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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0011 被害者とともに加害者に?

 相談概要 [氏名] T.Kさん
[住所] 埼玉県川口市
[年齢] −
[構造] −
[階数] −
[様態] −
[施工者] −
[設計者] −
[監理者] −
 相談内容 有名販売会社の販売した超高層のマンションに入居して1ヶ月ほどです。契約から1年以上も待ってやっと入居したので、当初はドキドキでした。が・・・

5Fに居を構えてますが、まだ真上のお宅と両隣のお宅は正式に入居されてません。が、どこからかパタパタと歩く足音がすぐそこを歩いてる様に聞こえて来ます。ナナメ上のお宅からでした。ほんの少しのレベルではないのです。真上のお宅がいるかのように聞こえてきます。子供が走る音はもちろんですが、大人が普通に歩く音までも聞こえてくるのです。販売会社と施工会社に来てもらって調査はしてくれたものの、こちらが期待するような結果を出して来ないでしょう。

ちなみに真上のお宅を借りて歩いてみましたが、自分の部屋で自分が歩く音そのままの音が響いてました。壁がD-50、床がL−50スラブ180ミリで二重床の設計のようです。他の地域のマンションに住む友人に確認してもらっても「古い安アパート並じゃない。」とかなり驚いていました。ウチだけではなく他のお宅も何軒か上階の音に悩まされてるようです。私も毎日こんな状態なので殆ど眠れず、涙がただあふれるだけです。精神的にかなりダメージを受けてます。「被害者とともに加害者だ」と思った途端、掃除機がかけるのが怖くなり、歩く時はすり足のようにソロソロと歩いてます。部屋に一人でいられません。

所詮、調査をしても「問題ない」と言われるのが目に見えてます。泣き寝入りしかないのでしょうか?住宅ローンの支払いも始まっていないので、手放すにしてもかなりの大損はしてしまいます。それを補う余力はありません。上階の住人とも話し合いましたが、普通に生活する動きが聞こえてしまうのです。特別な音ではありません。文句のいいようがないですよね??どうしたらよいのか毎日考えあぐねています。いっそのこと最上階から飛び降りようかと思った程です。よきアドバイスいただけたら幸いです。宜しくお願いします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
笠原 歩 まず最初に、床がL-50というのは床材の性能を表示しているものなので、それに見合う下地(鉄筋コンクリートの部分)の施工がなされているのか疑問があります。スラブ厚180では負担面積(梁で囲まれた部分の面積)よっては脆弱なものと考えなければいけない場合もあります。この点については、施工者側の責任を追究できると思います。

また、二重床ということでタイコ現象が音を増幅している可能性も考えられます。対症療法としては、二重床をとっぱらい、その部分にシンダーコンクリート(軽量コンクリート)を打設し、直床とする方法があります。但し、躯体がそういった荷重に対応できる余裕があるのかどうか、また、床の触感(硬さ)は悪くなることになります。

いずれにせよ、Tさんだけの問題ではすみそうもないと思われますので、住民の方で協力者を増やしていくことが大事だと思います。時間がかかると思いますが、頑張りましょう。
 木津田 秀雄 実際に施工されたスラブの拘束面積や、巾木部分の納まりが正しく施工されていないなどの問題があるのだと思います。上記の問題に加えて、構造体との絡みもあるのかもしれません。

フローリングはEマンションであればパンフレットで天然木のフローリングとされていますから、システム床などの仕様になっていると思います。質問者の書かれている内容が事実とすれば、管理組合の総会を開いて対応すべき問題になるでしょう。それなりの組織で調査等を対応する必要があると思われます。

ただし、注意しないと「欠陥マンション」とみなされるのを恐れて、入居者自身が問題を表に出すことを非常に嫌う面があります。デベロッパーはその辺りの心理的な面を知り尽くして対応してきます。きちんと第三者での騒音測定を行い、科学的な目で原因を解明し、責任の所在を明らかにして、施主および施工会社に直すものは直させる必要があると思われます。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 図面と実態を見ないとなんとも言えませんが、販売後間も無いみたいですので、まだ管理組合は発足していないと思います。発足次第、住民一丸となって原因を追求し対応して下さい。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  メールにてご相談させていただき、大変勉強になりました。 「欠陥」という言葉のギリギリの境界線で建築される建物が 今の日本なのですね。 被害に遭われた方々は口々に「法律を変えなければ罰せない」と言っておられました。明日、不動産の仲介の方に査定をお願いしています。

 もし、この先再び家を持とうと思える時が来たら、今度はメールではなく、直接みなさんと交流を持って、心配のない平穏な生活が送れる家を建てたいと思います。今はただ、最後まで争うことを放棄した自分の力のなさと、こんなマンションしか造れない企業への憎しみと、金にまみれた日本の腐敗政治への怒りで一杯です。

 そして一刻も早く、Eを手放したいです。皆様のご健勝お祈りいたします。私自身も今後こんな風に泣かないために素人なりの知識を付けたいと思います。
 その時また疑問を投げかけると思いますのでお答えいただけたらありがたいです。本当にありがとうございました。 
 その後  
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