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よろずWEB相談HEADLINE

No. 0033 柔らかい地盤に建築する技術

 相談概要 [氏名] Aさん
[住所] オーストラリア在住
[年齢] −
[構造] −
[階数] −
[様態] −
[施工者] −
[設計者] −
[監理者] −
 相談内容 前略、初めてメールさせて頂きます。私はオーストラリアに在住しているものです。海外からの相談も受け付けてもらえるのかわかりませんが、相談したいことがあるので、メールさせて頂きます。

私は、こちらに土地を所有しております。約10年前に父が購入しました。広さは17ヘクタールほどです。購入時、住宅建築を考えてそうした訳ですが、いざ調査してみると、地盤が粘土質で住宅建築には不向きと判断されました。

ただ、私の知識では、日本では、柔らかい地盤に鉄骨やコンクリートを使うことにより、住宅を建築する技術があると、きいたことがあります。こちらでもそういった技術はあるとは思うのですが、実際日本語で相談出来るところがないので、今回メールさせてもらいました。

相談したいことは、上記の様な建築方法だと、通常の工法と比較して、どの程度コストの面で多く掛かるのでしょうか。あまり費用がかかる様だと、採算が取れませんので、今の状態で売ることも検討しなければいけません。以上です。どうか宜しくお願いいたします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
星 裕之 粘土質の土は上から力が加わると徐々に沈下していきます(圧密沈下)。地耐力が3t程度あるならば、船底(べた)基礎と呼ばれる基礎工法をお勧めできます。これは、緩い地盤を水に、建物を船に見たて、建物が沈下してもそのままの状態で沈下し、使用上影響を出さないようにするものです。この工法は、基礎の立ち上がり部分の強化(地中梁として)と、スラブ部分の十分な定着によって可能です。コストアップは微々たるものです。

地耐力が3tに満たない場合は、表層地盤改良、摩擦杭基礎、支持杭基礎等の方法が考えられ、順に高くなります(100−200万程度)。表層改良工法として、ソイルセメント工法が有名です。GL−2m程までの土にセメント、生石灰を混合していく方法ですが、木造住宅程度でしたら十分な地耐力が確保されることと思います。ただし、この工法がその土地で有効かどうかは断言できません。

地盤に関しては、見えないが故に工法の選定が難しく、非常に専門的な分野ですので、技術者のと十分な打ち合わせをお願いいたします。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 地盤が粘土質だと当然不等沈下のもとですので、この様な場合地盤を正確に調査しないと細かい工法は指定できませんが、考えられるのは地盤改良と摩擦杭工法です。この様な工法がオーストラリアに有るかどうか解りませんが、広大な土地を持つ国土では、わざわざ軟弱地盤に建築する事は無い為、余り基礎にはお金を掛けないと思いますので相当高いのではと想像します。

どの程度の深さまで支持層とするかで金額も違いますが、建築費の1から2割位日本ではUPします。そちらの方では日本程必要性が無い為、相当高いかもしれません。この様な答えしかできませんが頑張って下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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