家は造る過程がとても大事です。できあがってから不具合を直そうとしてもどうしようもないことが多いのです。莫大なお金がかかるような補修は認めたがらないのは当たり前です。ただし大手なら資金量があるので最終的に裁判でも何でも認めさえすればなんとかなるという所でしょうか。また、大手ならあまりえげつない手抜きはないとは思います(秋田杉の住宅はひどかったですが・・・)。医者や弁護士でも時折、ひどい人はいます。一級建築士でも上記のような理由でなにもできなかったり、技術力の研鑽を怠ったりしている人はいるでしょう。ただ開業している人でそんなにひどい人はいないと思います。評判は死活問題ですので。

PSに対して
坪単価で決めてはいけません。設計、仕様、詳細な見積りを見ないと何ができるのかわかりません。安いけど安いなりに造られたら目も当てられません。よく見積りや仕様書に目を通して確認すべきです。他の見積りを見て「その仕様で坪いくらでやります」なんて言葉は一番あぶないです。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 あまり焦ることは禁物です。一生の買い物。じっくり考えましょう。但し、いろいろな情報が氾濫していますから惑わされぬよう注意して下さい。大手でも一つの建築に関わるのは営業・設計・現場担当の3人位で現場が始まれば現場担当は週に1、2回見に来る程度で後は提携している地元の工務店なりが作業します。

犬小屋から超高層ビルまで設計できる一級建築士(私もそうですが)という資格は足の裏の米粒と言われております(取らないと気持ち悪いが取っても食べられない!)。そんなものです。要は、設計者・監理者とそれを造る工務店の監督みんなが「このクライアントの為に良いものを造ろう」と考えてくれる人達かどうかが一番大切な事だと思います。まずはそこから・・・。実はこれが一番難しい!
相談者お礼状 
 相談者お礼状 長々とした質問で、大変失礼しました。荻原様、小松原様には、お忙しいところありがとうございました。貴重なアドバイス・選定の目安として、参考にさせて頂きます。予算、仕様、人を見る目(?)などのクロスポイントが見つかるよう、慎重に進めていきたいと思います。
 その後  
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