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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0049 我が家の条件付き建売住宅に問題

 相談概要 [氏名] H.Sさん
[住所] 愛媛県伊予市
[年齢] 58 才
[構造] 木造(在来工法)
[階数] 2 階建
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者] 兼業の建築設計事務所(建設会社の建築士)
[監理者] 知らない
 相談内容 売建(注文住宅)についての相談です。県の住宅供給公社が大幅に区画整理して団地として売り出した土地を抽選で購入し、家をたてました。土地の購入(4月下旬契約)と同時に公社より建築業者の指名を催促されたため、慌てて同じ団地内の建売住宅を見学し、とりあえず気に入った住宅を建てた業者を指名しておきました(契約と業者の指定は同日です。)。

※購入した土地は11月の始めまでには家をたてる決まりとなっていたようです。そのためには、間取り決めなど諸々の決定には期限がありました。
※工事の着工は7月初めです。10月末に家が完成し、入居可能となると同時に引越しました。入居後改めて家の中を見回すと、柱や壁や床のキズ及び塗りのはがれ、部屋の中(ドアや敷居等)の材質/色の不統一、などを多く発見しました。又、流しのパイプからの異臭や浴室の床のきしみに気付いて調べてもらった結果、工事ミスが原因であることが分かった点もいくつかあります。(詳細は以下の通り)

@浄水道(地中)の漏水
A台所下の配管より異臭(配管の工事不良)
Bユニットバスの床を踏むとバリバリ音がした。※ユニットバスの支えが正しくされてなかったらしい。 (床下より補修し、2日間かかった。)※このときは浴室床のみ補修したが、現在は浴槽の床を踏むと同様の音がする。
C1F和室の床板の張り替え。床板が短く隅々に隙間(2cm程度)が出来ていた。※コンパネの床材で張り替えた。
D外壁がコーティング材で汚れたまま、作業後の清掃が出来ていなかった。
E内装も仕上げ後の清掃が出来てなかった。
F床板や建具にキズが多い。(傷の上から塗ってごまかしているような部分が多々みられる。素材自体もあまりよい物が使われてないように思える。)
G天井がでこぼこである。(クロス仕上げが悪い)
H閉めたとき、床との間に隙間が出来るドアがあった。(約1.5cm)
I引き戸の枠部分の木の表面がひび割れたようになっていた。(仕上げが不充分)※かんなで削って一応の補修とされた。
Jアルミサッシのレール部分の塗りがはがれていた。
K建具の建てつけが悪い。※観音開きのドアが固くて開き難い。※押入れ上の引き戸が開き難い(かなり力がいる)。※物置の引き戸を開ける都度ガラガラ音がする。
L1F和室のナゲシの裏に隙間があり、隙間風が通っている。
M和室の塗り壁部分に早くもチリ切れがある。
N和室とリビングの間の引き戸のレールが浮き上がっている。
O敷居の材質が悪い。※材質が異なるため色も統一されていないように見える(同室内でも)。※和室の窓の敷居は、早くもカビのような斑点が見られる。
P台所の流しは指定したものとは別の安い流しが設置されているような気がするが、型名など指定した書類等は残ってないので不明。

明らかに工事ミスと分かり補修してもらった項目(@〜D、H、I)もありますが、それ以外の項目で初期不良と思われるものについては交渉した結果、全て無償で補修してもらう予定になっています。業者側は「全て直します。」と言うだけの回答で、我々は一時退去して最大限可能な範囲で工事をやり直してもらうことになってはいますが、どこまで補修してもらえるのか、また(使用する材質なども含めて)本当に納得できる仕上がりになるのかかなり不安です。

※業者から補修内容の説明を受けても、我々に専門知識がないので妥当な補修かどうかの判断がつきません(費やした費用の割には家の仕上がり具合や使用材料が粗末に感じられたため業者への不信感も強く、同じ業者に補修をしてもらうことにも不安を感じます。概算では、建築費用は約54万/坪です。)。新築を購入したのにいきなり補修しなければいけないというところにも不満を感じます。

上記のような話で進んではいますが、問題箇所が第3者から見ても間違いなく業者側の過失であるかどうかの判断は付け難く、また、法的にも契約上からも我々の主張が問題がないように(有利に)、今後業者とどのように話しを進めて行けば良いかアドバイスしていただきたいのです。また過失であって補修が不可能な場合は(出来れば初期不良であったことに対しても)、それ相応の金額での購入を望んでいるがどのように交渉すればよいかアドバイスしていただきたいです。尚、土地は66坪弱で建物面積は138平方mで、間取りは1Fが8畳和室+12畳リビングで、2Fが10畳洋室+8畳和室+3畳納戸です。

以上
 yorozuの感想
アドバイザー 
高尾正範 住宅供給公社がらみの住宅建設でありながら、このような結果になったことに同情いたします。本来、満足感を味わえるはずの、人生の大事業ですのにね。しかしながら、業者の対応は、今のところきちんとなされているようなので、まだ救われそうですね。 相談者の言い分によると、ずいぶんと注意を怠った工事の結果と思われますが,数々の補修項目を入居者に指摘され、又施工者が素直に手直しに応じるといった事は、業者が手落ちを100%認めてのことか、はたまたトラブルを避けたいが為の行為かのどちらかだとは思いますが・・・。ここで気になるのは、引き渡し時に、完了検査等は行われたのでしょうか。

通常完成直後は、何らかの補修工事が発生するものです(少ないに越したことはないですが)。こういった類の、検査事項に対する業者からの説明は、どうだったのでしょうか。本来入居後、入居者自身による不具合の発見も多々ありますが、そういうことがなされていればこれほど多くの補修工事が施主より直に出されることは、なかったと思います。

 流し台等の品番にも疑問をお持ちのようですが、これについては、打ち合わせがなされてないのであれば契約時の見積もり内容で確認してみてください。もし細かくメーカー、型式等が記載されていない場合は、施主との打ち合わせは、不可欠だったといったことになると思いますので。

相談内容の文末に、もし修復不可能な折りは、それ相応の金額で購入・・・・ とありますがこの場合、やはり公平な立場にある専門家による判定で確かな現況を確認するのが先決かと思います。

 せっかく建てられた住まいですので、あくまで修理により相談者がある程度の満足感を得ることが出来るといいですね。再相談結構です。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 条件付き建売住宅(売建住宅)の問題が出ている様な気がします。土地購入から8ヶ月で建物を完成させなければならず、3ヶ月で全ての事を決めて着工です。通常は一生に一回の高い買い物にしては、余りにも短いですね。工期は4ヶ月弱でしょうか、業者は工期が遅れる事を嫌います。遅延金の問題が発生するからです。ですから心無い業者は所謂「おっつけ工事」をします(取り合えず間に合わせて終わらす工事)。工期は間に合うに超した事はありませんが、無理に工事を進めてゆくとこのような状態に成ります。あっぷあっぷの状態かもしれません。

監理者が不在か形だけだとこの様になってしまいます。第三者の監理者がいても多少は不具合が出ます。それは、建築は単品生産で現場で作り、色々な業者や職人が入り、その技能の差が多少出てしまうからです。

しかし、今回のケースはこれを遥かに越えて、明らかに「おっつけ工事」ですね。業者は公社との関係を意識して(今後も公社がらみの仕事をしたい為に)、対応に応じる感じではありますね。普通はこうは簡単に認めないですが、その点は良かったですね。第三者の調査はこちらでも受付けますので、調査依頼フォームからお入り下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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