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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 0044 建売り住宅を購入したら水道工事が

 相談概要 [氏名] M.Sさん
[住所] 神奈川県相模原市
[年齢] 37 才
[構造] 木造(在来工法)
[階数] 2階
[様態] 建売り住宅
[施工者] 建設会社
[設計者] 知らない
[監理者] 知らない
 相談内容 1996年に購入しました住宅に関してご相談いたしたく、投稿させていただきます。長文となってしまいましたがよろしくお願いいたします。
まず、ことの経緯から書かせていただきます。

 現在住居としている住宅は、1996年3月に建て売りを新築で購入しました。契約日の当日、水道工事が終わっていないことが判明いたしました。この工事は契約日に間に合わなかったけれど、すぐに工事を行うということで、・住宅代金のうち、150万円は水道工事が完了次第に払うこと。
・迷惑料として50万円を私に支払うこと。
 という覚え書きを作成いたしました。
このとき、住民税・都市計画税は前の持ち主であったT建設が一旦支払い、水道工事終了の時点で日割り計算を行うことが約束されましたが、この覚え書きには含まれていませんでした。

契約後、直ちにその住宅に転居することは決まっていましたので、隣の売却されていない住宅から仮の水道を引く工事を行い、水道料はT建設が支払うこととなりました。この時、仲介の不動産業者からは、はっきりと、仮の受け渡しであることが明言されています。

 その後、水道工事はいつまで経っても行われません。その間に何度か水道を引いている住宅の水道の元栓を止められ、迷惑を被りました。更に、拙宅の電気 (風呂釜用のコンセントが屋外に出ており、1個空いている状態になっています) が隣の空いている住宅の工事のために無断で使われていることが判りました。直ちに止めるように工事に来ていた人間に言ったのですが、「水道工事がまだ終わっていないねえ。」などと、はぐらかしとも嫌みとも取れる発言をされ、更に気分を害しました。この時は「工事が送れているのはこちらの責任ではないそちらの責任だ。早く工事をやってくれ」と言い返すしかありませんでした。この工事を行っていた業者は、'Aホーム'と言い、T建設の下請けと思っておりました。この時も、後で挨拶に伺うと言っていましたが、結局来ませんでした。 

結局水道の工事が行われたのは、1998年の8月のことでした。この時も事前に工事の連絡は一切なく、当日(平日です)の朝7:30頃工事のけたたましい音で目が覚めました。会社に出かける時に工事をやっている現場監督と目が合いましたが知らん顔をされました。夜帰ってみると、雨樋が何かにぶつけられて潰されていました。その週の土曜日にT建設に電話をして苦情を言いましたが、「工事をやったのはうちではない。Aホームだからそちらに言ってくれ」と言われました。それで、Aホームに連絡したところ、こちらも知らないと言われてしまいました。

仕方がないので、仲介業者に連絡して、「責任をたらい回しにされている。誰がやったのか判らなければ警察に届ける」と言ったところ、すぐに水道工事をやった業者がわびに来ました。その頃、T建設からは、普通便で150万円の請求書が届きました。当初の約束とはあまりに違う結果であり、そのせいで被害も受けています。そして住宅の価格も大きく下がっています。それで話し合いを持つこととしました。その話し合いの場で初めて知って驚いたのですが、購入した住宅に大きく関係していた業者が倒産or夜逃げ(表現が曖昧で事実をはっきりと告げられていません) したというのです。

その業者が水道工事の代金を持ち逃げしたようなことを言っていました。それでその代金を支払った、いや受け取っていないとT建設とAホームとの間にやりとりがあったようです。この辺のところは相手もはっきり言いませんので私からは何とも言えませんが、はっきりしていることは、倒産するなり夜逃げするなりした業者が関係している物件であることを知っていれば、そんな住宅は買わなかったということです。当然、そんなことは相手は知っているわけですから、わざと隠していたことは明白です。そして、工事がこれほどかかったのもこの業者が原因であることが明白になりました。そのことを指摘すると、T建設が責任を持って対処するつもりであった、と述べました。それで、これまでの経緯も含めて、

