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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 0041 白蟻が発生した。

 相談概要 [氏名] Tさん
[住所] 埼玉県川口市
[年齢] 46 才
[構造] 木造(在来工法)
[階数] 2階
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者] 会った事が無い
[監理者] 会った事が無い
 相談内容 築9年になる木造住宅です。最近シロアリが発生したことから質問します。

 シロアリは一階の引き戸の枠部分に発生し柱から枠をはがすとびっしりと発生していましたが、柱本体には被害は及んでいないということでした。そこは洗濯場兼物置のような3畳の部屋で、その真上が風呂と脱衣室になっています。

 何年か前に、2階の風呂の排水が、外の配管が詰まり細くなったということで逆流し、1階のその部屋が水浸しになったことがありました。朝になると水が引いているので変だと思いつつ何日も気がつかないままで、今回床板も腐っているとのことで、床板とクッションフロアを張り替えました。 

その後、シロアリ業者に駆除作業にはいってもらったわけですが、床下収納から床下にはいってみると、布基礎のコンクリート部分に通風のためのカットがされておらず、大変カビ臭いと指摘されました。特に、今回シロアリが発生した部分は家の中央部で、全てコンクリートに囲まれ入れないとのことで、玄関のフローリングを切って穴を開けそこから作業することになりました。

 リビングも同様でフローリングをカットし、他は床下収納や畳の下を切ることで入りました。 確かに窓と同様に東西、南北に風が通らなければ変だと思い、施工した工務店に話をしましたが、その区画ごとに外側に2カ所(隣り合う2辺に)換気口が空いていれば家の中央部を貫通する換気口は必要ないといわれました。 

構造の問題もあるので安易に基礎のコンクリートに穴を開けたくはないのですが、シロアリ駆除業者の言うことも一理あるような気がします(こんな家は初めてだと言います)。また、駆除業者は床に調湿材を敷き詰め、換気扇を2カ所取り付ける予定ですが、工務店は換気扇は無意味だと言います。

 床下の通風についてはどちらの言うことが正しいのか、お教えください。
 yorozuの感想
アドバイザー 
笠原 歩 どちらかといえば、駆除業者の方に分があるように思われます。

但し調湿材、換気扇は対症療法なので抜本的な解決にはなりませんのでその点をご理解ください。駆除業者の指摘するように木造建物の基礎は通風が確保できるように設計、施工するのが一般的です(つまり床下は全部繋がっている。)。

メールからは、基礎に問題があると判断いたします。但し、これを改善するのにはお見込みの通りかなり工期、費用がかかると思われます。
 星 裕之 木造2階建の基礎工法は通常「布基礎」と呼ばれる方法か、土間に鉄筋を配した「べた基礎風基礎」でしょう。木造3階建は別ですが、2階建程度で、柱と柱の中央部分かつ立ち上がり中央部分に「コアカッター」にて丸い穴をあけてしまう手が考えられるでしょう。もちろん、この場合にても本来補強筋を入れるべきなのですが、φ=100mmの穴だけですから、まあ目をつぶってもよいかと思います。ただ、できるだけ基礎の立ち上がり部分の鉄筋にあたらないようにしてください(見えないのでわからないとは思いますが)。

 切断位置が鉄筋にあたってしまった場合、鉄筋のサビの連鎖をとめるために、さび止めを十分塗り、10mm程度はモルタルなどをかぶせておいたほうが、よいでしょう。費用ですが、恐らく職人さん一日分程度の値段を見ておけばよいと思います。この程度の出費でしたら、施工した工務店さんも工事に応じていただけると思いますので、交渉してみてはいかがでしょうか。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 中央部の換気口は当然必要です。空間として全てが繋がら無ければ湿気は抜けません。工務店の話は可笑しいと言う事になります。しかし、換気扇も可能でしょうが、機械にたよるのも如何でしょうか。機械ものは7年位が寿命です。その都度取り替えとなり、ランニングコストも掛かります。最終的なトータルではそれほど変わらないのではと思います。

換気口を設ける場合は基礎に補強をしなければなりません。空ける場所、補強方法等慎重に対処しましょう。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  11月に、シロアリ発生にかかる基礎部分の通風についてお問い合わせした川口市のTと申します。おかげさまでコンクリートの穴あけ工事とシロアリ駆除が終了しました。工務店は最後まで基礎に問題はないと主張していましたが、穴を開けることにはすぐ同意してくれました。

 メールの回答がなければ、何が正しいのか、この処置でよいのかとずっと不安な気持ちを引きずる所でしたが、すっかり安心でき、また工務店とも自信を持って交渉でき、本当に感謝しております。 ありがとうございました。
 その後  
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