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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0012 階下の人から騒音苦情!

 相談概要 [氏名] N.Mさん
[住所] 京都府京都市左京区
[年齢] −
[構造] −
[階数] −
[様態] −
[施工者] −
[設計者] −
[監理者] −
 相談内容 築18年の分譲公団住宅を購入後、全面リフォームをして入居しました。

騒音が気になったので、リビングのクッションフロアを剥がして、L50の防音クッションフロアにしてもらいました。入居後、階下の住人から騒音苦情がきました。実際に階下で聞くと、歩いている音も、乳児がおもちゃを落とす音も、ドンドンと響きます。粘着テープ式の掃除用品(コロコロ)を転がすとカミナリのようです。入居後18年間こんな音はしなかったそうで、普通の生活をする音なので四六時中の騒音がとてもつらいそうです。

リフォーム業者に聞くと「うちはクッションフロアを剥がしただけ」ということで、例えば防音フローリングにしても大して違いはないだろうとのことです。以前の方は実はクッションフロアの上にカーペットをひいておられたらしいです。しかし、うちが引越したのは下の子が重症のアレルギーで畳やカーペットの生活をやめなければいけなかったためなので、畳やカーペットは敷けません。

何か他の方法で何とかすることはできませんか?防音シートみたいなものをクッションフロアの下に敷くことはできますか?とても悩んでいます。階下の方のためにも、子供たちのためにもいい方法ありましたらお助け下さい。
 yorozuの感想
アドバイザー 
木津田 秀雄  まず、リフォームを依頼するときに業者の方に「音の問題があるのでL50のフローリングにしたい」とか「下の階に音が響かないようにして欲しい」など具体的に音の問題を非常に気にしている事を伝えられたでしょうか。その上で、メールのような状況であれば、リフォーム業者の施工に問題があると考えて下さい。早い話が、頼んだものと違うものを買わされたと考えて下さい。 リフォーム業者がなんと言おうと、音が聞こえていることは事実です。L50の性能が出ていれば、メールで書かれているような音の伝わり方はしません。

リフォーム業者は
>リフォーム業者に聞くと「うちはクッションフロアを剥がしただけ」ということで、例えば防音フローリングにしても大して違いはないだろうとのことです。

との事ですが、その防音クッションフロアのカタログなどは確認されましたか?このようなカタログは多くの場合良いことだけを書いて、問題になりそうなことを書かなかったり、わかりにくく書いたりすることがあります。例えば建築材料の場合、床に使ったときの音の伝わり方を示す表示はLL-50とかLH-50とか表示します。これは公的な機関である日本工業試験場で、一定の条件の元で測定した値で、実際に張ったときにどのような値になるかを保証したものではありません。
このことは専門家を含めて多くの人が知らないことです。カタログにL-50とあれば、どのような条件でもL-50になると思うのが普通の感覚だと思います。

 解決への方法は、いくつかあると思います。現在の状況を測定し、L-50の性能を満たしていない場合に、リフォーム業者へ、要求が満たされていないとのことで無償で改善させるのがひとつの方法です。この場合、業者は容易に責任を認めないと思いますので、裁判などを視野にいれた動きになります。そもそもリフォームの仕様書や契約書、設計図面などがあるかどうかも重要なポイントになります。 

他の部屋との床の高さに問題があるかどうかが分かりませんが、防音用のフローリングに施工し直すのも一つの方法だと思います。但しこの場合もきちんとリフォームの設計を行う必要があります。例えば巾木とフローリングを接触しないようにしなければ、目標の数値が出ない製品などもあります。良く分かっていない大工が仕事をすると、見事に巾木とフローリングをボンドまで使って止めてくれます。取りあえず対処をしておいて、リフォーム業者を訴えるなら訴えるのも方法です。 

いずれの方法にしても、そもそもリフォーム業者に何を依頼したのかがはっきりしていないと、このような場合、話が難しくなります。契約書や仕様書がなければ、何月何日に口頭で伝えたなどの記録も大切です。ということで最初に書いたことが大切になります。あと今後の業者への対応は、なるべく書面にしておくことをお薦めします。FAXでも構いません。

 音の問題は、何か敷いたら直るというような性格のものとは異なります。その部屋の条件、例えば小梁と大梁で囲われた面積が違うだけで音の伝わり方は変わります。また剥がした床がコンクリート出ない場合も、条件が異なります。18年前ならたぶんコンクリートではないかと思うのですが、二重床になっているのかも知れません。 

大まかには以上です。一度現地を予備調査として見て、それから測定が必要なのか、改善の為の設計や計画が必要なのかを考えてみるのが良いかと思います。方針が決まれば、それに従って測定機械を借りて測定するなり、設計をするなり、作業に入る段取りが良いかと思います。 それでは
 辻井 健 お尋ねの件ですが可能な限り現状を想像力でカバーし、お答えいたします。築18年の公団住宅ということですが、恐らくスラブ厚(床のコンクリートの厚さ)は、 140〜120ミリと考えられます。現在の建物はもっと厚くなっております。そのことがまず第一の原因かと思われます。 L50の防音クッションフロアにされたようですが、メーカーはL40の方が効果は高いと言っております。我々の実測では顕著に大きな違いはない様に考えます。

公団住宅の場合、おそらく床のコンクリートの上に根太があり木製の捨て張りがあると思いますが、徹底的に防音をなさるのでしたらそれらを取り除き・防音ユニットフロア等にされるとかなりの効果が見込めます。あるいは、直貼りフローリング材(14〜15ミリ)をクッションフロアの替わりに床の根太の上の捨て張りに張り替えてみられるのも一案です。先の方法にくらべて1/5くらいの費用ですむはずです。クッションフロアの下に防音シートなどを貼ることは出来ません。

さらに徹底して工事を行う場合には、公団とも相談の上、スラブ厚が十分でない場合、構造的にも問題がありますから、勝手になさらない方がよいかと考えます。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 図面と実態を見ないと解りませんが、18年前の建築だとスラブ厚が135〜150位だと思います。通常現在は180以上取りますので構造体として遮音に対する厚みは薄いのだと思われます。その上にシンダーコンクリートを打設する方法もありますが、現実には建物に付加がかかる為難しいと考えます。

L50の防音クッションフロアーとありますが、歩行音緩和の3.5mmのものでしょうか?クッションフロアーそのものでL50をクリアーすることはありません。下地の状態が大いに関係します。下地から対策を講じる必要が有りそうです。

音の伝搬音には、空気伝搬音と固体伝搬音とがありますが、ご指摘の遮音シートでは空気伝搬音が多少クリアー出来る程度で固体伝搬音は防げません。第三者に調査を依頼して下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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