建物調査・診断のご案内

 建物調査・診断について

当機構では下記の調査・診断に対応しています。
原則としてお近くの地域のメンバーが対応いたしますが、業務状況等により調整させていただく場合もあります。ご連絡は事務局が窓口となりますので、下記の調査問い合わせフォームからお願いいたします。

・欠陥または瑕疵の疑いがある建物の予備調査*・本調査*
・建売住宅、分譲マンション等完成物件購入時の同行調査*

※予備調査とは:
現地でご依頼者(関係者)からヒアリングを行い、不具合(欠陥・瑕疵)の状況を確認します。目視調査が主体ですが、床や壁の傾きなど予め分かっている場合は測定器具を用いた調査を行います。一つの不具合について考えられる原因が複数になることもありますが、予備調査ではそれら全ての調査はいたしません。不具合事象と原因との因果関係を推定し、問題がある場合の解決への方策を立てる事が主眼であるため、予備調査という名称にしています(1次調査と表現する場合もあります)。不具合事象と原因との因果関係が分かりやすいケースでは、予備調査のみで終了する事例がほとんどです。
※本調査とは :
予備調査により不具合事象に複数の原因が推定され、それらをさらに掘り下げて調査をご希望される場合は本調査を行います(2次調査と表現する場合もあります)。漏水など原因究明のために壁の一部を剝がして確認するケースなどがこれに当たります。予備調査以降は工事を行った施工会社が対応してくれるなど無償でできるケースもありますので、そちらへの依頼もご検討なさってください。
※同行調査とは:
物件購入時の内覧会や引渡し会などの際に、第三者の建築士が同行して現況確認を行う調査です。完成物件が対象で調査方法は目視確認や動作確認が主体となります。電気、ガス、給水など、開通していない場合は機器の作動確認ができませんので、売主側と予めご調整いただく必要があります。

コラム~建物調査・診断とインスペクションの違い

建物を調査する、という点では「建物調査・診断」も「インスペクション」も同じような側面がありますが、当機構では次のように区別しています。

「建物調査・診断」:
あらかじめ何らかの不具合やその兆候が見うけられる場合、その事象の原因を探るための調査・診断です。

「インスペクション」:
建物状況がどのようであるか、劣化状況を把握する観点から全体的に調査します。

つまり、「建物調査・診断」は、既に発生している不具合について、集中的にその原因を調査し所見を出すためのものであり、「インスペクション」は、事前情報の少ない建物の全体像を把握するためのもの、という性格で区別しています。

いずれも、現地での調査は2~3時間で、調査後に報告書をまとめて提出しております。
「建物調査・診断」では、その不具合の内容によって報告内容の形式が変わります。例えば、床の傾斜調査の場合には、レベルの測定記録図添付、傾斜の方向や度合い(許容範囲か否か)、傾斜の推定原因の考察、などが報告書の内容になります。
「インスペクション」では、住宅の場合には国交省告示に書式が定められており、報告書はその書式で作成されます(本HPの別ページ、インスペクションのタブから内容を確認できます)。

調査を依頼したいがどちらのジャンルか分からないという場合、どちらのお問い合わせフォームからでも事務局に届きます。その後ヒアリングにて内容を確認させていただきますのでご安心してご利用なさってください。

 



 調査費用について

初回の調査費用(予備調査)は特殊な場合を除き5万円~(消費税別)です。
お問い合わせ後、調査内容を確認させていだだき、費用につきましてはあらかじめご案内いたします。
(遠方の場合はご協議により、交通費・宿泊費等を別途ご負担いただくケースもあります。

費用にはA4判2~3ページの調査報告書提出を含みます。施工者宛や訴訟に使用する調査報告書の場合は、不具合指摘事項の法的根拠の提示など詳細な記述が必要となりますので作成には別途費用がかかります。(費用は調査結果によって異なりますので必要な場合は見積りいたします)
本調査は予備調査の結果次第となりますので、ご検討される際には別途見積りいたします。


 ご依頼の流れ

ご依頼をご検討の際は、下記のお問い合わせフォームからお願いいたします。
フォームが使えない方は 0422-24-8768 事務局あてにお電話ください。

当機構がお問い合わせフォーム受領後に事務局からお電話かメールにて詳細確認のご連絡を差し上げます。

事務局にて地域の担当建築士を選定します。
原則、建築士が担当になりますが、必要に応じて弁護士と共同で対応することも可能です。

担当建築士からご依頼者へご連絡を差し上げます。
調査日時の調整・料金のご確認・その他ご要望等ありましたらここでご調整ください。

調査・診断の実施、料金のお支払(原則、現地での調査終了後にお願いいたします)

調査報告書の提出(通常1週間程度でメールでのご送付となります)

 

※このフォームによってご依頼が成立するものではありません。お問い合わせフォーム受理後、費用・日程その他ご依頼事項について、ご依頼者と当機構の合意が取れた際にご依頼成立となりますのでご安心ください。

 調査・診断事例(ご参考)

調査内容は不具合事象によって異なります。

床下に潜り、各部を検査する。
打診をし、劣化やジャンカの確認をしている。
亀裂の幅や長さを調査し、その原因を調査する。
シュットハンマーでコンクリートの強度を調査している。
必要によってはコアボーリングにてコンクリートを抜き取り圧縮検査にてコンクリート強度を確認する。
床の傾斜を確認しているところ。
コンクリート鉄筋の間隔・直径・かぶりなどを検査しているところ。
タイルを打撃し、タイルの浮き上がりの状況を調査しているところ。
生コンクリートミキサー車から抜き取ったコンクリートの検査をしているところ。
左から抜き取ったコンクリートを4週間後に圧縮し、コンクリート強度が設計強度を上回っていることを確認しているところ。
漏水により土台・大引が腐食している。また、改修で発生したコンクリート塊が捨て置かれている。
屋根裏の天井の断熱材が雑然となり、断熱効果が全くない手抜き工事である。
増築した外壁がまるで舞台の仮設のように、何の構造的知識もなく施工されている杜撰な工事である。
ダクトが潰れて、所要の換気量が取れない幼稚な工事である。
屋根の垂木の変形を木材の半端材で調整している施工で、杜撰な工事である。
屋根形状を変えたリフォーム工事だが、既存の瓦そのままで、形だけ家根の形状を作り替えた状況。強度も出ない悪質な工事である。
悪質リフォーム工事の典型例。屋根裏に過剰な金物設置、換気扇の設置で単に工事費用を吊り上げている工事。
悪質リフォーム工事で、床下に不要な補強金物・換気扇・束を多数いれて工事費を吊り上げる。
不同沈下した建物を水平にジャッキアップしているところ。
建物下ジャッキアップ中。