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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 0017 床下に雨水が進入。

 相談概要 [氏名] H.Sさん
[住所] 千葉県柏市
[年齢] −
[構造] −
[階数] −
[様態] −
[施工者] −
[設計者] −
[監理者] −
 相談内容 築後2年半程度たちますが、下記問題が発生しました。

1.床下への雨水進入。
コンクリート製地下駐車場に直接基礎を立ちあげたため、基礎の下部より雨水がしみこんできました。防水等どのように対応したらよいでしょうか。

2.床下換気口について。
上記もれのため、しろありの心配がでてきたので先般業者にみてもらったところ、しろありに関しては大丈夫だったのですが、防腐剤が流れているので再処理した方がよいとの指摘でした。又、漏れ部分には、床下換気口がない(施工時点の業者説明では地下駐車場より立ち上げた部分は約20cmしかなく、取り付けられないとの事だった)ので、新設したほうがよいとの指摘もありました(1個所15000円程度で可能との話)。
築後で且つ基礎立ち上げが20cm程度しかない箇所に換気口をつけても本当に大丈夫でしょうか。基礎強度の点から施工上の注意点もおしえてください。

3.基礎補強について。
上記2以外の部分には換気口があるのですが、1ヶ所ひびが入っています。表側はそれ程ではないのですが、家側のほうがかなり入っているように見えました(しろあり業者からも中までひびがはいっていると指摘されました)。仮に基礎補強する場合にはどのように施工させればよいのでしょうか。
 yorozuの感想
アドバイザー 
星 裕之 (1)打ち継ぎ目地からの染み込みであれば仕方のない面もあります。方法として浸透式防水塗料の塗布をお勧めします。完璧とは言えないまでも、水分に反応してコンクリートのような結晶を造っていき、水を通さないようにする工法です。ひとまず、これで収まると思います。費用も安価です。

(2)立ち上がりが少なくても床下換気は可能です。一般に「基礎パッキン工法」のように土台の木材と基礎の間に換気のためのゴムをいれる工法があります。しかし、これは後施工では無理です。また、立ち上がりであれば柱の直下以外であれば抜くことは可能であります。なぜならこの建築物のような場合、立ち上がりには構造耐力を期待していないと思われるからです(通常の住宅の基礎には耐力を期待していますので注意。この辺は構造設計事務所に相談するのが適当です。)。しかしこの建築でもっとも問題になるのは欠陥建築(業者の瑕疵責任が問える)である可能性が強いことです。

床下換気口の設置義務違反(防湿上有効な対策をとっていないのに、床下換気口を設置していない)、さらに、立ち上がりの基礎がひび割れていることを考えると、恐らく立ち上がり部分には垂直方向の鉄筋も水平方向の鉄筋も入っていない可能性があります。さらに、建物の土台はアンカーボルトというものによって基礎に定着するものなのですが、そのアンカーボルトがいったいどこに結びついているのか気になります。大変失礼な言い方ですが一般の方が施工業者に直接交渉してもやるべきポイントがずれてしまうでしょう。

専業の設計事務所への現地調査・相談をお勧めします。
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 この様な場合、現地調査をして図面を書き、かなり具体的な提案をしなければ後々問題が発生するかもしれませんが、読んで状況を想定した中で、お答えします。

正式には建築士にちゃんと調査してもらって下さい。地下駐車場の上に基礎を置いただけであるのか、駐車場のスラブに鉄筋を定着してあるのか解りませんが、雨水が気になるくらい染み込むのは多分置いてあるだけでしょうか?そうだとすると基礎の背は20cmで2階建てだといかにも貧弱な基礎だと言う事になります。当然そこに床下換気口などは設けられなかったのでしょう。また、設けるのは無理です。基礎が駐車場のスラブに定着されていれば換気口を設けることは可能です。しかし、防水をしなければならず、その処理を慎重にしなくてはなりません。

防腐剤は当然再塗布してください。換気口は必ず設けて下さい。設けなければ床下の木が防腐剤を塗布して在っても10年位で腐ります。既設のものに開口を設ける場合、補強筋は入れられませんのでコンクリートを打ち増しして既設の基礎に鉄筋を定着させ補強します。既設の換気口も同様に対処しましょう。

基礎が置いてあるだけなのか?地下駐車場に定着してあるのか?で大きな違いが在ります。よく調べて下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 砂上の楼閣であった我が家、いまから嘆いてもしかたないので、具体的な処置策を考えていきたいと思います。いま、応急処置として、基礎と駐車場の接合部にパテでコーティング、水の逃げ道がなかった箇所には逃げ道をつくってもらいました(敷地周りのブロック(上部はフェンス)の下にドリルで穴をあけ、水の逃げ道とした)。

今後の処置には、先生のご指摘からするとかなり費用がかかることがわかりました。売買取引における代理人であった施工業者は倒産しておりますが、売り主は弱小ながら生きていますので、費用負担の問題を解決しなければなりません。保証協会の10年保証も付保されているので、一部保険の利用も視野にいれたいと思います。

しかし、売り主の出方次第では、最悪当方で欠陥住宅の疎明した上(床下換気は基準法施行令に5m以内に1ヶ所設置しなければならない?等)、調停等の申し立てを自らするか、弁護士を活用するか等、問題がおおきくなる可能性もあります。まず、売り主と任意交渉を経て妥当な落とし所を探ってみたいと思います。
 その後  
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