1.破損した雨樋の他にも住宅の壁にへこみが出来ているので直ちに修理してほしい。T建設は了承。2週間後に修理は行われました。

2.住民税並びに都市計画税に関して当初の約束通り日割りで計算して、1997年度分の全額と、1998年分の日割り計算分を支払ってほしい。T建設は了承。1998年度分も全額支払うと回答(支払いは行われていません)。

3.覚え書きは、少なくとも1ヶ月程度の遅延という前提で結ばれたものであるから、このように2年半もの遅延が生じ、当方も実害を被っている。加えて、住宅の価格も大幅に下落している(98年2月頃で既に300万円以上下がっていました)ので、この 150万円は支払えない。との要求を行いました。

T建設は、1.2.の項目については了承しましたが、3.については出席者で判断できないので、持ち帰って後日回答するとのことでその場は解散になりました。その後1ヶ月ほど経ってから、50万円まけて100万円でどうかという回答があったそうです。その場はそれを却下したのですが、その後事態は進展しそうにありません。それで、質問があるのです。

1.このような事態になった場合、住宅を最終的に私が受け取ったのは何時になるのでしょうか?私は、水道工事が終わった日であると考えているのですが間違っているのでしょうか?
2.私としましては、倒産or夜逃げした業者が関わっていた物件であることを知らされなかったことに非常に不信感を募らせています。とても代金を支払うという気持ちにはなれません。それどころか、水道工事の遅延の間に下落した差額を保証してほしいとすら思っています。これは可能でしょうか?また、支払いを一時凍結していた代金は支払う必要があるのでしょうか?

以上、勝手なお願いですがよろしくお願いいたします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
小松原 敬 まず最初におことわりしたいのは、こういった状況はどちらかというと弁護士さんの範疇だということです。私達は建築基準法はプロですが、民法・不動産業法についてはアマチュアですので。日弁連では建築士会などと協力して欠陥建築相談会をたびたび行っているようです。費用の問題もありますが、あまりこじれるようだとそのような場所にいかれることをおすすめします。
以上のことを念頭に置かれた上でお読みください。

この建築会社もあまり上等では無いことは確かです。最終的に工事を行うならば、ずるずるとほっておかなければ感情的なこじれはもっと少なくてすんだはずでしょうに。まずは、事実関係をはっきりさせることが大事です。どこが企画した建て売りで、どのような経緯で建設会社がからみ、どのような経緯で販売に至ったのかを確かめることです。おそらくは企画した不動産屋が倒産して、債権者であった建築会社がこの住宅を取得して、さらに未払いのある工務店がからんで・・・といったところだと思いますが。契約時の重要事項の説明にそれらの説明があるかどうかは私にはわかりかねます。また法務局で登記簿を確認されたでしょうか?所有権の移転は終わっていますよね。

結局は事実関係を明らかにして、契約が誠実に実行されているかどうか(口約束も契約になります)を確かめ、契約が約束通り履行されていなければ、凍結していた代金の減額請求あるいは逆に慰謝料を請求するということではないでしょうか。下落した差額を払わせるのはおそらくは不可能だと思います。よくマンションなどで売れなかった部屋を値下げ販売したことに、それより前に買った住人が腹をたてて差額を返せと訴訟したりしますが、販売価格は市場動向に左右されて当然だという判決になるようです。契約時に決めた金額を市場の値段を理由に返金させるのは無理のようです。あくまで契約にもとづいて、不履行な事柄に対してペナルティーを請求するのが筋だと思います。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 大変な事態に巻き込まれましたね。お気持ちお察しします。

1.について
都市計画税をお支払いしているとの事から、登記移転はあなたに移っているものと思いますが、如何ですか。法的には契約時に取得した故に登記している訳ですから、水道工事は残っているものの建物としての取得はこの時点だと思います。

2.について
下落の金額請求は売り主とは直接関係ない事だと思いますので、その請求は妥当では無いだろうと思います。水道工事は履行されましたので支払いの義務は生じます。しかし、2年5ヶ月間の遅延工事は慰謝料の損害賠償請求の対象になると思います。その金額を弁護士に依頼算定し、売り主に請求し、相殺後の残金を支払い、又は受取るという形になると思います。詳細については弁護士に依頼ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お忙しいところ、貴重なお時間をちょうだいいただいて回答をいただきどうもありがとうございました。大変参考になりました。いただいたアドバイスをもとにどうするか決めたいと思います。どうもありがとうございました。
 その後  
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